Huffpost Japan
ブログ

ハフポストの言論空間を作るブロガーより、新しい視点とリアルタイムの分析をお届けします

STORYS.JP Headshot

断捨離が行き過ぎて家まで無くし、人生が180度変わった話

投稿日: 更新:
印刷

断捨離という言葉、一時期よく耳にしました。

5月の連休が終わって多忙な日々が続くこの頃、断捨離をしてリフレッシュしたいなと考える方も多いかもしれません。

人生のストーリーが集まるサイト『STORYS.JP』に、断捨離で家が無くなった、という仰天ストーリーが投稿されています。

断捨離は心の整理。好きなものだけ、大切なものだけ、必要なものだけ残し、最後にはひとつのカバンが残った彼。

なにがキッカケで、家を必要としなくなるほど断捨離をするようになったのか。

そして、断捨離を通じて心の整理をした彼は、現在どのような人生を送っているのでしょうか。

---------------------------------------------------------------


■ 死にかけて〇〇で食いつないでいた話

いまから8年前、僕はうつ病でベッドから立ち上がることが出来なかった。

そんな僕は今、カバンひとつで日本を発ち、世界中の友人と笑って食卓を囲む、そんな生活を送っている。

人生が180度変わったのは、同じアルバイト先で出会った友人がきっかけだった。

僕の青春時代は負のサイクルで始まった。

栄養よりも体力の消耗の方が勝っていた僕の身体は、衰弱して起き上がる事も出来なかった。

大学1年生でうつ病と宣告され、医者からは実家に帰りなさいと言われていたのだ。

身体が衰弱して起き上がれず、奨学金だけでは生活費を賄えない。

家族に助けを求めても真剣に話を聞いてくれることはなかった。

とてもお金にシビアな家庭だったのだ。

アルバイトをするにも身体がついていかず、しかしお金が無いと死んでしまうので働かなければならない。

どうしたら、朝から晩まで働き続けられる体力がつくのだろうか。

社会人になることができるのだろうか。

そんなことを毎日真剣に考えていた当時の僕は、競艇で食いつないでいた。

人間は死の境界を越える一歩手前で、とても冷静になることがある。

第六感というものがあるならば、おそらくそれのことだろう。

当時の勝率は、100回行って99回勝つというプロギャンブラーに匹敵するもの。


■ 競艇をはじめたキッカケ

親も教師も友人も信じることが出来ない。1人で生きて行こうと決意しても身体が思うように動かない。

誰も助けてくれない。誰も信用出来ない。自分の身体も心も信用出来ない。

気付けば対人恐怖症になっていた。

そんな僕に1本の細い光を差し伸べてくれたのが、悪友に勧められて始めた競艇だった。

競艇は僕に可能性を教えてくれた。そして、高校時代の唯一の私の居場所でもあった。

しかし、そんな競艇生活にも終わりがやってくる。

2009年20歳の夏。その頃、1レースに賭ける金額は80,000円を超えていた。

あるレースで、購入する3連単の舟券の数字を数字をひとつ打ち間違えてしまった。

貯金は一瞬で崩れ去った。

理系だった僕が作り上げた法則で運用していたお金が、私のたったひとつのタイプエラーで崩れ去ったのだ。

それから、僕は競艇を辞めた。

いくらこれで稼げても、一生続けることは出来ないと気付いたのだ。


■ すべてはアルバイト後の雑談から始まった

アルバイト先のスーパーで、ある友人と知り合った。

アルバイト後の雑談が、僕の運命を変えることとなる。

僕「やっぱり、女の子の部屋に行くのってなんか緊張するよね!」
友人「えー、でも私の家何も無いよ^^」
僕「整理整頓してるってこと?」
友人「いや、本当に何も無いの^^」

真実を確かめるべく、その友人の家に遊びに行くことになった。

当時20歳だった僕は、「女の子の家に行く」という、ただそれだけでテンションが上がっていた。

今思えばこれが青春。

まさか、この日に僕の人生に大きな影響を与える出来事があるとは思いもしなかった。

ドアを開け部屋を見渡すも、あるのはベッドだけ。

予想外の出来事にテンパった。本当に何も無い部屋を見るのは、人生で初めてだったのだ。


■ 荷物を持つ不安より、〇〇を持ちなさい。

失礼だと思いながらも、どうしてもしなければいけなかったことがあった。

それは、冷蔵庫の確認業務。

スーパーマーケットでアルバイトをしていた僕にとって、冷蔵庫の中にある食べ物の在庫や鮮度を確認するのは最重要事項だ。

僕「冷蔵庫って見てもいいかな?」
友人「別にいいけど」
僕「ない!なにもない!食材どうするの?」
友人「だから何も無いって言ったじゃん。」

本当に何も無い部屋に軽く引く僕。

でも、それと同時に今までにない興味が湧いた。

なぜ、こんなにも物が無いのか。

どうやら友人の母の教えによるものらしい。
その教えとは、

「荷物を持つ不安より、余裕という心を持ちなさい。」

というもの。


■ 本当に必要なものは何か?

それから僕は、僕にとって"本当に必要なものは何か"を考えるようになった。

その時は欲しいと思ったけど読まなかった本、あまり聴かないアーティストのCD、いつ買ったかも思い出せない置物、雑誌、服。

着るか着ないか分からない服は、きっともう着ることはない。

本当に必要な服であれば着ているから。本当に必要なものなんて、実はほとんどないのだと思い知った。

自分がカッコいいと思うスタイルは、シンプルなスタイル。

そして、スタイリッシュで安っぽくない感じがいい。

そんなことを考えていたら、たまに着る服が自分を邪魔していたことに気づいた。

そうして断捨離を続けた結果、家の荷物は半分に減った。

友人の母は、こんなことも言っていた。

「誰かにとって憎たらしくて許せない人も、

誰かにとってはかけがえのない大切な人。」

「世の中で1番多いものは人間でも動物でもなくお金。

世の中にはいくらでもお金があるから、必要なだけ集めればいい。」

「私にとって大切なのは、私の周りが幸せであること。

そうすると、私も幸せ。」

そうして僕は、断捨離と人の幸せについて考え、実行するようになった。


■ 他の人の幸せを考えたら、自分の人生が動き出した

時は経ち、大学を休学して会社員として働くことになった。

お客さんに商品の説明をして、ものを買ってもらう営業職。

お客さんとコミュニケーションを取るって難しいなあと思う日々。

そんな時にかかってきた電話。

友人「最近元気にしとる??」
僕「仕事をはじめてみたんだけど、向いてないかもしれない。」
友人「そういえば、ママが言ってた言葉覚えてる??」

『わたしにとって大切なのは、

私の周りが幸せであることなの。

そうすると私も幸せでしょ』

当時の僕は、商品の説明はうまく伝わっているのだろうか、嫌に思われていないか、このお客さんも買ってくれなかったらどうしよう、そんなことばっかり考えていた。

でも、そんな自分の気持ちを断捨離し、目の前にいる人の幸せを考えることにした。すると、みるみるうちに営業成績が伸び、東証上場1部の会社で全国1位の営業成績を獲得できるまでになった。

思い返せば、今まで僕は他の人の幸せを考えていなかった。

かつてハマっていた競艇も、決して周りのひとを幸せに出来るものではなかった。

選手が僕を幸せにしてくれても、僕は誰も幸せにすることができない。

そのことにようやく気が付いた。

それから、英語を学ぶため会社を辞めて留学。この経験を友人、そのまた友人に伝えたいと思い、電子書籍を出版してみた。すると、友人のために綴ったものが、某書籍販売サイトの2ジャンルで当時のベストセラーにもなった。

書いた本を読んでくれた人が幸せになって、書いた人が幸せになる。

ひとに幸せをシェアすることによって起こる正の連鎖を教えてくれたのは、友人と友人の母が教えてくれた「断捨離」と「他人の幸せ」だった。


■ 断捨離をしたら家まで無くなった

荷物を持つ不安より余裕を持つ、この言葉に影響を受け断捨離をした僕の荷物は、2013年の末にはカバンひとつに収まるまでになっていた。

今は余分な荷物を捨てて、世界中にいる友人と好きな場所でご飯を食べる生活を送っている。

家族を変えようと無理壮大なテーマを考えていた僕が仕事をしていく中で思い知った現実。

それは、自分が変えることが出来るのは、自分自身だけだということ。

無いものばかり欲しがっていた毎日。

あの友人に出会い、物を減らして行く中で知った本当に必要なこと。

他人の言葉を信じることが出来なくて、自分を信じることが出来なかった過去の自分。

自分とは違う誰かの人生を知って行動したことで、180度変わった僕の人生。

好きなモノだけが残った僕のカバン。

本当に大切な"周りの幸せ"という財産を手に入れたら、物がいらなくなって、人生がもっと豊かになった。

断捨離が行き過ぎて家までなくなった話・神谷純平 - STOYRYS.JPより転載・加筆修正)

---------------------------------------------------------------

生きていくのに必要な分だけ。

これはとても難しいことだと思います。お金だって、物だって、余分にあるだけ安心しますよね。

でも、それが自分の足かせになってしまう場合もある。本当に必要なものを見失ってしまうかもしれない。

余分な荷物という重荷を降ろして、軽くなった体と余裕のある心を持つことが出来たら、見えてくる景色も、そして人生そのものも、大きく変わるかもしれません。