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新国立競技場問題:サンティアゴ・ベルナベウは改修で生まれ変わる

2014年04月06日 00時05分 JST | 更新 2014年06月05日 18時12分 JST

新国立競技場問題についての情報です。

日本では国立競技場が改修で対応できるかできないかの議論もないまま

強引にザハ案による新築建て替えにまい進していますが、

サッカーチームレアル・マドリッドのホームスタジアムであるサンティアゴ・ベルナベウについて、つい先ごろ改修デザインの発表がありました。

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これは、既存スタジアムを完全に取り壊すのではなく、既存構造物の一部を活かしながら、まったく新しいスタジアムに生まれ変わらせようという計画です。

設計デザインコンペによりその候補案4案が昨年発表されていましたが、

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ラメラ‐ポプロウス、

ヘルツォーク‐ド・ムーロン、

ノーマン・フォスター‐ラファエル・デ・ラオス、

GMPアーキテクテン‐L35‐リバス

という4つの建築設計事務所による上記4案より

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最終的にGMPアーキテクテンの提案が採用されることになりました。

しかもこの計画総工費は新国立の約4分の1の4億ユーロ(およそ550億円)。

そして、今から始めて、来年の2015年に完成予定。

そして屋根も可動式。

さらには、サッカーの試合だけでなく、他のスポーツ的・文化的イベントも開催。

スタジアムの内部にはホテルや商業施設、飲食店やレジャー施設が併設して、サッカー以外からの収益も見込まれています。

新スタジアムによって30%の収益増を確保するそうです。

なんか、いいことずくめなんですけど。

建築に詳しい人でも設計者のGMPアーキテクテンって聞いたことないでしょ?

これは人の名前で、ゲルカンさん・マルクさん・パートナーズの略です。

この一見、さえない感じの司馬遼太郎と蛭子能収みたいなお二人がそうです。

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1970年代から活躍されているドイツの建築家です。

質実剛健というかドイツらしい実直なデザインであまりセンセーショナルにトークする人たちではない、マスコミ向けの建築家ではありません。

どちらかというと地味、真面目、固い、そういった印象の建築家です、でした。

しかし、構造技術とデザインの融合、既存都市景観への最先端技術の導入では第一人者です。

古い街並みになじむようなレンガとか、形態もカッチカッチの四角とか屋根型だったりしてたんですが、ドイツらしいっていえばドイツらしいんでが、ドイツではトップクラスの建築家です。

まあ、ベンツとかBMWとかそういったものに通ずる思想の建築家ですね。

なぜ、それがあまり知られていないかというと、日本では海外事情をお知らせする建築デザイン雑誌は数多くあるんですが、なぜかドイツの建築家、ドイツの建築事情をあまり紹介しないんです。

また、例のプリツカー賞とかは取っていない、いつでももらえる力と思いますが、

戦後の世界建築事情はちょっとドイツ系には冷たいんですよね。

その人たちがレアル・マドリッドのスタジアムの改修デザインコンペを取りました。

元々のスタジアム構造を活かしながら、まったく新機軸のスタジアムとして生まれ変わらせる計画です。

上記のビデオを見ますと既存構造物をうまく活かした改修の方法を提案されています。

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レアル・マドリッドのスタジアムで出来ることがなんで日本でできないんでしょう?

既存躯体を活かすから解体工事費もかからないし、施工期間短縮できるし、屋根開閉にして、

商業施設やトイレなんか増やして、最新式の映像プレゼンテーション盛り込み~ので、

550億円じゃん。ぜんぜん安いじゃん。

改修案の募集コンペでプリツカー賞の縛りとかなきゃ、

ゲルカン&マルクGMPだって応募できたんじゃんか!

早とちりでした。(ゲルカン&マルクGMP応募してますね。←皆様のご指摘)

それに、レアルの方ではノーマン・フォスターもサボらないできちっと提案出してるし。

という世界の事例でした。

(2014年1月18日「建築エコノミスト 森山のブログ」より転載)

新国立競技場 画像集