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「出版って、執筆作業とか印税とかホントのとこどうなのよ?」を処女作出版したばかりの社員に聞いてみました

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こんにちは! シックス・アパートヒカルです。

書籍を出版する。著者は自分。

......なんて、素敵な響きなの! いつかは本を出版してみたいなあ、なんて思ったことがある人は、多いんじゃないかしら?

とは言っても、自分にはネタはないし書き続ける根性もあるかどうかわからないしと、もじもじ......。

そんななか、とあるきっかけで弊社の中山が『お父さんがキモい理由を説明するね』を出版しました。ちょうどよいので、彼に「出版てホントのとこ、どうなのよ?」を根掘り葉掘り聞いてみました。

もしかしたら万が一なにかきっかけがあったら、単著を出版してみたい。と考えたことのある方のためのこの記事の中山の事例が、ひとつのモデルケースになればと思います。

彼の本の内容に関しては、『親や子どもの価値観や倫理観、あらためて聞いたことある?「お父さんがキモい理由を説明するね」を読んでみた』の記事に詳しく書かれていますので、合わせてどうぞ。ええ、タイトルから分かる通り、業務とは一切関係ありません(笑)。でも、出版のきっかけは、業務にも関係するところから始まったのだそうです。

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「そうです。私がキモいお父さんです。」

Q: そもそも、どんなきっかけで本を書くことになったの?

中山:今回の本は、ITmediaに連載していたコラムが話題になって書籍化につながったんだけれど、そもそもこのコラムが始まったのは、ITmedia さんから Six Apart への広告の出稿依頼が最初でしたね。それがだいたい5年くらい前。

当時は広告予算が無くて、代わりに「企業でビジネスブログを始めるには?」というテーマで記事を書くということを提案したら、企画が通って連載が始まったんです。

その後、Six Apart の業務とは関係ない夫婦の話や、ダイエットの話、自転車の話などいろんなテーマで連載させてもらいました。

ITmediaに書いた記事をきっかけに、日経MJなど他の媒体からもタンブラー弁当や、自転車通勤の取材を受けたりしましたね。

Q: 『お父さんがキモい理由を説明するね』スマッシュヒットが出版のオファーに繋がるまでの話を聞かせて。

中山:娘と父が色んなテーマをガチンコでトークして、記事化したら面白いんじゃないかって去年の11月に始めたのがキッカケです。

連載1回目の記事に1000いいね近くついて結構話題だったんだけど、2回目の記事『父と娘の週末トーク:娘と父のマジトーク(その2)「お父さんがキモい理由を説明するね」 (1/5) - Business Media 誠』が2万以上のいいねがつくなど、スマッシュヒットしました。

これが、出版社の人のアンテナに引っかかったらしく、出版のオファーも凄く早かった。11月に記事を出して、その2日後に出版の話が来ました。で、実際に会ったのが2週間後。その場で話がまとまり、GW前に発売開始しようってトントン拍子に話が決まったんです。

Q: そんなにあっという間にまとまるものなのね。その後はどんなスケジュールで執筆作業を進めたの?

中山:まず、12月中には本の構成をフィックス。ITmedia の連載は1月で終了予定だったので、書籍用の書き下ろしとWebの記事と同時進行で進めてました。11月から1月までは、予定通りWebに連載記事を公開。同時に出版を意識しつつ、Webに掲載すること、しないことの調整をしていました。

12月から3月までの4ヶ月で書きまして、一番しんどかったのは通常の仕事、週末の家族インタビュー、記事を書く、本のドラフトを書く、のすべてをフル回転で回さなきゃいけなかったこと。

娘と祖父のトークは、私がモデレーターになって、正月三が日に、3回くらいガストに籠もりきりで話を聞きました。ガストって、お正月から営業しててすげえって思いました(笑)。

毎朝5時に起きて、iPad+Bluetoothキーボードでがーっと書く生活が1、2、3月下旬まで続きました。ちなみに、5時起きについては『早起きの常識を覆したら、毎朝5時に起きられるようになったお話』の習慣が役に立ってます。

この間、実は、編集者さんとのやりとりはメールだけでした。書籍化の打ち合わせを11月にして、初稿を納めるまで、1回も会わずにやりとりしてました。

中身に関しては、言葉遣いとか単語の修正はあったけれど、他は自由に書かせてもらいました。そこは感謝してます。そうでなければ窮屈な仕事になっていたでしょうね。

Q: いくつかの出版社から話が来たらしいけど、なぜその出版社で出版することに決めたの?

中山:即効でアプローチしてくれたのがまずひとつ。社長が来てくれて話をしたのだけれど、社長も娘さんがいらっしゃって、父同士ってことで意気投合できたんです。出版社(リンダパブリッシャーズ)の規模ではなく、意欲と人柄ですね。

他社さんからの話もあって、ありがたかったです。ただ、2月以降にお声がけいただいたその頃は、執筆も佳境に入っていて、同時進行させられなかったのでいったんペンディングしました。

Q: 実際のとこ、本を書くってどういう作業なの?

中山:私も初めての体験だったので、その経験を元に話しますね。まず読んでほしいターゲットを決めます。そのターゲットに合わせてページ数が決まります。薄すぎず、厚すぎず、読後の満足が味わえるのが300ページ強らしいので、それに合わせました。

次は、構成を決めます。全体で何ページあって、章がいくつか決まると、一章のページ数がおおよそ見えてきます。1ページはびっちり書くと600文字だけど、改行もあるので500文字前後と逆算していくと、「何文字書かなければいけない」って執筆のボリュームが決まるわけです。

ドラフトはほぼすべてiPad miniで書きました。ドラフトをWordに流し込み、縦横の行数と文字数を書籍に合わせて、見開きをイメージして清書しました。何度かキャッチボールした原稿を、最終的にWordで完成させて編集者さんに送ると、編集者さんはそれを全部印刷して、手書きで赤入れしてスキャンしてPDFで送り返してくれます。それをまた自分がチェックして、直して送る......というやり方でした。

これで完成だ!ってなった最終原稿は、印刷の関係で「今日の朝イチでないと間に合わない」ってギリギリだったので、出版社のオフィスに私が自転車で走って届けました(笑)。それが3月末で、その3週間後、4/17に晴れて書店に並びました。校了した週末は疲労がピークに達し、家でひたすら寝ていました......。その週末に家族が食べ放題の焼き肉でささやかなお祝いをしてくれました。支払いはすべて私持ちでしたが(笑)。

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Q:挿絵とか表紙のデザインはどう決めたの?

挿絵は女性のイラストレーターさんにお願いしました。遠隔にお住まいの方だったので、登場人物の写真を送って、似顔絵を数パターン描いていただきました。娘は、自分がイラスト化されたのを見て、喜んでいましたよ。

表紙デザインは縦書、横書、フォント、絵の場所が違う十数パターン作りました。帯の文言もいろいろアイデアを出し合って、最終的には社長さんに選んでもらいました。ターゲットの人(お子さんを持つお父さんたち)が、思わず手にとってみたくなるキャッチフレーズになるよう意識しました。表紙と帯で売れ行きが大きく変わることもあるらしいので、けっこうパワーをかけましたね。

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Q: で、ぶっちゃけ本は売れてるの?

おかげさまで、まずまずといったところ。Amazonでは、4件レビューがあるんですが、全員が星5つでした。よい評価をしてもらえて、すごくウレシイです。

本が売れてるかどうかも大事ですが、サラリーマンである自分にとっては、書籍を出版したって実績がすごく大事なのかなと。「東京出張時に会ってください」とか「娘にも読ませました」という反応をもらえるのが、何よりもうれしいです。

ネットでヒット記事を連発するより、1冊のリアルの書籍のほうが、一目置いてもらえるというか、インパクトがあるなって感じます。とてもいい名刺ができた気分です。あと、赤坂の文教堂で大々的にPOPでPRされていたのを見たときは感激しました。

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Q: 本を書きたい人へのアドバイスはある?

本を書きたい、という人は世の中にいっぱいいるんじゃないですかね。でも具体的なアクションをする人は少ないかも。

ネットに記事を書いて、声がかかるのを待つのもいいけれど、自分から出版社にアプローチしてしまってもいいんじゃないかなって思いますね。面白い企画を提案すれば、反応してくれる人がいるってことを、今回学びました。

出版社側も出版不況なので、新しい逸材を探しているようだし、今の世の中コンタクトする方法はいくらでもありますから、「自分からアクションしちゃえばいいじゃん」と思います。

私は今後、面白い企画を思いついたら、直接出版社に持ち込んでみるつもりです。とはいえ、執筆期間中は運動不足のせいで5kg太ったし、へろへろに疲れたので、チャレンジするのはしばらく経ってからにしようかな。

Q: 最後に印税って、どうなの?

中山:もともとお金はモチベーションではなかったので、金額はあまりに気にしてないです。ベストセラーになったら別ですけど、お金持ちにはならないですよ。周囲からは「印税でウハウハだね!」とか「何か奢って」ってよく言われますが、これっぽっちもウハウハしてませんから!(笑)。

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以上、出版のきっかけ、執筆の進め方、印税まで根掘り葉掘り聞いてみました!

これを読んで、「出版って大変だなー、自分には出来そうにもないな」って思ったかしら? それとも「早速、あの切り口で提案してみようかな」と思ったかしら。

出版社に持ち込んで編集部と一緒に出版の道もあるし、個人で電子書籍を出版することだって出来る。そうそう、Six ApartにはKindle作家もいるのよね。『Kindleダイレクトパブリッシングで電子書籍を出版するときの注意点まとめ』が参考になるかもしれません。

この記事が、いつか本を書きたいと思っている人にとって、出版を具体的にイメージする手助けになればうれしいです。

じゃあね〜♫

(2014年7月30日「Six apart ブログ」より転載)

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