南場智子会長らDeNA首脳陣、医療情報サイトWELQに端を発する「キュレーション問題」で謝罪会見

「取締役会長そして創業者として、責任のある立場にあり、直接おわびを申し上げたく参りました」(南場智子・DeNA取締役会長)

左からDeNA執行役員経営企画本部長の小林賢治氏、代表取締役CEOの守安功氏、創業者で取締役会長の南場智子氏

ディー・エヌ・エー(DeNA)が手がけるキュレーションプラットフォーム「DeNA Palette」。中でも医療・ヘルスケア領域を対象にした「WELQ」の記事の信頼性に端を発した大騒動についてはTechCrunch Japanでもこれまで複数の記事でお伝えしてきた。

これを受けるかたちでDeNAは12月7日、東京・渋谷にてDeNA Paletteの全記事非公開化および第三者調査委員会の設置に関する記者会見を開催した。会見にはDeNA代表取締役CEOの守安功氏のほかDeNAの創業者であり取締役会長の南場智子氏、DeNA執行役員経営企画本部長の小林賢治氏の3人が出席(南場氏については、本日になって追加で出席する旨の案内があった)。これまでの経緯を説明したのち、来場したメディアとの質疑応答を行った。

会見の冒頭、守安氏は改めて一連の問題に対して、自社サービスのユーザー、インターネットユーザー、取引先や株主、投資家などの関係者にして、「多大なるご心配とご迷惑をおかけしたことを、心より深くおわび申し上げます。また、直接私からご説明する機会が遅くなってしまったことを、重ねてお詫び申し上げます」として謝罪した。

これまで本件について伝えてきた記事は以下の通り。

改めて今回の経緯を説明すると、DeNAは2014年9月にiemoおよびペロリを買収。加えて2015年4月にはFind Travelを買収。DeNA Paletteとして合計10のキュレーションメディアを立ち上げた(WELQに関しては2015年10月のローンチ)。

だがその後はリンクした記事にあるとおりで、WELQを中心にして医学の知識に乏しい・誤った内容や薬機法に抵触する、もしくはその可能性が高い内容の記事が掲載されているにも関わらず、専門家の監修がなかったことが発覚した。

さらにはDeNA側が既存コンテンツのリライトを指示するようなマニュアルを用意し、クラウドソーシングなどを用いて記事を発注しているといったことなどが報じられた。会見で小林氏は記事作成のプロセス(記事作成は社内のプロデューサーが指示し、実際は社外のディレクターが外部パートナーやライターに発注していた)を説明した上で、その品質等について最終的な責任を負う機能が明確に存在してなかったと説明。さらに前述のマニュアルの存在についても明らかにした。

「DeNA Palette」の記事作成プロセス

そこで11月29日にWELQの全記事を非公開化。12月1日にはそれに加えてMERYを除く8媒体の全記事を非公開化。MERYに関しても、12月7日をもって全記事を非公開化している。

今回の騒動を受けてDeNAでは、WELQを読んだ結果の健康被害や記事の出典などの相談を受け付ける窓口を開設。コーポレートサイトのトップページに掲載するとした。また既報の通り第三者調査委員会を設置。これと並行して社内でプロジェクトチームを発足し体制の健全化に努めるとした。

続いて南場氏が「批判が組織や企業風土のあり方にまで及んだ。取締役会長そして創業者として、責任のある立場にあり、直接おわびを申し上げたく参りました」と謝罪した。これに続き守安氏が冒頭と同じくユーザーや取引先、株主などに対する謝罪の言葉を述べた。このあと2時間以上の質疑応答が続いたが、その様子はのちほど紹介する。

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