こっそり抱きしめたあの日-『息子は自閉症。ママのイラスト日記』(20)

こもたろは触られることに敏感でした。この頃はまだ2~3歳の可愛い盛りです。やはり母親としては、抱きしめたい衝動にかられます。

こもたろは今より幼い頃、抱きしめられるのがダメでした。感覚過敏だったのでしょう。抱っこするだけでも痛がったりして離れ、すぐに逃げてしまう子でした。そのくせ、転んでケガをしても痛みをあまり感じていないようで、血が出ているところをほじくりかえしたりして。

この辺りの痛覚というものがうまく処理できていなかったのかな。話が逸れてしまいましたが、こもたろは触られることに敏感でした。この頃はまだ2~3歳の可愛い盛りです。やはり母親としては、抱きしめたい衝動にかられます。

私もなるべくこもたろの負担にならないよう気を使い、日中は抱きしめたい衝動が襲ってきてもグッと堪え、日々過ごしていました。

でもね、我慢できなくてこっそりやっちゃったんです。熟睡している我が子をこっそり...抱きしめました。その時の幸福感といったら、安心感といったら。こもたろは、あったかくて柔らかくて、なんだかいい匂いがしました。赤ちゃんの匂い。髪の毛がふわふわで、思わず顔をうずめました。まんまるのそのちっこい頭から寝息が聞こえました。涙がこぼれるほどいじらしくて、可愛くて。

ああ、私はずっとこうしたかった。ずっとこうしていたいなって。

しかし、ほどほどにしておかないといけないという気持ちもあります...。目が覚めて苦しまないうちに(というのも変ですが)、手を離さなければいけません。

でも、今感じた幸せであと1週間乗りきれる。とても大変な子でしたが、こういう小さな幸せをひとつずつ見つけるようにして、次への原動力に繋げていたように思います。毎日を過ごすのにただただ必死でしたが(笑)

7歳の今、こもたろは抱きしめられることがへっちゃらになりました。むしろ、甘えて「ぎゅーして」と言ってくれるくらい。これは母としてとても嬉しい成長です。

当時の幸せな記憶というのは、私の中にまだ強く残っていて、未だに熟睡しているこもたろを見るとついついギューっとしちゃうんですよね。たまに手を払われちゃいますけれど(笑)。ああ幸せ。

~続く。

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