BLOG

ゴールデンウィークの瀬戸内で歴史を訪ねる島旅はいかがですか?

2014年04月21日 19時18分 JST | 更新 2014年06月20日 18時12分 JST

近年の離島ブームと相まって瀬戸内海国立公園80周年の今年、話題に事欠かない瀬戸内の島々。その中で淡路島、小豆島に次いで3番目に大きい面積を誇る島、みなさんはご存知ですか?その名は周防大島(すおうおおしま)、国土地理院が定める島名は屋代島(やしろじま)といいます。古事記や万葉集にも登場するようにその歴史は古く、古事記ではイザナギ・イザナミの島産み神話で3番目に生まれたとされ、大多麻流別(おほたまるわけ)という神の名を与えられた島でもあります。そんな周防大島の歴史を感じる島旅をGWのイベントとともに紹介します。

2014-04-21-.jpg

周防大島は山口県東部に位置し、最寄りの空港・岩国錦帯橋空港からは車で30分程度。最寄駅JR山陽本線大畠駅付近から橋で渡れる架橋の島です。島旅ムードを満喫したい方には愛媛県松山市の三津浜港よりフェリーに乗って1時間程度で島の東端・伊保田港から島に入ることも出来ます。


■同行二人、お大師様の足跡をたどってみませんか?

弘法大師空海が唐からの帰朝の際、周防大島に立ち寄られています。弘法大師が807年に開いた日見の西長寺。弘法大師の建立といわれる日本三大文殊が京都、奈良、そして周防大島にあります。周防大島町三蒲地区の文珠堂は珠(殊)の字が違いますが、京都・奈良・周防大島、3つの並びを見るたびにグッときますね。弘法大師が南無阿弥陀仏と書かれたと伝わる巨石を信仰する帯石観音など、お大師様の気配を感じることのできる島です。それ故お大師様信仰も厚く、周防大島オリジナルのお遍路八十八霊場も整備されています。

2014-04-21-miura_002.jpg

GWにオススメしたいのが、「お大師堂めぐり歩け歩け大会」4月29日(火・祝)に開催されます。島内八十八霊場の内、屋代地区に点在するお十四の大師堂を巡る企画です。地図を頼りにどんな道順で何箇所お参りするか参加者次第という点ではお大師堂をポストに見立てたオリエンテーリング的でもありますし、御朱印をスタンプと解釈すればスタンプラリー的でもあります。郷土料理も味わえる軽トラ市場の出店や豪華賞品が当たる大抽選会といったお楽しみ企画も楽しみながら、春爛漫・春うららの周防大島屋代平野を散策してみてはいかがでしょうか。参加申し込みは周防大島観光協会(0820-72-2134)まで。4月25日締め切りとなっています。

http://www.suouoshima.com/event/aruke.html



■村上海賊の娘の父・村上武吉最期の地

2014年本屋大賞を受賞した和田竜「村上海賊の娘」。その父親に当たる能島村上水軍当主・村上武吉が関ヶ原の戦い後、周防大島の領主として移住、1604年に亡くなるまでの約4年間を過ごしています。武吉をはじめ村上家代々の墓や村上家の館跡、村上家が建てたと伝わるお寺や神社など、村上家に関連する史跡も多くあります。町内で活動する村上水軍研究会が今年発行したパンフレット「周防大島町 村上水軍の史跡」を手に史跡めぐりというのもオススメです。

2014-04-21-miura_003.jpg

村上家による八幡様信仰の跡が見える和田の筏八幡宮では5月3日(金)に春の例大祭が行われます。4代目景信(かげのぶ)により村の繁栄と村上家の隆盛を願い奉献された石の鳥居や9代目就庸(なりつね)が奉納した灯籠も残る神社です。この例大祭では周防大島の名物行事ともいえる「餅まき」も実施予定。お餅がもらえるということばかりでなく、餅まきの様子はかなり圧巻ですので、是非ご覧いただきたい。ちなみに山口県は「日本一餅をまく」という県民性を持っているそうです。

2014-04-21-miura_004.jpg


■スナメリに出会う瀬戸内の渡船

橋で本州とつながる周防大島ですが、本島と呼ばれる周防大島周辺には4つの有人離島があり、定期船を利用したアイランドホッピングを楽しむことが出来ます。その中でもこの時期とくにオススメしたいのが、前島への船旅です。その船上から見ることのできる可愛らしい生き物がいます。周防大島ではデゴンドウとも呼ばれる小型のイルカ「スナメリ」です。瀬戸内海にスナメリが生息することは昔からよく知られていますが、この前島航路でのスナメリ目撃情報多数。100頭を超えるスナメリの群れが目撃され新聞記事にもなったほどです。エサとなるイワシが増える5月から10月がオススメということなので、このGWにトライしてみてはいかがでしょう。私自身も何度か前島航路を利用していますが、スナメリを目撃できたのは去年のGWでした。周防大島町久賀港より1日3便、往復料金は大人560円、小人280円です。

2014-04-21-miura_005.jpg

※前島への定期船は生活航路ですので、前島で暮らす方の乗船が優先されます。予めご了承ください。

http://www.town.suo-oshima.lg.jp/seisakukikaku/maejima.html



■瀬戸内のハワイ周防大島は移民の島から移住の島へ

瀬戸内のハワイとも呼ばれる周防大島は冬でも海に入れるほど暖かいわけではありません。南国ムード満点なわけでもありませんが、そう呼ばれるにはちゃんとした理由があります。1885年から1894年の10年間に明治政府が斡旋した完訳移民約29,000人中の約4,000人を周防大島が輩出しました。都道府県別では山口県が最多、その中でも市町村別では周防大島が最多となっています。そんな縁もあって1963年にはカウアイ島との姉妹縁組を締結、その絆を深めながら昨年50周年を迎えました。夏場は役場などでは職員がアロハシャツを着用するアロハビズを採用していたり、夏休み期間中の毎週土曜の夜には町内の観光施設各所でフラが披露されるサタデーフラ「サタフラ」というイベントも行われています。

2014-04-21-miura_006.JPG


移民の島・周防大島、最近は移住者の島としても注目を集めています。過疎に悩む全国の地方自治体の中では珍しく、転入者数が転出者数を上回る「社会増」という現象がここ周防大島で起きています。2011年、2012年と2年連続の社会増。2013年も引き続きの社会増が予測されています。周防大島への移住を希望する人が増えたこともあり、2012年からは周防大島への移住に興味を持つ人を対象とした移住体験ツアーを実施しています。医療、住居、就農や起業を中心とした職業について、町内に暮らす人々のお話を伺いながらツアーは進みます。町内で活躍するUIターン者との交流会も実施され、移住に関する苦労話や体験談を生で聞ける人気コンテンツとなっています。好評を博し、第5回目となるツアーは6月7日(土)~8日(日)に開催されます。「定住前に一泊二日の島暮らし~島時々半島ツアー」詳しくは、周防大島町定住促進協議会まで。

2014-04-21-miura_007.jpg

※いわゆる観光ツアーではなく、移住希望者が対象となります。予めご了承ください。

http://teiju-suo-oshima.com/news/information/news25.html

今回は、「GWの観光」という目線で島の歴史とイベントをご紹介しましたが、観光地、観光地していないのが周防大島の魅力のひとつです。お大師堂も神社のお祭もスナメリ航路もこの島に暮らす人々の昔からの生活の一部です。宣伝みたいに紹介しておいてなんなんですが、他人の家にお邪魔するような気持ちを心のどこかに置きながら楽しんでいただけるとうれしいです。いつ見ても美しい瀬戸内ブルーの海ですが、GWごろが一番濃いブルー、瀬戸内らしい凪いだ海が見られるかと思います。


(テキスト:三浦宏之)

■三浦宏之

39歳、東京でのラジオ番組制作の仕事を辞めて瀬戸内の周防大島(山口県)に移住。自然農・不耕起という農法で大豆・米・麦を育てはじめました。自分で作った材料で味噌を手作りしたいと思っています。現在は周防大島町地域おこし協力隊として活動、定住促進・人口増が主な課題です。

ブログ:島くらしはじめました。(瀬戸内の周防大島で)

外国人が "クール" と評した日本の観光スポット20