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クリスマス?お正月??シンガポールの不思議な新年

2015年01月06日 16時15分 JST | 更新 2015年03月06日 19時12分 JST

皆さん明けましておめでとうございます! いよいよ仕事始めですが、お屠蘇気分は抜けたでしょうか?

日本では大晦日からお正月にかけては伝統的なイベントが目白押し。お正月の行事は1月15日の「どんど焼き」まで続き、暮れから3が日開けまでが大型連休となるのが普通です。

しかし、そういう日本人の常識を覆すのがシンガポールのお正月。おそろくべきあっさり具合で、お正月なのかどうかも判然としないぐらいなのです。

お正月一回目のタビィコムは、そんなシンガポールの驚くべきお正月風景と、他のアジア地域のお正月をご紹介します!

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Photo by williamcho

●カウントダウンは盛大に

シンガポールの大晦日は、カウントダウンライブと花火が名物。これは政府要人も出演する国家イベントで、メイン会場となるマリーナ・ベイを中心に、全国各所の野外会場を結んだステージで人気アーティスト達によるライブが行われます。これは21時半から新年1時半までテレビ中継され、今年はK-POPアイドル「BIG BANG」も登場。特に新年0時から8分間続くド迫力の花火が名物で、花火の禁止されているシンガポールで年に数度だけ楽しめる、国民に大人気のアトラクションです。

このライブが日本の紅白歌合戦のような娯楽番組と少し違うのは、政府からのメッセージが入ることです。テレビ中継でも政府の啓発CMがどんどん入り、さながらプロパガンダイベントのようなのです。

●一夜明けた元日は......クリスマスに逆戻り!?

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熱狂のニューイヤーイベントを終えて、一夜明けた元日のシンガポールはというと。1月1日は新年の祝日ではあるのですが、お店は通常営業のところが多く、街の人々の様子もいたって普通。新年を祝う飾りが街を飾ることもなく、家々でパーティーが行われることも、親族や友人がお互いの家を訪ねあうこともなく、特にいつもの休日と違う雰囲気はありません。

1月1日の最も大きなイベントは、11月15日から続いたオーチャード・ロードのクリスマスイルミネーションの最終夜。オーチャード・ロードといえば「シンガポールの銀座」と言われる最も華やかな繁華街で、道全体がライトアップされるだけでなくショッピングモールの正面に競うように巨大なクリスマスツリーが登場するこのイルミネーションイベントは、シンガポールの年末の風物詩となっているのです。その最終日が1月1日の夜。どのお店に入ってもメリークリスマス一色です。キラキラのツリーやトナカイが、クリスマスのワクワク感を盛り上げます。つまりシンガポールのお正月は「クリスマスの名残り」を思い切り楽しむ日なのです。

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そんなオーチャードの有名な和食店の入り口には、日本伝統の門松や3が日限定のお雑煮つき正月定食も登場しますが、食べていても外から聞こえてくるのはクリスマスソング。全然盛り上がりません。

●仕事始めは2日!

実は、シンガポールのお正月休みはたった1日しかないのです。その上日本の仕事始めのように、出社しても新年のお祝いがあって仕事は少しだけ、なんてことはなく、学校も病院も全てが平日に戻ります。年越しのカウントダウン以外は、本当にあっさりとしたものです。

しかし、街が完全に普通に戻っているわけではありません。

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クリスマスイルミネーションの「公式」最終日を終えても、まだまだ街はクリスマスのまま。ショッピングモールでもゆるーくジングルベルが流れながら、なんとなくクリスマスな雰囲気が1月一杯続きます。シンガポールでお正月といえば旧正月なので、新暦でニューイヤーと言われても、国民の気持ちは旧正月までは年末のままなのかもしれません。

●では本家・中国の1月1日は?

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もちろん中国本土でも旧正月こそがお正月。新暦のお正月休みは2日間で、やはりただの休日のように過ぎていきます。写真は上海のものですが、1月になってもずるずるとクリスマスを引きずる感じは同じなのだそう。

実は東南アジアではクリスマス飾りが新年を過ぎても残っていることはそれほど珍しいことではないようなのですが、なかでもシンガポールと同じく華僑の多いベトナムは、新暦のお正月を祝うという習慣そのものが薄いようです。

●アジアの非中華圏はどうだろう?

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Photo by Benson Kua

華僑の多い国では旧正月こそが新年の始まりであることが分かりましたが、では非中華圏であるフィリピンのお正月はどんな風にすごすのでしょうか?

フィリピンはカトリックが大半を占めるキリスト教国。当然クリスマスは一大イベントなのですが、新年も負けてはいません。祝日は大晦日から1月2日までの3日間で、特に年越しの瞬間はシンガポールを超える大量の花火が上がるほか、パーティーを繰り広げていた人々も爆竹などで大きな音を出して、大騒ぎで新年を祝うのだそう。

一夜明けた元日も、甘いものやハーベキューなどのお肉、お金を象徴する丸い果物を正月料理として楽しんだあとは、2日間延々と続く大カラオケ大会を開くのだそうです。華僑の国からは考えられない近所迷惑なほどの盛り上がり!

大らかで陽気なフィリピン人の国民性がよく表れた、楽しいお正月となるようです。

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いかがでしたか? 日本のように、おごそかな伝統行事とニューイヤー駅伝のような恒例のスポーツ番組を楽しむような落ち着いたお正月は、アジアのお正月では少数派なのかもしれません。お正月休みはリゾート地だけでなく、世界のリアルなお正月が体験できる場所へ旅するのもオススメですよ!

(松下祥子)