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「結婚したら、お互いの死の価値観を共有して欲しい」 突然、夫の死に直面した女性が伝えたいこと

2014年04月19日 23時01分 JST | 更新 2014年06月18日 18時12分 JST

突然やってくる別れの時に私たちが出来ることは何だろうか。インフォームド・コンセントやリビング・ウィルといった考え方が浸透してきた今日、生と死をめぐる人々の理解は多様性を帯びてきた。人は死という現実に逆らうことは出来ない。身近な人の死を否応なしに突き付けられる経験は、私たちの心に重くのしかかる。だからこそ、いつやってくるか分からない別れの時のことを、今生きているこの時に心に留めておく必要があるのかもしれない。

これは一人の女性が、突然の夫の死と直面した時の心情と行動を勇気を出して綴った物語。

急に旦那が死ぬことになった。その時の私の心情と行動

いつもと変わらない一日を過ごしていた夫婦。その日も、変わらずお風呂に入り、夕飯を食べ、いつものように二人でゲームをしていた時のことだった。

" 「俺...頭が痛いんだ...」 "

夫の言葉から、異変に気付き、すぐに救急車を呼んだ。

「大丈夫?」

「おう...。」

「病院着くまで、そのまま寝てなよ。」

「うん。」 

これが夫婦が交わした最後の言葉だった。

何分待っても救命救急室から夫が出てこない。不安が募り始めた頃、やっと出てきた医師から聞かされた脳出血、緊急手術という聞きなれない言葉。生きた心地がしない。早く治して欲しい。しかし病院というのは、「先生!緊急オペです!」ですぐ手術が開始出来るわけではない。夫の頭痛が発症してから手術が開始するまでにはすでに6時間が経過していた。

手術は成功したものの、脳の腫れは収まらず、助かる見込みは薄いと宣告された筆者。万が一助かっても、植物状態。医師に告げられた、

「延命治療をせず、最期を看取りますか? それともこのままSCU(脳卒中集中治療室)で投薬を続けますか?」

という言葉が突き刺さる。ついさっきまで夫と普通に話していたはずなのに。

彼女は、親族と話合った末、「延命治療を続けない」という結論を出した。それは、夫の実父がガンで亡くなる時、沢山の管に繋がれて最後を迎えるのを間近で見ていた夫の、

「俺がこうなったときは、延命とか投薬をせず、静かに死なせて欲しい」

という想いを共有していたからだった。

別れの時を迎えた一つの夫婦の、何も言わなくなった夫と寄り添う妻との一方通行の会話が、私たちに生の意味を問いかける。

人間はいつその場からいなくなるのか分からない。恋人でも、両親でも、友達でも、生きている1日を大事にすることの大切さを改めて実感させられる。

筆者が伝えたい、「夫婦でお互い死の価値観を共有する」というメッセージ。何が正しいということではない。ただ、お互いが死に直面した時、どうしてほしいのかということを簡単でもいいので伝えておいて欲しい。

突然夫を亡くすことになった女性が綴る、当時の心情と行動。私たちが皆いずれ通る道である「死」に直面した時、人はどう行動し、何を想うのかを問いかけてくる。

急に旦那が死ぬことになった。その時の私の心情と行動

(文=STORYS.JP編集部・川延幸紀)