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「女の皮をかぶった男」のような女性しか活躍できないのか

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3/8は国際女性デー。ジェンダーギャップ指数が111位とまだまだ男女平等とは言い難い日本。LGBTではない人で、LGBTの味方でありたいと思う人のことをAllianceと語源を同じくする言葉でALLY(アライ)と言うが、味方という存在はLGBTだけにとどまらない。

平等と言える社会の実現のためには、女性にとってALLYとなる男性が増えていく必要がある。

■「女の子にもっと優しくしなさい」の違和感

子どもの頃、周りの大人から「女の子にもっと優しくしなさい」と言われることが多かった。

教科書には思春期に「自然と異性に興味がわく」と書いてある。友達と集まると好きな異性の話をすることが増え、異性と付き合い始める人も多くなった。自分がゲイであることに気づき始めていた私も女性と付き合うこともあったり、異性愛者を演じていたように思う。

ただ、どうしても女性を恋愛対象として見ることができず、女性も男性も友人として同じように接していたつもりが「女の子にもっと優しくしなさい」と言われることが多くなった。振り返ってみると、男女という枠組みの中で異性との接し方に変化があらわれ始める頃、「男性として女性に接する型」みたいなものがあったように思う。

■成功には酒と女と、

普段の生活の中で、男性によってコミュニティが作られているなと感じる場面がよくある。また、自分自身いわゆる「男らしさ」を求められるコミュニティでは生きづらさを感じることが多い。生きづらいというよりも、「息がつまる」とか、単純に「心から楽しめない」というニュアンスの方が近いかもしれない。女性が恋愛対象に当たるということも男らしさの一要因になるとすれば、生きづらいと感じてしまう理由の一つに自分のセクシュアリティが関係しているのかなと思う。

暗黙のルールのように繰り返される男らしさのキャッチボールについていけないのは、目に見えない前提である「男性としての型」に自分を当てはめることに違和感を感じるからなのかもしれない。

男性の成功者の話を聞くと「成功には酒と女と...」という言葉をまだまだよく耳にする。前に立ち、大勢の人に向けて自身の女性関係をユーモアたっぷりに話す。それを見て周囲も笑っているが、何が面白いんだろうと私は一人違和感を覚えた。

話を聞いている人の中にはもちろん女性もいた。そして、ほとんどの女性も同じように笑っているように見えた。(笑わざるを得ない状況であったのかもしれない。)良い悪いは置いておいても、いつの間にかそういった構造やあたりまえは、私たちの中に深く染み込んでいる。

■チームで何かに取り組む際に女性がいないことに違和感を覚える

2016年の調査では日本の企業の管理職における女性比率は6.6%と、まだまだ多くない。

それに対して、最近の日本の映画やドラマでもバリキャリ(バリバリのキャリアウーマン)のキャラクターが描かれる機会が増えたように思う。

しかし、いつもそういったキャラクターを見るたびに、何かのテレビ番組でマツコデラックスが「あれは女の皮を被った男」と表現していたことを思い出す。

知性が高いことや、仕事に熱中していると「女を捨てている」という印象を持たれるという声も聞く。結局、男性によって形作られている社会で活躍するということは、男性の作る社会のルールに適応しながら上昇できる女性しか登ることができない仕組みになっているのかもしれない。

「優秀」であれば性別は関係ないという言葉もよく耳にするが、その優秀という物差しが「誰の視点から見たものなのか」ということは見落とされがちである。リーダーシップの取り方も構成するメンバーも、その役割も多様。誰もが同じ考え方で、空気をよんで、何の衝突もなく進んでいくチームより、違いを受け入れあえる環境の中で、異なる意見や価値観をうまく融合させていくかが大事なのではないかと思う。

■男性だと自認している人こそ

ジェンダーについて考える時、自分自身が男性であるということを強く認識せざるを得ない。実際、LGBTコミュニティでも、まだまだ男性を自認している人の方が可視化されているように感じる。例えば女性であり、レズビアンとして生きているカップルの世帯収入の話や、MtF(Male to Female)トランスジェンダーの方が男性として見られていた時と女性として見られている時それぞれでまた違った境遇を経験するという話を聞くと、社会の不平等が浮き彫りになってくる。

そもそも、男性/女性という二元論ではなく、ジェンダーやセクシュアリティはグラデーションのようになっているが、その上で「女性」という枠組みを捉えた時、私たち男性を自認している人たちが成すべき行動は多いはず。少なくとも、まずは今日をきっかけに社会がどんな構造になっていて、何が問題なのか知るところから始めていきたい。

■自分のスタイルを、自信を持って表現できる人を増やす

最後にいくつか印象的だった動画をシェアしたい。

「女の子の中にはスーパーヒーローが好きな子もいれば、プリンセスが好きな子もいる。男の子の中にもスーパーヒーローが好きな子もいれば、プリンセスが好きな子もいる。」

「「女の子らしく走ってください」という問いに対して、参加者は内股になり、手をばたつかせながら走るフリをする。そんな中、子どもたちに同じ質問をすると、その子たちは全力で走るフリをした。「女の子らしく走るとはどういうことか」という問いを投げかけると「できるだけ早く走ること」と答えた。」

自分が好きなもの、自分のスタイルを自信を持って表現できるような人が、今日をきっかけに増えていくと良いなと思う。