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歴史認識オタクを尻目に進む安倍外交

2013年05月16日 17時57分 JST | 更新 2013年11月07日 19時59分 JST

他に攻めどころがないか、政策が理解できないのだろう。相変わらずリベラルメディアを中心に、歴史認識オタクがくだらない批判をしている。その一方で、飯島氏電撃訪朝など、安倍外交は静かに前進している。

飯島勲氏が電撃訪朝した。

「北朝鮮への国際的な包囲網が強まるなかで、飯島勲内閣官房参与が突然、訪朝したのは、膠着状態が続く拉致問題の局面打開を図ろうとしたといえる。拉致問題の解決を『私の使命』とする安倍晋三首相の意向を踏まえた行動とみられ、『特使的な位置づけで首相訪朝に向けた地ならしではないか』(政府関係者)との見方もある。(略)

 北朝鮮と極秘交渉をしていた外務省の田中均アジア大洋州局長(当時)は、小泉氏と頻繁に会談していたことを北朝鮮側にアピールしていたが、飯島氏も安倍首相との近さを強調していた。先月のテレビ番組では『首相の電撃訪朝もありうる。拉致問題の進展も期待してもらっていい』と自信をのぞかせていた」(産経新聞より)

当ブログでも何度も指摘してきたように、靖国参拝だの"慰安婦"だのといった問題で本気で騒ぐほど、各国の政治家というのはヒマではない。朝鮮半島の非核化は共通の課題であるし、日本にとっては拉致問題が重大なテーマである。

本来なら、六者協議のメンバーによって、結束して北朝鮮に圧力をかけ、交渉をしていくことが望ましい。もちろん、六者協議内にもそれぞれ対立する問題を抱えているが、それはさておき、朝鮮半島問題では結束するというのが自然な態度と言える。だからこそ、靖国参拝を繰り返した小泉政権で六者協議は実現した。

重要閣僚が靖国参拝を行った安倍政権でもそれは同様だ。安倍首相も、小泉首相と同じように、慰霊と歴史認識を区別している。さらに言えば、安倍首相自身は靖国参拝をしていない。それでもなお、「日本は歴史認識問題で東アジアの結束を妨害している。日本のせいで対北朝鮮外交が進まない」と批判する者は、次の2通りに分類される。

まず1つめは、単なる歴史認識オタクである。この世には、現在進行形の問題や、それに対処するための政策をまったく理解できずに、ひたすら過去の歴史認識問題にこだわり、"善悪"の世界観で気持ちよくなりたいという種類の人たちがいる。

要は、第二次世界大戦の勝ち馬に乗って正義面しているだけの"クズ"なのだが、当人たちにはそうした自覚すらない。本当の意味で過去を反省していれば、易々と勝ち馬に乗って、自分も"加害者"の側のくせに、なぜか"被害者"側に回って「日本は反省していない」などというみっともないことは口にできないはずだ。こうした人たちには、慰霊と歴史認識を区別し、苦悩しながらも現在進行形の問題に対処するという、大多数の日本人の感覚が理解できない。もういい加減、こうした歴史認識オタクの"妄言"を相手にするのはやめにしよう。

2つめは、中国と韓国、とりわけ韓国に代表されるような、歴史認識問題を東アジアのパワーゲームに利用するという立場である。前にも書いた が、韓国は歴史認識問題があるから「日本外し」をしているのではない。「日本外し」をするために歴史認識問題を利用している。

それは、靖国参拝閣僚ゼロだった民主党政権の時から、次から次へと難癖をつけては日本をバッシングし、「日本はもう終わった国」と公言して「日本外し」の機会を狙ってきたことからも明らかだ。100%韓国寄りの立場で書かれた「菅談話」についてまで、韓国が不満を表明したことも、韓国の意図が歴史認識問題解決による日韓和解ではなく、歴史認識問題の永続化・拡大化による「日本外し」にあることを証明している。

韓国の「日本外し」戦略に対して、日本国内の歴史認識オタクが乗っかっているというのが現状だ。さらには、「アメリカ様も怒ってるぞ」と、細かな発言を拾ってきては、これまたオタクな論理展開で安倍政権批判をする。

歴史認識オタクがいちいち騒がずとも、歴史認識問題で日米が対立するなんてことは、日本人なら誰でもわかっている。しかし、日本人はアメリカや韓国が怒っているから、過去を反省しているのではない。もし、そんな理由で"軍国主義者"を反省させることが目的なのだとしたら、歴史認識オタクにとっての反省とは、きわめて上っ面の正義感ということになる。

軍部の暴走や目的意識の曖昧な戦争、それによる内外への甚大な被害といった問題点を本気で反省しているからこそ、「村山談話」も大枠で支持されているのだし、戦後の自由な社会を推進するために、法の支配に基づいた国際社会を日本は目指してきた。安倍首相個人の思想がどうであれ、村山談話を継承し、慰霊と歴史認識を区別する姿勢を明らかにしているのは、そうした日本人の心を尊重するのが、総理大臣の使命だからだ。

韓国と歴史認識オタクによる「日本外し」というオママゴトは完全に無視して、安倍政権は独自に対北朝鮮外交を進めようとしている。あくまでも「日本外し」を画策するなら、米中韓で勝手にやればいい。日本にとって重要なのは、非核化と拉致問題という現実であり、友好だの東アジア共同体だのといった絵空事ではない。これからも参院選に向けて、歴史認識オタクはしょうもない批判を激しくしていくだろうが、安倍政権には実務的な外交を今後も期待したい。

(この記事は2013年5月15日の「フリーライター宮島理のプチ論壇 since1997」の記事より転載しました )