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「新しい食文化の発信」めざす ブリュレフレンチトーストの店

2014年08月15日 17時21分 JST | 更新 2014年10月13日 18時12分 JST

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取材・執筆・撮影:雷 国悦

 早稲田通り沿い、キャンパスから歩いて5分ほどのところに「Foru Cafe(フォルカフェ)」という店がある。テーブルとカウンターを合わせて14席。「日本初のブリュレフレンチトースト専門店」だ。早稲田大学政治経済学部4年、平井幸奈(ひらい・ゆきな)さん(22)が「新しい食文化の発信」をめざしてオープンさせた。

 「もともと食べることが好きだったんです」。大学入学とともに広島県から上京し、レストランのキッチンでアルバイトをしていて、料理の世界に魅かれた。「食べるだけじゃなくて、作る楽しみ、食べてもらう楽しみを味わってもらうことも、すごく幸せだな、と」

 大学2年の夏休み、ワーキング・ホリデー制度を利用し、オーストラリアのシドニーにあるカジュアルダイニングレストラン「Bills」の本店で働いた。だが、店は経験豊富なシェフばかりで、ほぼ未経験の平井さんは、最初は言葉が伝わらないこともあり「帰れ」と言われたこともあったという。しかし、「料理を勉強するために来たんだから」と雑用をこなしながらキッチン用語や調理方法を覚え、最後は努力が認められて総料理長のアシスタントまで任された。

 帰国して料理教室を開き、ケータリングやカフェのプロデュースなどを手がけた。1カ月に1度、日曜日に営業していないカフェでフレンチトーストのカフェを開いたら、1カ月前から100人の予約でいっぱいに。「単発じゃなくて、自分の店として継続していきたい」と開業を決意した。

 「スピード勝負」だと考えた。物件探しから人材募集、内装やデザイン、メニュー開発、広報......。店を持とうと決めて2カ月後の2013年9月10日、開店にこぎつけた。平井さんを後押ししたのは、「好きなことを仕事にする幸せ、自分の作った料理を食べてもらう幸せ」だ。

 学業との両立も簡単ではない。オープン直後の三年の秋学期には、1時限の授業が終わるとすぐカフェに向かい、午前11時の開店準備に取りかかった。当初フレンチトーストを焼けるのは平井さんを含む2人しかおらず、その態勢では限界だと感じ、「キッチンスタッフの育成」が急務になった。今はスタッフ20人、このうち料理を作れる人が5人でき、平井さんがいなくても店は回る。カフェ運営の「マニュアル」が身につき、次の展開も考えられるようになった。

 店名の由来は「ForU=for you」。「これまでにない、あなたのためのフレンチトースト」という思いを込めた。フレンチトーストの表面をブリュレした(焦がした)新たなメニューで「時代の最先端」へ、発信し続けたい。

 創業して9カ月。「ただおしゃれなカフェじゃなくて、今までにない価値観のあるカフェを新しいスタイルで展開したいと考えているんです」。フレンチトーストをテイクアウトできる「Foru Stand」だ。「早大生の昼食"ワセメシ"、従来の"ワセ女"のイメージを覆す」。おしゃれなランチを早大生に届けたいと、次を見すえる。

(2014年8月12日「Spork!」より転載)