ホテル・ショック―『スコットランド人夫の日本不思議発見記』(20)

10日間の沖縄旅行を堪能すべく、大荷物を携えながら、私が予約してあげたホテルへと向かった夫。そこで夫は、受付嬢の度肝を抜くこととなりました。

夫が沖縄に一人旅へ行ったときの話です。

まず初めに感動したことは、温暖な気候と美しい海、そして、「外国人の多さ」だったようです。まぁ、米軍基地があるので、そりゃあ、アメリカ人もたくさんいるでしょう......

私の実家がある大阪では、ほぼ外国人を見かけなかったので、なかなか新鮮だったようです。

言葉が通じることが多かった分、大阪よりも快適に過ごせたようでした。

10日間の沖縄旅行を堪能すべく、大荷物を携えながら、私が予約してあげたホテルへと向かった夫。

そこで夫は、受付嬢の度肝を抜くこととなりました。

従業員が発した「無理」の意味が分からなかった夫は、日本ではホテルも土足厳禁なのかと思ったそうです。

しかし――、私が予約したのは激安だった「カプセルホテル」......。

イギリスには「カプセルホテル」が存在しないので、

と、かつてない衝撃を受けたと同時に、「自転車を個室に入れる事は無理」の意味に合点がいったそうです。

横になるだけの個室には、もちろん、自転車を置くスペースはありません。

その上、通路も狭かったので、結局、自転車は受付にて預かってもらったそうです。

余談ですが、カプセルホテルのアイデアに激しく感銘を受けた夫は、あらゆるアングルで個室の写真をカメラに収めていました。

9日間のカプセルホテル暮らしを満喫した夫は、最終日にビジネスホテルへと移動しました。

沖縄行きの航空チケットを購入した時に「ホテル1泊無料券」が付いて来たからです。

4畳ほどの小さな部屋だったのですが、夫は思わず「広っ‼」と、叫んだそうです。

「『部屋の中で歩ける!』って、スゴイ感動シマシタ!」と、狭いビジネスホテルをベタ褒めしていた夫がなんとも不憫でした......。

ちなみに、激写しまくったカプセルホテルの写真は、夫の友人たちに、「死体安置所みたいだ」と、大いに笑いを取れたようです。

さて、イギリスには、ホテルのほかに、個人が経営する「B&B」という、日本の民宿のような施設があります。

「B&B」とは、「BED(ベッド)」と「BREAKFAST(朝食)」の頭文字で、その名の通り「ベッドと朝食付き」という意味です。

自宅を改築して「B&B」を経営している家も結構あり、人口4千人の我が町にも10軒以上あります。

ホテルより格安で宿泊でき、とてもフレンドリーなので、長期の滞在には是非お勧めです。

(終わり)

★コラム著者の4コマコミックエッセイ

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