アムステルダムで泊まりたい、注目の個性派ホテル10選

複数の町の魅力を一カ所に凝縮したかのようなアムステルダムは、かつてからヨーロッパ内で特に人気の旅行先のひとつ。

複数の町の魅力を一カ所に凝縮したかのようなアムステルダムは、かつてからヨーロッパ内で特に人気の旅行先のひとつ。歴史ファンやファッション好き、熱血サイクリストからデザインハンターに都市探検家まで、誰もが楽しめて、しかも幅広い個性を光らせるホテルが集まっている街。その中から、いま注目の10軒を厳選してご紹介します。

"ホテルルームにさようなら"なるスローガンを抱えてオープンした「ゾク・アムステルダム」。バカバカしいように聞こえるかもしれませんが、その実態はなかなか新鮮。細やかな部分にまでこだわって作りこまれたロフト・スタイルの生活空間が用意されています。スマートに仕切られた客室スペースは、料理、仕事、創作、団らん・もてなし、睡眠といったそれぞれのエリアの用途をごくさりげない形で提案。公共空間も同じく画期的にデザインされているから、最低2泊はしたくなるホテルです。

「ピュリッツアー」は運河の目の前という、アムステルダムならではのチャーミングな立地とムードが魅力のホテル。レンタル自転車と、客室内には修理キットも用意されているから、地元っ子気分で街散策へ。ちょっと風変わりな要素を持ちつつも居心地抜群のスイートルームには、美術館にあってもおかしくないような芸術作品やアンティークのコレクションが飾られています。アムスの個性を、まさにいいとこ取りして凝縮したような一軒です。

もちろんレトロなデザインばかりではなく、オランダの最新スタイルにも触れたいと思う人も多いはず。すっきりとしたフォルムと幾何学的な正確性、そして個性ある家具なんかは、やっぱりチェックしておきたいもの。「カナル・ハウス」は、そんな新鮮で近代的なデザインと、アムステルダム伝統の丁寧な職人芸と、息の長い建築業を上手にマッチング。改装作業とひと口に言っても、必ずしもかつてからの個性を失うことはないという、ポジティブな証になっています。

"ホワイトスワン(白鳥)"というニックネームを持つこの建物は、かつてオランダの新聞『デ・フォルクスクラント(De Volkskrant)』紙の本社が入っていたビル。「フォルクスホテル」として生まれ変わった今は、世界中から訪れるフォルクス(人々)を、その広々としたモッド・デザイン空間へと迎えています。コンクリートと新聞をデザインテーマに取り入れた空間には、宿泊施設、ワークスペース、食のワンダーランドと、複数の顔が。地下階ではクラシック音楽、増設した屋上施設では温水に浸かってまったりできる空間もあるということで、なんとも幅広い使い方が楽しめそう。

アムステルダムでは、空間の再生・再活用は大々的なテーマ。一時は牢獄だったという「ロイド・ホテル」も、今や歴史的建造物として認められた建物で、そんなアムステルダム精神を見事に体現しています。ビビッドな東港湾地区の街並みとも違和感なくマッチして見えるのは、この街の文化あってこそ。何度訪れても新鮮なほどバラエティに富んだ客室タイプが用意されていて、ちょっと冒険心を持ったビジネストラベラーでも、一人狼なロックスターでも、心地よく迎えてくれます。しかも客室の間取りも考えてデザインされているから、部屋の大きさに関わらず、ゆったり気分で過ごせるはず。

さて、この辺で変わり種「サー・アダム」をご紹介。ダンディーな架空の主人アダム氏が住むのは、ドイツに拠点を置くサー(SIR)ホテルグループのアムステルダムの物件。近年どんどんと活性化が進むオーフェルフクス(Overhoeks)地区にある複合施設ビル、アダム(A'DAM)タワーの8フロアをまたぐこのホテルは、アムステルダム市内で一番高度があるから、窓からの景色はもちろん最高。インテリアもお洒落で都会っぽさ満点の工業的デザインで、地上階にあるナイトクラブやアートギャラリーのイメージにもぴったり。

「ホテル・デ・ハーレン」が佇むアムステルダム南西地区も、なかなかユニークなエリア。1901年に建てられたトラム駅舎を改造して出来たこのホテルは、ご覧の通り、上品かつスタイリッシュ。ヨーロッパの他の国やアメリカからの移住者が多いことで知られるヨルダーン地区だけれど、レンガと鉄鋼、ガラスやコンクリートといった都会的要素でエレガントに仕上げたこの空間は、誰の目にも魅力的に映るはず。「デザインだけじゃ満たされない!」という方は、思わずInstagramにアップしたくなるような、見た目も美しい食べ物が集まる高級グルメ市場"フードハーレン(Foodhallen)"へ。

「ザ・ディラン・アムステルダム」は、素朴な質感とみずみずしいガーデンに、ちょうどいい按配で個性あるデザイン要素を取り入れたホテル。しかも環状運河エリアの中という、なんとも羨ましい限りのロケーション。お母様、お祖母様連れの3世代旅行でも、きっとそれぞれ嬉しい要素が見つかるはず。また、ミシュラン星付きの館内フレンチレストラン「ウィンケレス(Vinkeles)」でのディナーもお忘れなく!

「コンサヴァトリウム・ホテル」というその名の通り、かつてスウェーリンク音楽学校の学舎だったこの建物。複数のリノベーション工事を経てすっかりモダンになったものの、元の姿を残す高天井の公共空間や、巨大な窓は圧巻。美術館からも近く、アート好きな方にぴったりのホテルと言っていいでしょう。

ロマンチックなかつてのアムステルダムの姿はもうないのか、と嘆く寸前のあなたはこちら「プライベート・マンションズ」へ。ドラマチックなこの空間は、まるでオペラの舞台かのよう。15世紀には女子修道院も包括していたというこの建物。足を一歩踏み入れた途端、外とは全くの別世界を訪れたような気分に。目を向ける先々に個性が溢れ、物語の主人公を気取れそう。