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【ホーチミン紀行その3】ハノイVSホーチミン、美味しいフォーはどこにある?

2014年07月23日 19時28分 JST | 更新 2014年09月21日 18時12分 JST

私がはじめてベトナムで食べたフォーは、ホーチミンの屋台のものでした。当時の私にとってフォーの味は「澄んだスープに米麺、お肉、パクチーが入っている」といったもの。日本で食べるフォーはこういう感じですよね。ところが初めて食べた本場ベトナムのフォーは、私の予想とは全く違う味だったんです。

調べてみたらフォーの世界は実に奥深く、同じフォーでもハノイとホーチミンでは味が全く違うということが分かりました。これはもう、食べ比べずにはいられない!

果たしてジャパニーズスタイルのフォーはどちらに似ているんでしょうか?今週のタビィコムは、ハノイとホーチミンのフォーを食べ比べてみたいと思います。

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●こっちが本場!北部ハノイのフォー

ベトナムの首都といえばご存知ハノイ。ホーチミンと比べると小さな街ですが、ハノイこそがフォー発祥の地なのです。歴史と伝統では圧勝です。

現在はベトナムを代表する国民食ですが、そのルーツはフランス統治時代のハノイで「ポトフ」の調理法をベースに作られたものという説が有力なのだそう。そのため正統派フォーはポトフと同じ牛肉を使った「フォー・ボー」なのです。牛肉からとれる黄金色の出汁を塩で味付けし、薬味はネギのみというシンプルな味わいに、ハノイっ子の気概を感じてしまいます。

●ハノイっ子がオススメする、ローカルで大人気のおすすめフォー・ボー

乗り込んだタクシーのおじさんに、オススメのフォーの店へ連れて行ってくれと行ったら迷いなく「ここ!」と言われたのがこちら、Pho Cuong。「フォー・ガーの店へ連れてって」と言ったのに、有無をいわさずフォー・ボーの店へ連れてこられたのは、正統派へのこだわりでしょうか?

ハノイっ子の間では超有名店で、朝10時半という微妙な時間に行ったのに満席のにぎわいでした。

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味は...一言。「うまい!」

日本で食べていたフォーに近いといえば近いですが、より牛スープの味が濃く、肉の脂が淡白なフォーをしっかりサポートしてる感じです。塩味のみで余計な味がない分、牛の旨味と甘みがはっきりわかります。お肉もやわらかく、ライムを少し絞って味に変化をつけてもまた美味しい。なんともコクの深い味で、これは病みつきになりそうです。

Pho Cuong

23 Hang Muoi Hanoi, Viet Nam

※地元仕様なので、古式ゆかしいベトナムスタイルのお店です。つまり、お客はティッシュを使うと床に捨てる方式。慣れてない人は、床の散らかりっぷりに引くかも?


●世界標準はこっち?南部ホーチミンのフォー

ホーチミンにフォーが入ってきたのは、1954年の「ディエンビエンフーの戦い」でベトナムが南北に分断されてから。北部から南部へ移住した人たちが郷土の味を持ち込んだのが始まりだそうです。味も南部の味へ衣替えし、甘みが立ったスープに様々な香草を好みに応じてトッピングして食べるものになりました。他の東南アジア諸国でも、ホーチミン味のフォーのほうがよく知られているようです。

●ハノイっ子も認める「ホーチミンスタイルだけどイケてるフォー・ボー」

話を聞いたのは、ハノイで生まれ育ち現在ホーチミンに住んで10年目となる男性。「僕がホーチミンへ来た時のフォーは、食べられたもんじゃなかった」と眉を潜めるあたり、そこはかとない対抗心を感じます。そんな彼が薦める「ホーチミンでもオススメできるフォー」の店がこちら「Pho Hung」。ディストリクト1にあるので観光客のアクセスもよいお店です。

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味はというと...なるほど、ハノイとははっきり違います。スープは牛肉の出汁よりも、独特の甘みと八角に似た香辛料の匂いがします。ハノイの直球なフォーより複雑な味です。そして、一番違うのは食べ方。山盛りの香草のなかから好きなものをチョイスし、もやしやライムもお好みで入れて食べるので、さらに味が複雑に。

なるほどこれは、ハノイのフォーとは別物です。でも、これはこれでおいしい!香辛料と香草でなんともさわやかな味わいなのです。私はワケギが気に入って、齧ってはフォー、齧ってはフォーと食べ進めました。

そしてハノイのフォーと違ってどんぶりがデカイ。一杯で大満足でした。

Pho Hung

371A Hai Ba Trung, Quan 1 Ho Chi Minh, Viet Nam

※お店はとても清潔でレストランのようです。ローカルスタイルが苦手な方にもオススメできます。


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こうして2つのフォーを食べ比べた結果、どちらも日本の味とはかなり違うことが分かりました。何より違ったのはパクチー(ベトナム語ではザウムイ)の量。日本のほうがずっと多いんです。ベトナムに来ると、生春巻きでもフォーでもミント系の香草が使われることが多く、拍子抜けするほどパクチーの存在感が薄く感じます。

では、ハノイとホーチミンどちらのフォーが馴染みやすかったか。一口目なら断然ハノイです。しかしホーチミンも、変化をつけながら楽しんで食べられるという意味で捨てがたい。

ハノイとホーチミンどちらに行こう?と悩んでいる方、フォーの味選びもお忘れなく。「コクのハノイ、爽やかさのホーチミン」ですよ!

(写真・文 松下祥子)

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