ジェスチャー・ショック――『スコットランド人夫の日本不思議発見記』(14)

日本でも周知となっている英語圏のジェスチャーもありますが、まだ知らないものもあります。そんな中、先日父が私の夫に伝えようとしていた時に事件が...

英語圏でしばしば見かける、メジャーなジェスチャーをご紹介致します。

・Fingers crossed フィンガーズ クロス

指で十字架のような形を作るこちらのジェスチャーは「願いが叶うように祈る」「グッドラック」の意味があります。

・Quotation mark クォーテーションマーク

ピースしている指を繰り返し曲げ、人から聞いた話をこの「 」(カギカッコ)に入れて、他の人に伝えますが、ここには本当とは思っていない話が入ります。この2つは老若男女問わず使用されます。

海外の映画やドラマに出てくる「中指を立てる」ジェスチャーは、人を侮辱する最も危険な仕草である事は、今では周知の事実です。ゆえに日本でも2000年以降は、どんな映像にもモザイク処理がされるようになりました。しかし、このジェスチャーをイギリスでは、ほぼ見かけません。

そのかわりに度々、目にするのが「裏ピース」した手を下から上に突き上げるジェスチャーです。使用方法も意味も「中指」と全く同じらしいので、イギリスやオーストラリアなどでは、裏ピースには気を付けようと心に誓いました。

しかし、先日の日本帰国、このジェスチャーのおかげで肝を冷やした出来事が起きました。犯人は夫に何かを必死で伝えようとしていた私の父親です。

父、裏ピース連発!!! 知らないという事は、なんと恐ろしいのかと、私は激しく狼狽しました。ですが、焦る私を横目に、なぜか夫は一切、動じる事はありませんでした。

それは、指を折って数を数える時、日本では「2」がピースサインになる事を知っていたからです。そんな夫に感心したのも束の間――、

「指で"2"を表す場合はこうデスヨ☆」と言わんばかりのジェスチャー返しにいささか呆れたものです。

次回の帰国時には「2」が裏ピースになってしまう男性陣には、くれぐれも気を付けるよう、事前に念を押しておこうと思いました。

最後に、私が未だやらかしてしまう「日本のジェスチャー」を紹介します。

この「こっちに来て」ジェスチャーは、イギリスでは「あっち行け」と捉えられるので、よく夫を不機嫌にしてしまいます。

彼にしてみれば、呼ばれて来たのに、「シッ、シッ!」と追い返されるという、不可解な状況なのです...。

ちなみに、「こっちに来て」は、掌を上に向ける動作なのですが、よく似過ぎて、逆に身体が覚えてくれません...。

~続く。

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