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守れる命、救える命。虐待や育児放棄から子供を守るために、私たちにできること

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どうして、自分の子供を手にかけてしまうのか。
どうして、愛しいはずの我が子に手をあげてしまうのか。
どうすれば、救える命をきちんと守ることができるのか。

人生のストーリーを投稿するサイト「STORYS.JP」には、
妊娠・出産、子育て・育児に関するストーリーが数多く投稿されています。

幼い命を虐待などから守るために、私たちにできることはなんでしょうか。


■どんな背景で子供を殺してしまうのか

10代、20代の親が自分の子供を殺してしまうニュースが多い気がします。

ニュースでは、事件があった場所、親の名前、子供の名前、事件内容しか報道されません。
おそらく、多くの人はこういったことを感じるのではないでしょうか。

若いからダメだ
出来ちゃった結婚だからダメ
子供がかわいそう

そして、次から次へと報道されるニュースで忘れていく。

私はどうしてもその背景を考えてしまいます。

はじめは「自分の子供を殺すなんて考えられない!」と思っていましたが、
だんだんその親の気持ち、そこまでにいたる経緯を考えるようになりました。
その背景を考えると、絶対にどこかで止められる所があったはずなのです。


■節目の年齢で迎える環境の変化

犠牲になってしまった子供達の年齢の見ると、0歳、3歳、5歳、このくらいの年代が多い気がします。
この年代から思うことは、何かの節目である年齢ということ。

0歳は新しい家族が増えて、2人だけだった生活が子供中心の生活へと変化します。
オムツ替え、おっぱいをあげる、張って痛くなる、乳腺炎、そして、夜鳴き。

3歳頃になると完全に自我が芽生えます。
多くの子供が喋りだす時期です。
体力があり余り、広いスーパーに行こうものなら走り回ってしまいます。

大運動会がはじまった!なんて表現をされることが多いですが、
親からしたらそんなカワイイものではありません。

とにかく、親の欲しいものは選べない。
だっこも出来て10秒です。

5歳は幼稚園などに通って慣れてきている時期です。

ここだと、幼稚園費などのお金の問題や、他の親との付き合いがあり、
子供は友達とも遊んでいろんなことを覚えてきます。
体力もついてくるので遊ぶのにも一苦労、汚い言葉を覚えるのもこの時期です。


■環境の変化についていけず、つもりつもる疲れ

子供を殺したい親なんていないと思っています。

それでもそこに行き着いてしまうのは、何かがつもりに積もって、
積もる原因を無くす=「殺す」に行き着いてしまうのだと思います。

0歳児が家にいるときの変化は大きいです。

オムツ替えだとキレイにオムツの中でしてくれればいいですが、
ウンチの量が多くてオムツからはみ出ることなんてよくあります。

その度に服を着替えさせる。文字で書くのは簡単ですが、
これが1日に何回も、1週間に何回も続くとツライです。

場合によってはお風呂に入れないといけないですからね。

これが、夜中に起きるともっとツライです。

0歳児は2~3時間おきに起きます。ミルクだけなのですからお腹が減るのは当たり前です。
2~3時ならまでいけても、4~5時ともなるとその負担はかなりのものです。
もし、この時間にオムツからはみ出たら、取り替えないといけないですね。
これも1回ではなく何回もあります。

おっぱいも飲むといいですが、飲んでくれないと自分で絞らないといけないです。
乳性炎で吐き気や熱が出るかもしれません。

出なかったらでなかったで
「ちゃんと栄養があるのかな?」
「何か自分の体に問題があるのかな?」とぐるぐる考えが回ります。

3歳だと、とにかく走り回ります。なんにでも興味があります。
子供の興味が親の都合の悪いことが多いです。

ストーブに手を入れたり、虫をつかむならまだいいです。なんとか出来ます。
でも、叩いたり、物を投げたりするのは勘弁ですね。

硬い棒でいろいろなところを叩いて音が出るのがたのしい、そして、必ず親を叩きに来ます。
痛いというのが喜んでいると思ってはたき続けたりします。

叩くのが親ならまだいいですが、叩く対象が別の子供だったら大問題です。
まだ力の加減が上手くないので、ケガをさせてしまったら問題です。
なので、毎日外にでたら目を光らせて神経を使う。

買い物も時間との勝負です。

スーパーに行こうものなら、まず走り回ります。
自分の興味があるものしかいきません。
なので、自分の服の買い物で服屋に見に行こうものなら即効で嫌がり、どこかに消えていきます。

外食だってそうです。

2人のときに行っていたレストランなんて行けません。
席には座りませんし、おとなしく5分食べればいいほうです。
飲みになんて行けません。


■3つの共通点

幼児虐待や殺害の事件が起きると、必ず事件現場の家の写真が出ます。
それを見るとある共通点があります。

マンション暮らし
親、相談できる人がいない
お金がない

マンションで暮らしている人が多いと思います。
メゾネットタイプや小さなマンションなど、形は様々ですが、とにかくマンションタイプが多いです。
勝手な想像ですが、たぶん家賃もその地域の平均より少し下当たりな気がします(勝手な想像です)。

そして、マンションで暮らしているということは、家族だけで暮らしているのだと思います。
そうなると、どうなるか?

育児の相談をする人がいないわけで、全部お母さんがしないといけなくなります。
正直、一人で育児をするのは大変です。

ここで考えて欲しいのは育てる環境が昔と今は違うということです。
あなたの当たり前は今は当たり前ではないです。

なんにしろ分からないことだらけです。しかも、分からないというのも、
洗濯機の使い方が分からない、掃除機の使い方が分からないの次元ではなく、
命が関わってくるのでお母さんは必死です。

しかも、集合住宅だと、子供の足音で上や下の部屋からの苦情を言われる。
そして、ストレスが増えていく。

もちろん、育児に協力してくれるダンナさんならいいですが、
ダンナさんもお仕事で疲れて帰ってきています。
疲れを取ろうと思っても、家では子供の世話でいっぱいいっぱいになる場合もあります。

ここで、じゃあ周りの大人に相談すればいいじゃないと思うかもしれません。
でも、そんなことを思っている大人はみんな偽善です。
相談できない環境を作っているのは、そんなことを言っている大人です。

すべてだとは思いません。

しかし、若くして子供がいると明らかに差別的な態度を取る人がいます。
出来ちゃった婚だわ、とか、何が根拠か分からない「若いからダメ」的な態度、世間知らず的な態度。

もちろん中には世間知らずな人もいます。
でも、それは、すべての年代にいます。
そんな大人を何人も見て来ました。
「若いから」は問題ではないです。

そんな態度を取られるとこっちも人間です。
心を開けなくなりますし、何より一番怖いのがそんな大人が自分の子供に変な態度を取らないかどうか。
なので、しっかりしないと思い、毎日気を張る日々が続きます。

そして行き着くのがこの考えです。
しっかりする=1人で子育てする=相談しない


■親の親は何をしているのか

じゃあ、その子の親は何をしているのでしょうか?

それは察してあげるべきです。
若くして、妊娠して出産して、親によく思われなくて自分達で生活する。よくある絵です。
または、他に自分達で住まないといけない理由があって親に頼れない事情がある。

本当は1番の味方になってあげないといけないのに、です。

中にはたまに家に行って助けている親もいるでしょう。
でも、それは連絡が来ていったのですが?
自分の都合で行っていませんか?

そんなのは助けではありません。

求めているのは助けてきて欲しいときにすぐ助けてくれること。

たまに顔を出して子供の機嫌のいい時にきたり、寝ている顔をみていくくらいなら、来ないほうがマシな時があります。
家の様子を見たり、お母さんの様子をよくみて小さな変化に気づくべきです。

私達の場合は、僕の両親も妻の両親も
若いうちに結婚した事も子供を産んだ事も賛成してくれています。
もしかしたら、稀な例かもしれません。

何かあったらすぐに聞いてアドバイスをくれますし、
何かあれば泊まりにいって助けてもらっています。

でも、もしかしたらこんなに助けてくれない親もいるかもしれません。

親が助ければ絶対にこんな事件にはならなかったはずです。
どんな思いでいるのか親の気持ちが気になります。


■周りと自分とのギャップ

たぶん、これが1番気持ち的にこたえると思います。
20代前半、10代後半で妊娠すると1番楽しい時期と言われる時期に遊べません。

特に20代前半だと、大学生活に慣れてきて周りは飲み会、旅行の連続。
それにくらべて、自分は毎日子育てで同じことの繰り返し。
たまに遊んでも、どうしても行くお店は限られます。

しかも、楽しくおしゃべりしていたら、泣き出してあやしに席を離れる。
その間、みんなは楽しくおしゃべりして戻ってきたら別の会話で話しが分からない。

飲み会もいけずに一番楽しい時間に家に帰る。
こんな投稿がSNSに連日投稿されたらキツイですね。
もしこの子がいなかったらこの写真に自分が写っていたかもしれなかったのですから。

そんなの当たり前じゃないか?

と思った人は、見殺しにしていると同じくらいヒドイです。
そんなことは本人達が一番分かっています。
分かっていることをいちいち指摘するくらいヒドイ事はありません。


■若くして子供を持つのは悪いのか?

この答えはなんともいえませんが、自分は子供が居て良かったです。
むしろ、子供のおかげで自分の人生を決めるキッカケを見つけました。

でも、他の人に若くして子供を作るのはいいよとは絶対に勧めません。
むしろ、反対します。

なんなら、新婚生活2年+働き1年くらいしたら子供を作ることをオススメします。
「お金」の問題があるからです。

お金=心の余裕です

僕の年齢だと仕事は駆け出しで給料は少なく、余裕もありませんし、
月々の光熱費をどのような割合で払うかなど分からないです。

仕事もいろいろ覚えないといけないことだらけで大変です。
仕事のストレス、お金の使い方が分かった1年後くらいなら夫婦で協力して子育てが出来るはずです。

そして、絶対に夫婦だけの結婚生活を楽しんでから子供を作ることをオススメします。
付き合っているときと結婚してからは似ているようで全然違います。

今まで違う生き方をしていた2人が同じ屋根の下で暮らすのですから時にはぶつかることもあります。
そんな考えをあわせていく期間が必要です。

2人だけの結婚生活は楽しいです。
家具をそろえたり、マンションを選んだり、時には2人で朝まで遊んだり、とにかく二人三脚です。

そして、旅行をしてください。新婚旅行でなくてもいいです。
どこかのタイミングで二人で旅行に行くことをオススメします。

その思い出は一生残ります。
その思い出は日本から離れれば離れるほどいいかもしれないですね。
きっと将来、その思い出に子供達も含めたくなります。

付き合っている間は「別れる」という逃げが可能ですが、結婚するとそんな逃げ道もなくなります。
これは人によっては大きなストレスになります。
離婚も出来ますが、家族を巻き込むので事の重大さが違います。


■子供を殺してしまいそうなお母さん、お父さんへ

子供が生まれた時を思い出してください。
不思議な感じではなかったでしょうか。
2人の血が混じった自分達の子供。

3人の生活が始まって、どんな服を着せようか、どんなお部屋にしてあげようか、
考えるとキリがありません。

殺してしまいたい理由はそれぞれあると思います。

でも、待ってください。
その理由は1年で大きく変わります。
むしろ、いい方向に変わります。

僕たちの子供は1歳の時、スーパーに行くとすぐに走り回り、ろくに選べる状態ではありませんでした。
抱っこしても嫌がり、車のショッピングカーとに乗せても1分くらいで飽きる始末で大変でした。

でも、2歳くらいになったら変わりました。
もちろん、走り回るのは変わりませんが、なんと、「呼ぶと来ます」!
しかも、途中まで付いてきます。
買い物が100倍楽になりました。

何かで見たのですが、ある著名人が言っていた事があります。
「子供が出来てからディズニーランドに言ったら2度楽しめた」
2度どころではなく、3度、4度と楽しめます。

子供がいることによって、飽きてもうしていないこと、行っていないところがまた楽しくなります。

そして、絶対にしてほしいことがあります。
「1人で抱えこまない」でください。
若くして子供ができて、周りに変な風に思われているかもしれない、バカにされているかもしれない。

でも、あたなの周りは自分が知らないだけで暖かい人がたくさん居ます。
あなたが思っているほど何も考えていなかったり、バカにする大人もいますが、
助けてくれる大人、アドバイスをくれる大人はたくさんいます。

ただ、自分から会いに行かないとダメなケースがあるだけです。
まずは市役所の子供支援課のようなところで、どこか子供を遊ばせられる施設があるかどうか聞いてみてください。
無料で体育館のような場所が使えたり、本が借りれる場所が必ずあります。

そこには保母さんもいる場合が多いので、困っていることや思っていることを吐き出してください。
他のお母さんとお話をしてみてください。同じようなことで悩んでいると驚くはずです。
悩んでいるのはあなただけでなないです。
そんなつながりから別な施設も知れたり、いろんなコミニュティを教えてくれたりします。

育児について相談すれば、だれかか答えてくれますし、
10人に聞けば10通りのアドバイスが聞けます。

「子供を1人育てるのは親が亡くなった時と同じくらいストレスがある」
と、かかりつけのお医者さんが行っていました。
こんなストレスを1人で抱えるのは絶対にダメです。

助けてくれる大人はたくさんいます。
勇気を出して話してみてください。


■おじいちゃん、おばあちゃんになった方へ

どんな形で子供が生まれるかは分かりませんが、
自分の子供が赤ちゃんを産んだら決して見捨てないであげてください。
せめて、どちらかは助けてあげてください。

あなたの子供は、自分が親になったことによってあなた達のありがたみ、
洗濯をしてくれたり、ご飯を作ってくれたり、送り迎えをしてくれたりとありがたみを肌で感じています。

でも、そのことを言ってくることはないです。恥かしいですからね。

1人の親になった子供は正直に助けてほしいと言えない時があります。
おじいちゃん、おばあちゃんにしてほしいのは「意地」を捨ててください。
突き放しても、ケンカ別れしても助けを求めています。

紙おむつでも持っていって、夜泣きとか大丈夫?と一言だけでも言ってあげてください。
こんな言葉に救われます。


■周りの大人へ

「警戒しない」であげてください。

若いお母さん、お父さんは毎日しっかり子育てをしようと気を張っています。
でも、始めての子育てて分からないことだらけです。
そんな時に頼れるのはお父さん、お母さんよりあなたです。

気にしてあげて挨拶に行っても、不機嫌な態度をとって嫌な思いをするかもしれません。
そして、あなたも嫌な思いをするかもしれません。

でも、それはあなたに対してはなく、子育て、環境の変化からきている場合が多いです。

私はあなた達を気にかけているよ、というのが分かると、凄く嬉しいです。
いつでも、相談にきていいよ!とドアをオープンにしてくれている事が分かるだけでも気持ちは楽になります。
それだけで救える命があります。


■10人いたら10通りの子育てがある

よく育児本に子供が10人いたら10通りの子育てがあると書いてあります。
これは本当にそうだと思いました。

本に書いてあることは目安でしかありません。
なので、本に書いてることと違っても気にしないで家の子供はこうなんだな!と思ってください。

本に正解はありません。正解はあなたの目の前にあります。

言いたい事は家族で抱えこまないで誰かに相談してください。
決して恥ずかしいことではないですし、馬鹿にもされません。

周りの大人もいつでも相談できる体制を準備してあげてください。

そして、その準備できている体制があるよ!と、いうのを分かるようにしてあげてください。
これだけでも救える命はあると思います。

(STORYS.JPより転載)

日本では「人に迷惑をかけてはいけない」という教育を受けている人が多いと思います。

ちなみに、アメリカでは「迷惑はお互いさま」、インドでは「人に迷惑をかけて生きていくのだから、人にかけられる迷惑も許してあげなさい」という教えだそうです。

日本は、社会全体に「迷惑をかけてはいけない」という空気があるのではないでしょうか。

その空気が「人に頼る」ことにブレーキをかけ、
後々大きな問題に発展してしまうこともあります。

迷惑をかけないことで身に着く忍耐力や謙虚さなどは
日本人の誇れる国民性のひとつでもあるかもしれません。

しかし、そのために苦しむ人や失われる命があるのも確かです。

1人で抱え込まない、周りに相談する、相談できる環境があることを周知する。
当然のこと、簡単なことのように思えて、実はとても難しいことです。

幼い命を守ることは、社会全体を変えていくことなのかもしれません。

(ストーリー紹介=STORYS.JP編集部・阿部仁美)

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