BLOG

旅に出たら、本を買おう

2014年06月08日 15時40分 JST | 更新 2014年08月07日 18時12分 JST

旅先でどんなお土産を買いますか?トランク半分をお土産用に空けている人、何も買わない人など人それぞれだと思いますが、私はローカルの本屋さんへ行って、本を一冊買うことにしています。ちょっとかさばるし荷物も重くなるけど、たかが一冊分。あとで見ると、写真よりずっと旅のことを思い出せたりするのです。

今週のタビィコムは、本好き記者による「旅の記念本」のススメをお送りします。

風景画

2014-06-17-140617_taviicom_1.jpg

Paul Madonna「All Over Coffee」サンフランシスコ・アメリカ

サンフランシスコには、「ビートニク作家の聖地」として知られる「シティーライツブックス」という本屋があるのですが、この本は「サンフランシスコクロニクル」というローカル新聞に連載された街の景色のイラストエッセイを、シティーライトブックスが出版したものです。つまりこれ以上ないくらいサンフランシスコを詰め込んだ本。今でもこの本を手に取ると、長い急坂の上から見た海の景色や匂いが一気に蘇ってきます。


小説

2014-06-08-2.jpg

Anne Tyler「A Patchwork Planet」ボルチモア・アメリカ

最も好きな作家の1人にアン・タイラーというアメリカ人作家がいるのですが、この方は東部のボルチモアという町に住んでいて、作品の舞台もやっぱりボルチモア。なので、アメリカ東部を旅したときに、寄りたいポイントに当然入れました。そして、なかでも一番好きな作品の古本を記念に買いました。ポイントは、ちゃんと日本語訳版を持っている本だということ。原書が読めなくても大丈夫なのです。


絵本

2014-06-08-3.jpg

「O Smoku Wawelskim」クラクフ・ポーランド

馴染みのない土地に行ったときには、その土地の伝説や歴史に関する薄い絵本を買います。これはポーランドのクラクフに伝わる有名なドラゴン伝説の絵本。当然文字は分かりませんが、ざっくりとした話はすぐに調べられるし、絵本なので内容も単純で子供向けにもよかったです。何よりこの独特の絵が東欧という感じで刺さりました。


持ってるマンガの現地語版

2014-06-08-4.jpg

「ドラえもん第一巻」ホーチミンシティー・ベトナム

旅先の書店では、必ず日本のマンガがあるかどうか探します。特にドラえもんはマストチェック。日本を代表するマンガ作品ですからね!ベトナムではドラえもんは大人気。コミック全巻プラス映画版もすべて、長い棚を埋め尽くしているのを見ると、なんとも誇らしい気分でした。これも日本語版を持っているので、字が読めなくても平気。


知ってるマンガの現地語版

2014-06-08-5.jpg

「トムとジェリー」北京・中国

北京で毛沢東の本を買うつもりが、何故か買ってしまったのがこれ。やたらチャイナっぽいトムとジェリーがすごく斬新だったんです。中身がこれがまたチープ。ざっくりしすぎてます。北京の本屋というのは独特の共産主義臭があるのですが、身の引き締まるような景色と外の凍てつく空気を、このなんちゃってトムジェリを見ると一気に思い出すのです。


挿絵が面白い本

2014-06-08-6.jpg

「Nguoi Linh Dien Bien」ハノイ・ベトナム

その土地の出版社の本というのも見つけると買うようにしています。この本もハノイで出版されたもの。第一次インドシナ戦争でベトナム軍がフランスを下した有名な「ディエンビエンフーの戦い」についての本で、参戦したある一人の兵士によって書かれた話と現地の人に聞きました。読めませんが、版画のような荒々しい挿絵を見ているだけで、独立戦争を闘いぬいた社会主義国家という感じを思い出してワクワクするのです。


写真集

2014-06-17-140617_taviicom_7.jpg

Stephen Black「Bus Stopping」シンガポール

シンガポールのカルチャー発信地として知られている「ブックスアクチュアリー」という本屋が出版した写真集なのですが、ひたすらバスの車窓からの景色ばかりを収めてあるんです。実際シンガポールの素顔はバスの中から見えるものだと思います。開発で景色はどんどん変わってますが、国の空気感はきっと変わらないはず。開くだけで胸が熱くなる本です。


ガイドブック

2014-06-08-8.jpg

「City Dog San Francisco」サンフランシスコ・アメリカ

手持ちのあらゆるガイドブックのなかで最も重要な、思い出深いものがこれ。はじめてサンフランシスコに一人で放り出された時、英語もろくに話せずできることもなく、目についた本屋に入ってこの本を買ってバスに乗ってドッグパークを渡り歩いてひたすら犬を見ていました。犬好きだったので。

この本を手に取るだけで、あの時の途方に暮れた感じとこの上ない不安感、時差ボケの疲労などなど、青春の1ページが蘇ってくるのです。


文化に関する本

2014-06-08-9.jpg

Ishak Bin Ahamad「My Kampong Sketches」シンガポール

これも上述の「ブックスアクチュアリー」出版による、シンガポールの古き懐かしき暮らしを綴ったイラストエッセイです。昔「カンポン」と呼ばれる村に住むのが当たり前だった頃のシンガポーリアンの暮らしが活き活きと綴られています。近い将来完全に忘れ去られてしまう歴史かもしれないので、そういう意味でも是非持っておきたい一冊なのです。


本に紐づいて覚えている記憶というのは、思った以上に多いものです。その土地の本屋の雰囲気、品揃え、街の雰囲気、旅でみた景色、感じていた気持ち。旅に出たら本屋へ行って、アルバム代わりになる一冊を是非探してみてください。


(写真・文 松下祥子)


GOTRIP!

GOTRIP!は、「思わず明日、旅に行きたくなってしまう!」そんな様々な旅行に関するネタをお届けするメディアです。