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被災地折り鶴問題の解決法

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被災地に折り鶴を送ることの是非について、ネット上で議論になっています。

そもそも、東北の震災で「要らなかった物リスト」のトップが千羽鶴であったことが発端で、多くの人が賛同していました。しかし、送った人の気持ちを考えろ、そういうものしか送れない小学生にどうしろというのだ などの反論が出てきている状態です。

私は、このような状態を途上国・カンボジアのボランティアで何度もみています。

ありがとうと、ありがた迷惑

ボランティアのいいところは、無償で善意と物を提供することです。物が不足している貧困地域や被災地では、これは非常にありがたいことであり、私は原則としてよいことだと考えています。

しかし、これが「ありがた迷惑」になってしまう場合もあります。

例えば、カンボジアは米がたくさんとれる場所で、年に3回とれる場所もあり、非常に安価に売られています。そんなカンボジアに、日本の小学校の校庭で生徒たちが丹精込めて作った米を送っている場合があります。

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米を送ること自体マイナスではなく、悪くはありません。

ただ、カンボジアの人たちは、日本のねばっとした米よりも、カンボジアのさらっとした米の方が好きな人が多く、あまり好みではありません。さらに、できることなら、毎日食べている米よりも、めずらしい日本のお菓子やおもちゃを送ってもらった方が嬉しいです。

とはいえ、無償で送ってもらったものにケチをつけるわけにもいかないので、「美味しいお米をありがとう」なんて手紙を書いて、楽しそうに食べている写真が日本に送られ、この交流は毎年続いていきます。

米を作る労力や、配送する費用などをつかって、もっとカンボジアの子供たちを喜ばせることができるのに、勿体ない話です。

これが、被災地になってくると、より余裕がないところになるので、事態は深刻化します。狭い避難所に折り鶴が大量に送られ、場所を圧迫したり、仕分け作業の邪魔になったりと、マイナスの効果を生み出すことがあるからです。

とはいえ、被災者の人たちが、無償で送ってもらったものにケチをつけるわけにもいかないので、非常に辛い事になります。

なので、このような事態になっていることを、外野がきちんと指摘することは大切です。

問題は、間違ったことではない

このような、相手のニーズの取り違いというのは、ビジネスの世界でも常に起こることです。メーカーが自信をもって出したあんな商品、こんな機能が、消費者目線で見たら「いらねーよ」と思うことはよくありますよね。

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そういう失敗は、よくあることなので、過剰に責めても仕方ありません。また、失敗してしまった人も意地にならず、すぐにやり方を変えればいいのです。

我々も、カンボジアでカレー屋をやりはじめて、カンボジアの人たちに無料で日本のカレーを食べてもらったら「美味しい美味しい」といってくれました。しかし、お店を開いたらあまりお客さんは来ません。実は、カンボジア人はカレーのスパイスが嫌いだったのです。

そこで、美味しくするにはどうすればいいかとカンボジア人に聞いてカレーに練乳を入れられたり、日本語はもちろん英語も通じないカンボジアのおばちゃんに弟子入りしてカンボジアカレーの作り方を習ったりと、修正を繰り返して現在に至っています。

折り鶴を送ることが是か非かを議論していても、被災地の人は喜びません。むしろ、その様な議論を見るのは心苦しくなります。

ビジネスでも、ボランティアでも、大切なのは相手を見ること。

さあ、この折り鶴問題の議論はどうやって解決しましょう。実は、この議論自体は、被災地不在で勝手にやっているので、どうでもいいことです。ただ、そのパワーを被災地の人に役立てるために、こんな風に考えてみるのがいいのではないでしょうか。

折り鶴を問題だと思う人は、なにをすべきかを具体的に提案して、それ以外の事は言わない。(特に折り鶴を負っている人を上から目線でバカにしない)

折り鶴に意義を感じる人は、被災者目線でなにが必要か、もう一度冷静になって考える。

まずは、賛成、反対で議論をするのではなく、被災者の人の方をみて、考えて、行動すること。

そして「間違えることは問題ではない。間違えて、修正できないことが問題」だということを認識して、「間違いを犯した人を過剰に責めない」「間違ってしまったことを素直に認めて、行動を改める」ということが大切なのです。

さあ、あなたはなにをしますか?