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【東海道新幹線火災事故】自殺者の最期の行動から見る、その心情と絡み合う社会問題

2015年07月04日 14時30分 JST | 更新 2016年07月01日 18時12分 JST

6月30日(火)に起きた、東海道新幹線での火災事故。「安全な乗り物」とされてきた新幹線初の列車火災事故である。

焼身自殺を図り亡くなった男性は71歳。「年金が少なく、生活ができない」と不満を持っていたというニュースが流れているが、頭からガソリンをかぶり、火を放つという行為に至るには、少し理由が弱い気もする。

男性が焼身自殺を図る前に行った行動をご存じだろうか?そこには、日本が抱える様々な問題が見え隠れしている。

その行動から読み取れる男性の心情や、社会の問題点を綴ったストーリーをご紹介しよう。

【転載元ストーリー】30日の新幹線放火事件、団塊世代は何故自殺に走ったのか?

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(以下、STORYS.JPより一部転載)

自殺した方は燃料を浴び着火するまで燃えた1号者の中でうろうろしていたらしい。

また、(自殺者が)先頭のデッキに行くと、そこにいた男性にたばこを勧めた。

男性が断ると「危ないから(車両の)中に入りなさい」と声をかけたという。

さらに最前列に孫2人といた女性に「お金が落ちていたからあげるよ」と千円札を数枚渡した。

断られると、テーブルの弁当箱に挟んだようだったという。

そして一番前に行くと落ち着いたようにポリタンクの中身を全身に浴び着火した。着火する寸前まで涙を流していたという。

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「最期」の前に、何故知りもしない赤の他人とコミュニケーションを取ろうとしたのか。

そして、流した涙にはどのような過去と感情があったのか。

著者の見解としては、この男性が「団塊の世代」であることが自殺の要因のひとつであるとしている。

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(以下、STORYS.JPより一部転載)

彼らは仕事に対しては命をかけてやるタイプが多い。

同時に「企業」とか「取引先」とかいう「心の拠り所」を求めている。

その反面、「拠り所」や自分の「腕」を披露する場所がないと、精神的には非常に脆い。

今の日本の社会そうした段階の人たちが気持ちよく生活できる形には十分になっていない。

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勿論、拠り所が無いことに対する寂しさや不満、また、先に述べた年金問題だけが自殺の要因とするのは安直である。

自殺を図った本人しか知る由のない事情も多々あったことだろう。

とはいえ、このような事件は今後起こしてはならないし、東京五輪を前に、対策案も練らなければならないだろう。

周囲を巻き込んだこの事件に、この自殺者に、厳しい声があがるのも当然だ。

しかし、厳しい声をあげるその前に、なにかできることはないか、と著者は問いかけている。

日本は無関心の社会、「拠り所」になる場が無い。

例えば中国では、太極拳や、野外の木陰に集まり将棋やトランプなどの娯楽を楽しむ等、高齢になりお金が無くとも、周囲と楽しめる場があるという。

対して日本はどうだろうか。

そういった憩いの場は、あまり見受けられないのが実情だろう。

また、団塊の世代が要介護となったときの介護施設の受け入れ態勢にも不安が残る、と著者は語る。

この問題に関しては、同じ著者が書いた別のストーリーでも取り上げられているので、転載元と合わせて、関連元のストーリーも是非読んで頂きたい。

【関連元ストーリー】なぜ若者が働かないのか?介護施設で働いてわかったこと

高齢化、団塊の世代、年金、無関心の社会。

この事件には様々な日本の社会問題が絡み合っている。

自殺者へ厳しい声を上げるだけでなく、安全面への対策だけでなく、社会のセーフティーネットの整備も急がれるべきであろう。

(文=STORYS.JP編集部・阿部仁美)