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「世界で一番ゾウに近い国」タイでゾウと思い切り触れ合えるレアスポット2選

2014年10月20日 00時34分 JST | 更新 2014年12月18日 19時12分 JST

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東南アジアの自然豊かな観光地でよく目にするのがエレファントライド。日本ではまず触れ合う機会のない大きなゾウに乗って山を散策したり餌をやったりして、大人にも子供にも大人気です。そんな東南アジアにあってもタイとゾウの繋がりは別格。ゾウを国の象徴として大切にしているタイは、世界で一番ディープなゾウ体験ができる国なのです。

今週のタビィコムは、「世界で一番ゾウに近い国」タイでしか味わえない、特別な体験ができるレアスポットをふたつご紹介します。

●世界で最初の「ゾウ専門病院」を見学して、ゾウ使いトレーニングに参加する!

タイ北部最大の街チェンマイから車で約1時間ほど離れたランバーンというところに、「タイ象保護センター(Thai elephant conservation center)」という施設があります。ここはタイ伝統の象使いの正しい育成とゾウの保護を目的とした国立施設で、国王所有の神聖な白象の飼育やタイ唯一の象使い訓練キャンプ、ゾウの専門病院があります。移動クリニックや世界で一番大きなゾウ用救急車もあり、タイ全土のゾウが無料で治療を受けられるようになっています。近くにはゾウのホスピスである「Pang La Sanctuary」という施設もあります。

タイのエレファントショー名物であるゾウのお絵かきはここが発祥の地。丸太運びや移動の足、観光資源として重宝されてきたタイのゾウ文化のすべてがここにあるのです。

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ここでは通常のエレファントキャンプと同じく、エレファントライドやショー、水浴びの様子を楽しむことができるのですが、一番の特徴はゾウ病院を見学できることです。時には大きな怪我をしたゾウの治療もあるので注意が必要ですが、地上で一番大きな動物がどんな風に治療を受けるか見学できる、世界でも大変珍しい場所であることは間違いありません。

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目の感染症の治療で点滴を受けるゾウさん。点滴の針は耳の裏の静脈に刺すのです。獣医さんは若い男性で、ジャニーズ系のイケメンでした。

筆者が訪問した日はゾウたちの健康診断が行われていました。

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健康診断を担当する獣医さん。やはり若い、そしてかわいい!

園内にいる110頭のうちこの日検診をうける53頭のゾウたちが、寝場所である森から担当象使いに連れられて続々と集まってきます。

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トップバッターは子ゾウ。大きな身長計の前に立たせて、遠くから写真を撮って測定します。

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検査項目は、鼻の長さ、足周りの大きさなど細かな部位の測定と、体温チェック、歯の検査、血液検査など。象使い看護師さんたちの見事な腕で、あっという間にチェックが終わります。

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すぐ隣には子ゾウの保育園も。この日は2組の親子を見ることができました。元気いっぱいの子ゾウに餌やりも可能です。

このキャンプのもうひとつの名物アトラクションは、「象使い体験ホームステイ」。1日体験から1ヶ月ステイまで様々な期間が選べますが、最低でも一泊はしたいところ。ゾウ使いの基本的なコマンドを学び、池で水浴びをさせ、寝場所の森へ返し、朝には森へゾウを捕まえにいくことができます。なかには1日中森でゾウと過ごしたり、湖で一緒に水遊びをしたりできるプランも。他の地域では決してできない貴重な体験で、参加者は人懐っこく賢いゾウたちとの触れ合いに感動一杯でステイを満喫するそうです。ガイドは英語のみですが、身長が130センチ以上あれば子供でも参加可能なところも素晴らしい(要予約)。

ゾウ病院やホスピスを訪問する時は、朝8時半までに到着するのがオススメです。特にゾウ病院は朝が治療時間なので、治療が見たい方は是非、早起きして訪問しましょう。

タイ象保護センター Thai elephant conservation center

http://www.thailandelephant.org/en/ (英語)


●広大な「ゾウのシェルター」で、ゾウの群れと一緒に歩いてみる!

同じくチェンマイから山あいに向かって1時間半登ったところに、世界でも珍しいゾウの大規模シェルター「エレファント・ネイチャー・パーク」があります。200エーカーという広大な敷地に、子ぞう3頭を含む40頭のゾウが5つの群れに分かれて暮らしており、ゾウが暮らす敷地に入って間近で観察するという大変貴重な体験ができます。欧米ではこの施設は広く知られていて、ビジットプログラムも良質なエコツーリズムとして高い評価を受けています。

このシェルターにいるゾウたちには、ミャンマーで地雷を踏んだり、丸太運びの労働で事故にあったり、観光キャンプでのカメラのフラッシュの浴びすぎや白内障で失明したまま働かされていたり、違法な「子ゾウの物乞い」に使われていたなど、それぞれに悲しい過去があります。そんなゾウたちは今、この施設であらゆる労働から開放され、自由を満喫しながら暮らしています。また施設内には度々起こるバンコクでの深刻な洪水からレスキューした犬たちが400頭、猫たちが100頭いるシェルターもあり、そのうちの何十頭かはゾウのフィールドで自由に暮らしています。

訪問コースは1デイビジットから長期のボランティアステイまで様々で、ゾウと触れ合えるアクティビティーの幅も多岐にわたっています。そこで筆者は5才の子供と一緒に、赤ちゃんから高齢者まで参加できるという1デイビジットを体験してみました。ガイドさんにゾウたちの生態についての様々なガイダンスを受けながら、餌やり、1時間半のフィールド探索、ランチ、ゾウの水浴び、さらに30分ほどフィールドに出て、展望デッキで思い思いにゾウを眺め、二度目の餌やりをして終わりというコースです。

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こちらに向かって一直線にゾウが歩いてきた!振り返ると子ゾウも小走りで!!でもガイドさんと象使いの二重のガードがあるので安全です。

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ランチは驚くほど多彩なベジタリアンタイフードのブッフェ。どれも美味しくて感激しました。

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川でゾウに水浴びさせます。年齢制限なく参加できるコースなので、フルーツをもらってじっとしているゾウに水をかけてあげます。

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ここで一番大きなゾウの群れを見にフィールドへ。子ゾウがじゃれながら水たまりに飛び込むのが見えたり、大きな群れに接近できたり。手を伸ばせば触れる位置までゾウが来るのがすごかったです。幼児連れでもここまでダイナミックに野生動物との触れ合いを楽しめるのは、この施設だけかもしれません。

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とにかく子ゾウが

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寄って来ちゃって!

このエレファント・ネイチャー・パークでは、動物愛護の観点からタイのゾウ文化の問題を学ぶこともできます。なかでも興味深かったのは、古くからの伝統である「母子別れの儀式」。それを虐待と見るか文化の継承と見るかは人それぞれですが、動物と人とのかかわり方を考えるいい機会になります。間違いなく、ここは世界で一番ゾウに近づける場所のひとつだと思いました。

エレファント・ネイチャー・パーク

http://www.elephantnaturepark.org/(英語)

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どちらの施設もチェンマイが起点で、どちらも早起きが必要ですが、ゾウの国タイの真髄を体験できるレアスポットです。ゾウを通して、よりディープなタイの旅を楽しんでください。

(文:松下祥子)