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宮田拓弥 Headshot

日本人の知らないシリコンバレー。San Franciscoに出現した「本当のロボットレストラン」。

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今ある47%の仕事は自動化される「Rise of the Robots」


昨年米国で出版され、「ロボットや人工知能の進化により多くの人間の仕事が奪われる」と主張した点が大きな議論となりながらも、大ベストセラーとなった「Rise of The Robots」。

非常に面白いデータや事例満載で、これからのテクノロジーと社会のあり方を考える上で非常に面白い本です。

当初、労働者の生産性を上げ、もっと人々は効率的にたくさんの仕事ができるようになると歓迎されたIT技術ですが、最近脚光を浴びている人工知能の進化、ロボットの進化などにより、今度は「労働者から仕事を奪ってしまう」というのがこの本の骨子です。

彼が引用しているOxford大学の2013年の論文によれば、今ある702の職業について検証をおこなったところ、それらの47%が今後ロボットなどのComputerization / Automationによりなくなってしまうということです。

San Franciscoに現れたロボットレストラン「eatsa」


San Franciscoのフェリー乗り場にほど近いSpear Streetに、新しいコンセプトのレストランがあり、連日行列ができています。

日本の新宿歌舞伎町にロボットレストランという観光客に人気のレストランがありますが、このレストラン「eatsa」は、まさに「ロボットレストラン」と呼ぶにふさわしいレストランです。

#Lyveによる動画を御覧ください。

eatsaは、店舗内にレジ係もいない、ウェイターもいない「完全無人」店舗です。

iPadから注文を決め、支払いを済ませると、自分の名前が液晶に順番とともに表示されます。注文したものが出来上がると、受け取りボックスの液晶に自分の名前が表示され、タップするだけで取り出せて完了です。

動画だけでどこまで伝わる分かりませんが、人とのInteractionはゼロながらも、小気味好いUXとパーソナライズ感で、非常に心地よい体験です。

購入プロセスが完全に無人化されているため「ロボットレストラン」と表現されていますが、実は現在は裏側は人がいて、ソフトウェアの指示に従って食事を作っているそうです。

ただし、Rise of The Robotでも紹介されているハンバーガーを作るロボットサンドイッチを作るロボットはすでに実用化されているため、早晩バックオフィスも含めて完全にロボット化される日は遠くないでしょう。

ロボット中心に小売の再設計が進む


スマホアプリで事前にオーダーをしておき、お店に到着すると、列に並ぶのではなく、バーコードリーダーにスマホをかざすだけで食事が受け取れる「スマホオーダーファストフード」のThe Melt(動画)も、2011年の登場当時は斬新に感じました。

ただ、eatsaは完全に店舗のインターフェースから人を排除しており、「ロボット感」が非常に高い設計になっています。あまりにも通常のレストランや店舗と思想が異なるので、当初は面食らいますが、実際に体験してみると「あり」だと強く感じます。

日本の小売業界の方々と話をしていると、将来の労働人口の減少という観点から小売業界におけるロボットの必要性を指摘される方が多いですが、eatsaが提案しているコンセプトはその一つのモデルとなりそうです。

今、もう一つシリコンバレーに話題の「ロボットレストラン」があります。大手回転寿司チェーン「くら寿司」第一号店です。

私はまだ訪れたことはないのですが、初めてのシリコンバレー進出ということで、数時間待ちの行列ができているそうです。このくら寿司に限らず、商品の鮮度の管理や配膳にロボットやソフトウェアをフル活用している日本の回転寿司は「ロボットレストラン」の先駆けと言えると思います。

寿司という鮮度が大事な特殊な商材で独自の進化を遂げてきた「回転寿し」と、eatsaのような全く新しいコンセプトの「ロボットレストラン」。再度、ロボット技術やソフトウェア技術の視点から、巨大産業であるレストラン、小売という事業を見直して再設計するところには、大きな事業チャンスがあるような気がしています。