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藤巻健史  Headshot

アベノミクスは失政・その2

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前回6月26日に「アベノミクスは失政」と書いたブログを本欄に載せていただいたが、「政治家ならアベノミクスを批判しているだけではなく、対策を述べるべきだ」と言う趣旨のコメントをいただいた。

私はまだ「日本維新の会 参議院比例代表 第63支部長」にすぎず、政治家になれるかは否かは選挙の結果を待つしかないのだが、「考えている対策」はあるにはある。

(1)「消費税上げ+歳出減」と「円安によるマイルドな資産インフレ」が必要

「私は『消費税上げ+歳出減』と『円安によるマイルドな資産インフレ』の政策組み合わせしか安倍政権と日本経済が存続し続けることは出来ないと思う。」

実は、これは、本日書いた文ではない。今から6年半前の2007年1月3日の、我がブログ「藤巻プロパガンダ」に載せた文章だ。第1次安倍政権への注文だった。

また朝日新聞土曜日版be「藤巻兄弟」の2006(平成18)年10月7日版にも「新内閣が発足しました。経済政策で、健史さんが特に注目しているのは、どういう点ですか?(東京 43歳 男性)」という読者の質問に対して以下のように答えている。「消費税アップと歳出削減が不可避である。日本の財政赤字はそこまでひどい。だが、この政策は景気にネガティブな要因になる。それを打ち消すためにマイルドな資産インフレの醸成という政策も併用すべきで、それには円安への誘導が有効と言える。長寿番組『水戸黄門』ほどではないが、私の主張はワンパターンだ。しかし、なぜ日本では為替政策を政策として捉えないのか、私には不思議でならない。(中略) 安倍さん、『円安担当大臣』を置いたらどうでしょう。ちょっとバーゲンセールみたいな語感で嫌かな?」

10数年間に渡って主張し続けて来た私の政策は、ずっと無視され続け、ポピュリズム政治(大衆迎合政治)のばらまきは続けられた。しがらみにとらわれた政党では、方向転換は難しかったのだろう。その結果、国の借金はついに1000兆円にもなってしまったのだ。

(2)1000兆円の累積赤字が「最高の特効薬である円安政策」の妨げ

今でも日本景気回復の唯一・最強の政策は「円安政策」だと思う。10年前なら、私は、この政策のみで選挙に臨んだであろう。円安を徐々に進める方法は「マイナス金利」「為替損の損益通算」「為替益の一定額の無税化」「ドル建て日本国債の発行」などいくらでもあった。しかし、国の累積赤字が1000兆円にも膨れあがってしまった以上、「円安政策」さえも大胆な賭けになってしまった。円安が進むという予想で、日本国民が、こぞって円預金を引き降ろし外貨資産を買い始めると、金融機関が国債入札に参加する円資金が不足してしまうのだ。明日、国の資金繰り倒産が起きてしまう可能性があるということだ。目一杯国債を買いこんだ金融機関から円預金が流失すると大変なことになるのである。

このリスクを考えながらの円安政策は極めて危険な綱渡りになってしまった。時間の浪費が、かえすがえすも、残念だ。時すでに遅しなのだ。

(3)財政再建は可能か?

今の国の状況を家計に例えると470万円の収入の家計が毎年920万円使って1億円の借金を抱え込んでいる状況だ。今はゼロ金利だからいいが、アベノミクスが成功し、金利が上昇し始めたら大変だ。(すぐにではないにしろ)1%の金利上昇あたり、100万円の金利支払い増だからだ。バブル末期の1990年の税収が(家計に例えると)600万円だった(注:ただ消費税は3%だった)ことを考えると、税収増は支払金利増に追いつかない。それもバブルのような狂乱経済期には、半端ではない金利上昇が考えられる。

財政再建を果たすには単年度決算を黒字化しなければならない。(家計に例えれば)1億円の借金を来年は9800万円、再来年は9600万円と減らしていかないと、いつかはパンクするのだ。470万円の収入と920万円の支出をどうやって逆転させ得るだろう。私の計算だと消費税を明日から50%に上げれば逆転できる。または年金や健康保険の税負担分など社会福祉費を全廃すれば逆転できる。またはその組み合わせである。しかしそれは実現可能な政策なのだろうか?「徴税権があるから国は破綻しない」と主張する識者もいるが、50%の消費税など国民が納得するのだろうか?

財政破綻を避ける唯一の解決方法はハイパーインフレの導入だが、国民生活は地獄となる。アベノミクスこそは、政治家が理解しているか否かは別としてハイパーインフレ政策そのものだと私は思う。今の安倍政権の「ばら撒きながらのアベノミクス」は「どうせハイパーインフレで借金は棒引きになるのだからポピュリズム政治で累積赤字を増やせるだけ増やしてしまえ」とも思えてしまうのだ。

(4)政治家の役目

ここにおいて、「対策を考えるのが政治家の役目だ」と言われても困ってしまうのだ。太平洋戦争終結前夜に「それでも政治家の役目は米国に勝つ方法を考えることだ」と言われても困るのと同じだ。それより、終戦後の日本復活の青写真を描ける政治家が今、必要だと私は思う。終結まで「米軍に勝てる」と主張した現状把握能力のない政治家や、敗戦を承知のうえで「米軍に勝てる」と国民を鼓舞し続けた政治家がその任についてはいけない。

ハードランディング時に起きる大幅円安で、日本は必ずやV字型で大復活する。1997年、通貨危機で地獄を見た韓国がウォン安で大復活したのと同じ道程だ。しかし、その際、どれだけ「規制過多、大きな政府、結果平等税制」の社会主義国家から「真の資本主義国家」に生まれ変われるかで、今後100年の日本の未来は決まる。その時こそ、「しがらみ」に捉われず、大改革の出来る政治家や政党の出番である、と私は信じる。だから今こそ経済のプロが国会に必要なのだと思うのだ。