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どこまでも続く円周率。大人が思うより、小学生は興味津々ですよ?

2015年05月31日 15時52分 JST | 更新 2016年05月28日 18時12分 JST

 4月に新しくなった算数の教科書を見ると、5年生で「円周率」を3.14と習います。これはおおよその数で、本当は3.1415926535......と限りなく続きます。今わかっているだけで、12兆けたを超えています。どうやって、何のために計算しているのでしょうか。

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 昔懐かしのコンパスをくるっと回してできる、まるい形が円です。コンパスの針をさした円の中心を通り、円のはしとはしを結んだ線が直径。円の周りの長さが直径の長さの何倍になっているかを表す数字を「円周率」といいます。算数や数学では、円の面積や球の体積などを求めるときに使う数字です。

 中学以上ではπ(パイ)という文字で表します。その数はどこまでも続くことが証明されています。

 東京大学で教授をつとめ、3月で退職した金田康正(かなだ・やすまさ)さんは、スーパーコンピューターの研究をしていたとき、その性能を確かめるために円周率を計算しました。2002年には数百時間をかけ、小数点以下1兆2400億けたまで計算。当時の記録を作りました。

 1兆とは、百、千、万、億に続く位です。1のあとに0が12個も続くと考えると、その大きさがわかると思います。

 円周率が3より大きいことは、かなり昔からわかっていましたが、最初に小数点以下2けたまで計算したのは、古代ギリシャの数学者・アルキメデスです。円の中と外にぴったりくっつく正九十六角形を手でかき、辺の長さの和と円の周りの長さをくらべて、おおよその値を計算しました。

 世界中の数学者が競い合い、けた数は増えていきました。20世紀に入ってコンピューターが出現すると、数が一気に増加。13年には日本の近藤茂(こんどう・しげる)さんらが12兆1千億けたまで計算し、現在も記録が伸び続けています。

 円周率は何に使うの?と思うかもしれませんが、例えば、地球の周りを回る人工衛星の動きの計算に使われています。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の担当者は「センチ単位のズレを調べるため、およそ12けたまで使っている」と話します。

 兆まで計算することについて、金田さんは「何の役に立つの?」とよく聞かれるそうです。「何に使えるかを気にするよりも、世界で最初に見つけるおもしろさを知ってほしい」と話しています。

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 金田さんは東京大学を退職する記念に、円周率の小数点以下5万けたが書かれたポスターを制作。朝小読者にもポスターのプレゼントを呼びかけたところ800通を超える応募がありました。

 このため朝日学生新聞社では金田さんの協力で、「円周率ポスター」を作りました。詳しくはホームページ(http://asagaku.com/kokoku/ensyu_poster/lp.html)をご覧ください。

 この記事は、「朝日小学生新聞」4月12日付に掲載した記事に加筆しました。紙面のサンプルや記事の一部も見られます。「朝日小学生新聞」「朝日中高生新聞」のホームページはこちら(http://www.asagaku.com