マーケットの見通しは基本OK、シナリオに変更なし ドル/円は130を目指す 今年は上半期になるべく粘り、一年の儲けの大半を稼げ!

2015年の最初の二か月が終わりました。マーケットのここまでの歩みを振り返ります。

2015年の最初の二か月が終わりました。マーケットのここまでの歩みを振り返ります。

まず下は日経平均のチャートです。

次はアメリカのS&P500指数のチャートです。

年初、僕が考えた今年の相場のシナリオを再掲すると、まず主な指数のターゲットは次のように考えています。

次にアメリカの株式市場がどういう流れを辿るかというシナリオですが、基本、上半期の方が儲けやすいというシナリオを堅持しています。

ここまでの展開で、いちばん僕のシナリオとずれているのはドル/円です。これは横ばいのままです。

アメリカと日本の経済の基礎的要件を比較すると、アメリカの方が遥かに強いです。従って、今年の目標、130円は達成されると考えています。

2014年第4四半期のGDPは、先日、+2.6%という速報値から+2.2%に下方修正されました。しかしこれは在庫などの要素が変動したことが主な理由で、消費は+4.2%と強かったです。

米国の雇用はしっかりしているし、賃金は上昇しはじめています。加えてガソリン価格が安いとあってアメリカの消費者は気分を良くしています。だから今後も米国経済の70%に匹敵する消費が牽引車の役割を果たすと思って間違いないでしょう。

一方、アメリカの製造業はこのところのドル高で苦しんでいます。先週発表されたISMシカゴ・リージョナル・ファクトリー・インデックスは45.8と1月の59.4から大きな下落を見ました。この指数が景気拡大・縮小の分水嶺である50を割り込んだのは2013年4月以来であり、また13.6ポイントという大きな下げ幅は実に1979年以来のことです。

ただこの調査期間はカリフォルニアのロングビーチ、オークランドなど主要港の港湾労働者のストライキが進行中で、サプライチェインに支障が生じていました。

第4四半期決算発表は、大体の企業がちゃんとした決算を出しました。でも一部には決算をとりこぼした企業もあります。

良い決算とは:

EPSが市場予想を上回る

売上高が市場予想を上回る

来期以降の会社側見通し(=ガイダンス)が市場予想を上回る

の三つを全て満たす決算を指します。

僕の主義は、どんなに好きな銘柄でも、決算の内容が悪ければ、その株は即、「売り」ということです。

今回の決算発表シーズンでは、アリババ(BABA)、テスラ・モーターズ(TSLA)、グーグル(GOOGL)、アマゾン(AMZN)がダメな決算を出しました。これらの銘柄は、切る事。

逆に今回の決算で目の覚めるような素晴らしい数字を出した銘柄もあります。アップル(AAPL)、ネットフリックス(NFLX)、ウォルト・ディズニー(DIS)、タブロー・ソフトウェア(DATA)、サイバーアーク(CYBR)、ツイッター(TWTR)、フェイスブック(FB)、スカイワーク・ソリューションズ(SWKS)、アンダーアーマー(UA)などです。

株式投資は戦争と同じ。どんなに精緻な作戦を立案しても、ひとたび砲弾が飛び交い始めたら、戦況は刻々と変化します。その場合、自分の思惑通りコトが進むこともあるけれど、被弾することも当然あります。そのひとつひとつの失策を嘆き、それにいつまでもこだわるのではなく、強い部隊、サバイバルできる兵士を中心として陣容を立て直すこと。

つまり、強い会社、ちゃんと数字を出せる会社だけを保有すること。

(2015年3月1日「Market Hack」より転載)

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