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大本営発表に追随するマスコミ

2014年06月24日 00時41分 JST | 更新 2014年08月23日 18時12分 JST
Wikimedia Commons

手元に夕刊が二紙ある。

一つの新聞には「国民年金 納付60%超え」と見出しがあり、もう一つには「国民年金 納付率5年ぶり60%台」とある。

前者は、「(厚労省)では、12年度から悪質な滞納者に対し実施してきた、差し押さえの可能性を知らせる「特別催告状」の送付などの取り組みが一定の効果を上げたとみている。」と書く。

「納付率の向上には、未納率の高い『20-24歳』が同5.0ポイント増の56.3%に上昇したことが影響している。」とも書かれている。国民年金に加入しているこの年齢の被保険者が、特別催告状をもらって保険料を支払ったとでもいうのだろうか。

もう一紙は見出しに比べて記事は少しまともだ。

「年金記録問題への対応が一段落して強制徴収や免除、猶予の勧奨など滞納者対策を強化したことや、景気が上向いていることが要因としている。

ただ、所得が低く納付の全額免除や猶予を受けている人が..606万人いる。除外せずに計算した実質的な納付率は40.2%にとどまるのが実情だ。」

両紙ともに記者の署名はない。

厚労省が発表している納付率の数字は、

2007 63.9%

2008 62.1

2009 60.0

2010 59.3

2011 58.6

2012 59.0

2013 60.9

一見すると数字が上昇しているように見えるが、これは分子の納付した人が増えた結果ではなく、分母を免除と猶予で減らしてきた結果だ。

分母に免除・猶予を加えて、同じ期間の実際の納付率を見てみると

2007 47.3%

2008 45.6

2009 43.4

2010 42.1

2011 40.8

2012 39.9

2013 40.2

この数字を見て、納付率が60%を超えるなどと報道するのはいかがなものか。

厚労省の記者クラブは大本営発表に追随しているところばかりではないか。

あなたの新聞はどう書いているだろうか。

厚労省が発表した数字をそのまま書くだけならば、通信社に任せればよい。もっと調査報道ができないものだろうか。

役所の記者クラブは役所べったりで追従記事を書き、政治部は政策はそっちのけで政治的なことしか書かない。

国民の関心事の一つである年金の再検証や納付率について、ほとんど新聞やテレビが役に立っていない。

それならば政治家一人一人が発信力を強めて、国民に直接語り掛けるしかないだろう。

(2014年6月23日「ごまめの歯ぎしり」より転載)