政治家のみなさん、著作権を尊重して保護してください

今週、私はドナルド・トランプ氏(アメリカ大統領選の共和党候補)のキャンペーン先に、私の曲を政治集会で使わないよう求める手紙を送りました。
MOSCOW, RUSSIA - SEPTEMBER 05: Steven Tyler of Aerosmith performs during Moscow City Day Celebrating The Birth of The Russian Capital on September 5, 2015 in Moscow, Russia. (Photo by Gennady Avramenko/Epsilon/Getty Images)
MOSCOW, RUSSIA - SEPTEMBER 05: Steven Tyler of Aerosmith performs during Moscow City Day Celebrating The Birth of The Russian Capital on September 5, 2015 in Moscow, Russia. (Photo by Gennady Avramenko/Epsilon/Getty Images)
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今週、私はドナルド・トランプ氏(アメリカ大統領選の共和党候補)のキャンペーン先に、私の曲を政治集会で使わないよう求める手紙を送りました。政治的な主張をしようというわけではなく、音楽の創作に携わる同業者たちの権利のことに関して意見が言いたかったのです。しかし、私はここしばらく、このことを唱えてきました。

2月に「Grammy Creators Alliance」(アーティストの未来を助ける連合体)の設立メンバーになりました。この団体には、私たち自身のためでなく、有望なソング・ライターやアーティストのために、音楽ビジネスの多くの大物たちが合流しました。希望をもたらし、音楽ビジネスの邪魔をしている法律を変えるためです。ソングライターやアーティストが、消え去ることを恐れずに音楽活動ができることを確実にするためです。そして、他の人が作品を使った時、その作品に技能を費やした人が確実に正当な支払いをうけられるためです。

変化をもたらす努力をしているのは私だけではありません。今日、1650人以上のミュージシャンやソングライターが、草の根運動である「Grammys in my District」(私の選挙区のグラミーズ)の一貫として、地元の下院議員を訪ねるでしょう。

大規模な技術変化の結果、音楽ファンの音楽への支払いや消費の方法とともに、今、大きな変化が著作権改正に起きています。私たちの音楽を使用してお金を儲けている人々が私たちに正当な支払いをしてくれるなら、これらの変化はソングライターや新進アーティストにとって良いことかもしれません。みんなが請求書の支払いができて、家族を扶養し、好きな仕事をする価値があるのですが、新旧の技術会社から正当な支払いを受けていないため、そうできない人が大勢いるのです。

新しい技術すべてを非難するわけではありません。とてもクールなものもあるんです。どこにいても音楽が聞けて、自分のプレイリストが作れ、好きな時に好きな音楽が聞けます。これは力強いもので、少なくともクリエイターたちにいくらかは支払っています。古い技術会社はアーティストに一銭たりとも支払っていません。彼らは、法律が定める最低限の金額をソングライターに支払っているだけです。

法律は変わらなければいけません。アメリカには、私たちの音楽にどれだけ支払われるかを管理する法律がとても多いのです。ソングライターの収入の75パーセントが政府によって規制されるのですか? 芸術や音楽に政府が介入しすぎるのは良くありません。

私のレコード会社の妹分であるテイラー・スウィフトが6月にアップル宛に手紙を書いたように、これは、すべての人への隠しだてのない私からの手紙です。私たちは変化が必要です。ソングライターやプロデューサー、アーティストは今の支払いでは生き残れません。

本当の教訓を得たのは数年前、著作権にまつわる法律を調べ始めた時でした。アメリカ政府が、アーティストやソングライターの認められた重要な権利を、音楽作品の派生的な使用のために奪おうと画策していることがわかったのですが、このムチャクチャな発想を聞いた時、ワシントンDCに抗議文を送りました。他にも、イーグルスのドン・ヘンリーやジョー・ウォルシュ、デッドマウス、ブリトニー、ドクター・ドレー、スティングなどの仲間と一緒に、なぜこれが悪い考えなのかを説明しました。ウォール・ストリートのデリバティブ(金融派生商品)のことではなく、アーティストやソングライターが自分の作品を管理できなくなったり、作品を使われても正当な支払いをしてもらえなくなったりするということなのです。またかと思いました。クリエイターは油断せず、自分の権利のために戦わなければならないと、悟りました。

その後、ワシントンに足を運び、多くの有力な下院議員に会って、アーティストやソングライターが作品の使用方法に関わる権利を失えば、彼らにとってものすごいダメージになると知らせました。私が会った下院議員の多くはこのことがミュージシャンやソングライターを悩ませているのだと知ってショックを受け、何人かは考えを変えました。すべては、私たちがどのように感じているか知ってもらう努力をしたからです。

ワシントンで、バージニア州のボブ・グッドラット下院議員に会いました。この人は本当に物分かりがいい!ブルー・リッジ・マウンテンズの彼の選挙区は何人かの偉大なソングライターやアーティストたちの故郷です。彼は、ソングライターやアーティストが正当な支払いを受けるように法律を変えるべきだとよくわかっていて、そのためのことをしてくれています。グッドラット議員は過去2年にわたり、著作権改正についての20もの聴聞会に個人的に列席したり、クリエイターの声が聞こえるようフォーラムも創設しています。

14日にはまた、私たちの声が響き渡るでしょう。350人の下院議員が、音楽づくりに携わる選挙区民にドアをノックされるでしょう。彼らは、自分たちとアメリカ中のクリエイターたちのとても明確なメッセージを届けに現れるのです。変わる時です。

私たちの音楽を愛してくれていることはわかっています。時代遅れの法律を改正し、アーティストの報酬に関する政府の基準を廃止し、他のビジネスが私たちの作品を使用したらクリエイターは確実に正当な支払いを受けられるようする。そういった努力を支持することで、今、私たちにいくらかの愛を示す時なのです。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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