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IBMがPromontory Financial Groupを買収

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M&A Onlineの石塚です。今回は人工知能のWatson(ワトソン)が金融分野のコンサルティングに進出した記事をピックアップしました。TransCap代表で米シリコンバレー在住のコンサルタント坂崎昌平氏がレポートします。(石塚辰八)

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人工知能のWatson(ワトソン)が金融分野のコンサルティングに進出

IBMがPromontory Financial Groupの買収を発表しました。Promontoryは2001年にワシントンDCで設立されたコンサルティング会社で、金融分野のリスク管理や規制コンプライアンスの専門家600人以上が在籍しています。IBMは、質問応答・意思決定支援システムのWatsonにPromontoryが保有する膨大なデータや専門知識を学習させ、これを機に設立するWatson Financial Servicesを通じて、Thomson ReutersやBloombergとも競合するような金融業界向けのツールやコンサルティングの提供を目指しているそうです。

IBM Watsonは、自然言語処理と機械学習によって大量の非構造化データから洞察を得るコグニティブコンピューティングのプラットフォームです。その名称は、創業ファミリーのラストネームに由来していて、二代目であるThomas Watson Jr.の言葉が、その精神としてウェブサイトにも謳われています。

"Our machines should be nothing more than tools for extending the powers of the human beings who use them."(IBMのマシンは、使用する人間が持つ能力を拡張するツールに過ぎません)

Watsonの開発は、1997年にチェス王者に勝利したDeep Blueに続く人工知能の研究課題として、Jeopardy!というクイズ番組への参加を目標として2005年に始まりました。2011年にはデビューと同時に優勝を果たして$1Mの賞金を獲得しました(全額を慈善事業に寄付)。その後の商業利用として、2014年にはIBM Watson Groupとして当初予算$1Bのビジネスユニットが発足して、コグニティブコンピューティングのサービスを展開しています。2016年第2四半期のWatsonを含むCognitive Solutions部門の売上高は4.7B(前年同期比4%増)でした。

ビジネス展開では診療意思決定支援などのWatson Healthが最も進んでいます。医療データ解析を強化すべく、これまでに買収したPhytel、Explorys、Merge Healthcareに加えて、年初にはTruven Health Analyticsを$2.6Bで買収しました。WatsonのAPI(Bluemix)を使ってアプリを開発するベンチャー企業を支援する$100Mのファンドも設立しており、健康管理アプリのWelltok(IBMを含め$22M調達)、遺伝子検査・個別化医療サービスのPathway Genomics(同$40M)などに出資しています。また、Watson IoT(Watsonによるモノのインターネットのデータ活用)を強化する策として、気象予測のThe Weather Companyを$2Bで買収しています。

M&A Onlineより転載