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大学入試や将来の夢にも影響がある?読書で身につく知識は必要か、電子と紙では読書の質は異なるのか

2016年02月03日 15時52分 JST | 更新 2017年02月01日 19時12分 JST

読書離れが社会問題となり、もう何年が経つのだろうか。

そもそも、読書離れはいつ頃から社会問題として取り上げられるようになったのだろうか。

読書離れとは、書籍や新聞など、活字媒体の利用率が下がることをいう。

新聞や雑誌、書籍などの活字媒体は1996年~1997年代をピークに減少の一途をたどり、

このころから「日本語の乱れ」や「考える力の衰退」など、他の現象を関連付ける言論が目立ち、読書離れが社会問題として取り上げられるようになった。

しかし、紙媒体が減少したからといって活字が減少したわけでは決してない。

インターネットの普及によりWebメディアが数多く運営され、その情報伝達の多くは活字である。

"紙媒体が減った=「読む」ことが減った"というわけでは決してないはずだ。

紙媒体とWeb媒体での読書ではどのような点が異なるのか、社会問題になるほど読書にはメリットがあるのかをまとめた。

紙での読書と電子での読書の差

50名の大学院生を25名ずつ書籍グループと電子書籍にグループにわけ、短編小説を読んだ後に本文の内容に関する質問をし、両グループ間でどのような差異が生じるかを検証したノルウェー・スタヴァンゲル大学の研究がある。

両グループとも「物語の背景」「登場人物」「ストーリーの詳細」といった項目では同等の正解レベルを示した。

しかし、物語中に発生した出来事のタイミングの設問では電子書籍グループの正答率が下がり、話の流れを順番に並び替える設問では、電子書籍グループの正答率は書籍グループの半分ほどしかなかっとという。

紙と電子では、物語を"知る"ことはできても、物語を"読み込む"という点において大きな差があるようだ。

どこでどんなことが起きたのか、物語の起承転結が、電子書籍では充分に読み込めていない。

一概に読書といっても、読むものがビジネス書や自己啓発書であれば電子でも大きな差は無いかもしれない。

しかし、このデータだけを見ると、起承転結という流れが存在する物語でを楽しむには、電子書籍よりも紙のほうが優れた媒体ということになる。

読書のメリット

よく言われるのが「知識が身につく」「記憶力が向上する」「書くスキルが上がる」「センスが良くなる」「ストレス解消になる」「脳トレ」などだ。どんな本を読むかでどう影響が出るかも変わってくるので、実話投稿サイトSTORYS.JPに投稿されたストーリーから2つ例をあげよう。

母からのクリスマスプレゼント

クイズ番組を見ていた際、文学や歴史のコーナーで「清少納言」「アンネ・フランク」など、

昔読んだ偉人の伝記に載ってた人々と対面できているようで楽しくなっている自分に、

大学の教授が「すごいな!」と一言褒めてくれた。

普段の勉強は全く意欲が湧かず努力できないが、知識は人よりあると認めてもらえた気がした。

その伝記は、母からのクリスマスプレゼントだった。

クリスマス以外にもたくさん本に接する機会があった。

百科、図鑑、世界地図、歴史漫画、料理の本

いつの間にか本棚があったし、父や母と本屋に行くことも多かった。

大学入試のときも本が助けてくれた。

「自分の夢を語ってください」という課題に、出版関係の仕事に就きたいと答えた。

語りたいことを語れたと思った。

教科書よりも圧倒的に面白い!子供に夢中で「歴史」を学ばせる方法

いつ、誰が、なぜそれをやってのけてみせるのか。そうした人間ドラマにこそ歴史の面白さは宿っています。

幕末といえば、西郷隆盛、高杉晋作、坂本龍馬に吉田松陰。

歴史好きにはたまらない英傑達の活躍が束になって味わえる時代ですよね。

その中でもオヤジが最も注力したのはやっぱり坂本龍馬でした。

当然、「竜馬がゆく(司馬遼太郎著)」を読ませたかったんでしょうが、小学生がいきなりあの小説を読むのは一苦労。そこでオヤジが買い込んできたのが、「お~い、竜馬(武田鉄矢原作)」というマンガ(当然全巻)でした。

これは、はまりました。

たぶん10回ぐらい読んだんじゃないかと思います。

自然と登場人物のほとんど全員の顔と名前は覚えることに。

坂本龍馬という人物、脇役達、そして時代背景。

こうした一連の物語が頭にこびりついた段階でこの一言。

オヤジ「坂本龍馬について知りたければ。もっといいものがある。これだ(竜馬がゆくの全巻をみせる)。ちなみにこの小説はお前達が好きなマンガのおおもとの原作になったものだ。」

3兄弟「!!?? はい読みます、すぐ読みます。」

まとめ

歴史を学ばせる方法では漫画を楽しんだうえで小説へ移行している。

内容によりけりではあるが、漫画を読むことも立派な「読書」にあたるのではないだろうか。

こと歴史漫画においては、教科書や先生の話よりも子どもをワクワクさせる力がある。

昔読んだ伝記の知識がきちんと残っていた、受験のときも助けられた、自然と人物の顔と名前を覚えられた。

学校の勉強には向かない点も多いかもしれない。

歴史上の人物の人柄やエピソードは、教科書には載っていないしテストにも出ない。

しかし、教科書の勉強をより楽しくすることができるかもしれないし、

受験や入社試験、これからの人付き合いで案外役立つ場面もあったりする。

好奇心が将来の夢に変わったり、夢中で楽しむことでリフレッシュしたり、

読書には様々な可能性がある。

紙媒体は減ったけれど、活字が減ったわけではない。

ただ、紙媒体だからこそより価値が高まるものも存在する。

電子でも紙でも変わらないものもあるし、持ち運びや利便性は電子のほうが優れている。

情報収集や勉学、物語に活字が活用されていている以上、読書離れや活字媒体の移り変わりを問題視するのではなく、

媒体ごとのメリットやデメリット、実際に読んだあとの効果の差を把握し、

適材適所でうまく媒体を活用していくことが重要なのではないだろうか。

(文=STORYS.JP編集部・阿部仁美)

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