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産業IoT分野のM&Aに注目!AspenTechがMtellを買収

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M&A Onlineの石塚です。今回はAspenTechがMtellを$37Mで買収した記事をピックアップしました。産業IoT分野のM&Aに注目です。TransCap代表で米シリコンバレー在住のコンサルタント坂崎昌平氏がレポートします。(石塚辰八)

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AspenTech(Aspen Technology)は、1981年にマサチューセッツ州ベッドフォードで設立されたソフトウェア企業で、プロセス製造業の装置生産を最適化するソリューションを提供しています。

マサチューセッツ工科大学での研究成果をベースに立ち上げられたベンチャー企業でしたが、20年くらい前にNASDAQに株式公開しており現在の時価総額は$3.8Bとなっています。直近12か月の売上は$472M、利益は$138Mで、1,400人近い従業員がいます。エネルギー、化学プラント、建設業、製造業を中心に、1,750社以上の顧客が採用しており、ユーザ数は150,000人を超えるそうです。

今回AspenTechが買収したMtell(Mtelligence)は、2006年にカリフォルニア州サンディエゴで設立されたソフトウェア企業です。石油ガス、鉱業、化学、輸送、製薬、下水処理業界向けに予測メンテナンスによって資産の稼働率を最適化するソリューションを提供しています。

顧客企業のオペレーションやメンテナンスのプロセスを理解して、IoT(モノのインターネット)でリアルタイムに蓄積される装置データを機械学習を使って解析することで、故障の種類、時期、原因を予測して、事前に適切なメンテナンスができるようにします。Linkedinによれば社員数は14名以上となっています。

CrunchBaseによれば、Mtellは2015年にPTCから出資を受けていました。PTCは、1985年にマサチューセッツ州ニーダムで設立されたソフトウェア企業です。こちらもやはりNASDAQ上場企業ですが、これまで積極的に買収を繰り返すことで、CADから製品ライフサイクル管理、さらには製造業向けのIoTや拡張現実技術へと業容を拡大しています。

直近12か月の売上は$1.1B、損失は$54Mで、時価総額は$5Bです。PTCではなくAspenTechがMtellを買収するに至った経緯は分かりませんが、事業戦略との整合性や提示できる買収条件など様々な綱引きがあったのかもしれません。

M&A Onlineより転載