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言論の自由を守り、多様性を尊重する議会を。新会派結成の理由と、議会基本条例の提案。

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選挙が終わり、議会での論戦が本格的にスタートしようとしています。

このたび、私たちは、民主、社民、維新、それに他の無所属の区議たちと足並みを揃え、港区議会の最大会派である「自民党議員団」(13名)に次ぐ第二会派「みなと政策会議」(10名)を結成いたしました。若手議員を中心に、超党派で結成した会派で、私は政調会長という職責を担うこととなりました。(会派とは、議会内で同じような思想を持つ議員の集団で、議員による届け出により結成されます。政党とは異なるので、私が無所属であることは変わりません。)

私たちは、政党の枠にとらわれない自由な発想で港区の様々な課題を解消するべく、地域に関する政策を共に実現していこうと考えています。「各自の思想・信条・言論の自由を最大限尊重し、多様性を重んじる」という綱領と政策協定を作成し、同じ会派を組むに至りました。その目的の一つが、「自由な政治活動が保障された、開かれた議会を実現する」ことです。


言論の自由に対する危機を感じた瞬間。

2013年12月に行われた臨時会で、当時の議長は「最近、インターネットや出版物において、自分の議会活動の成果を過度に主張することが見受けられますが、このようなことは厳に慎まなければなりません」という発言をされました。

ここにある「出版物」とは、私が2013年10月に書いた著書「『社会を変える』のはじめかた」(産学社)を指しています。私が著書の中で、若者がもっと政治に関わるべき理由、政治をつかってまちをもっと良くする方法、また、まちに住む人・学ぶ人・勤める人みんなでつくったアイディアや政策がどのように実現されたかなどについて記述したところ、「すべて自身の提案によって実現したと読者に誤解される」「会派のあり方に疑問を呈するのはおかしい」などというご指摘を受けました。

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そのご指摘に対し、私自身、他の議員の方々などに不快な思いをさせてしまったのであれば大変申し訳ないと考えました。また、事態を収拾しなければ、貴重な議会運営に支障をきたすとも考え、幹事長会でお詫びをしたことは、ブログの別の記事で書いた通りです。

しかし、その後も折に触れ、更には2015年4月に行われた港区議会議員選挙の直前においても本の回収や謝罪文の加筆修正などを求める自民党の幹事長に対し、私はそこまでの要求は「言論の自由に対する侵害にあたる」と感じました。そこで、弁護士を通じて「要求を撤回しない場合は言論の自由に対する侵害や名誉毀損、選挙妨害などで刑事、民事上の法的手続きを行う」旨の内容証明を送りました。(本件は、本来的には議会内で取り上げられるような問題ではない、またそうしてはならないと考え、弁護士に相談し対応しました。結果的には、自民党の幹事長からの要求は収まりました。)

さらに、私個人に対するものだけではなく、2014年7月には、当時の議長が全議員に対して「新聞、雑誌、テレビなどの取材があった際には慎重に対応し、議長への内容報告を求める」という趣旨の通達を出すなど、これ以外にも情報発信に対して要求を出してくることに対して各議員が萎縮してしまい、区議会内の少数会派にとって大変活動し辛い状況になっていきました。

そうした中、2015年4月に行われた港区議会議員選挙を経て、もともと同じ気持ちを抱いており、また、まちづくりに関する各種の政策の方向性も近かった若手を中心に新しい会派を結成するに至りました。言論の弾圧とも捉えられるこうした動きに立ち向かっていこうと考えました。

※尚、私たちのこうした動きについては、既に毎日新聞、産経新聞、ハフィントンポスト、アゴラなどで詳しく紹介されており、その他にも朝日新聞、東京新聞などからも取材を受けております。各紙も概ね私たちの主張に賛同して下さっていると感じます。

以下は、本日付けのハフィントンポストの記事へのリンクです。
http://www.huffingtonpost.jp/2015/05/17/minatokugikai_n_7301136.html


そして、議会基本条例の提案へ。

現在、似たような問題は世田谷区議会や文京区議会などでも起きており、上記のハフィントンポストは「今、社会の多様化が盛んに指摘されている。本来であれば、多様な区民の意思を忖度し、地域のために政策を進めるのが地方議員の務めであるにも関わらず、逆行しているかのようにも見える議会もある。」と指摘していますが、私たちはこのような動きに対して、今後もしっかりと向き合っていかなければと感じます。

議員の自由な発言を抑えることは、投票してくださった有権者の声を抑えることだと思います。私たちはできるだけオープンな場で発言し、まちに住む、また、まちで働く多くの人々のために活動していかなければなりません。発言の機会が失われるようなことは、断じてあってはならないと思います。

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そして、これに対するアイディアの一つとして、「議会基本条例」の制定を提案したいと思います。

現在、議会運営に関して明確なルールがないことから、議長や議長の所属する会派などが横暴な振る舞いをした時、少数派はそれに従わざるを得ない場面がどうしても出てきます。「多数派」に属さない少数意見がないがしろにされる可能性がある場合、議会内の民主主義を担保するための明確なルールが必要になると思います。また、地方分権の流れの中で、首長らが条例案を説明し、議員は質問するだけという地方議会のあり方を見直し、活発な論議を促す必要も一層高まっています。

北海道栗山町が2006年5月、全国に先駆けて制定したこの「議会基本条例」ですが、現在では様々な自治体に広がっています。「開かれた議会」を確立し、住民参加型のまちづくり・参加型民主主義をつくっていくためにもとても有効なものだと思っています。

従来型の組織やシステムに埋もれてしまいがちな「声なき声」は、「自分たちのまちは自分たちの力でよくしよう」とする多くの人たちの政治への参加によって、少しずつ日の目を見るようになってきました。LGBTの方たちの声を受けて「パートナーシップ証明書」の発行を提案した渋谷区議・ハセベケンさんが先日の区長選挙で当選を果たしたことも、それを示しています。多様な声は、多様な議員の存在や、多様な意見を取り入れる制度によって担保され、まちの様々な仕組みに反映されると信じています。

議員の自由な発言を抑えようとする動きにはしっかりと向き合いつつ、政治に関するあらゆる情報をオープンにして、区民の方々に正しい情報をきちんと伝えていくこと。また、政治家が様々な声に耳を傾けられる環境を整えること。そうすることで、まちの人がみんなで自分の「得意」を活かし、アイディアでまちの課題を解消していこうとする空気を少しでもここ港区に、そして全国に生み出していければと考えています。

議会を、人の揚げ足取りではなく、様々な会派とも協力し合い、建設的でポジティブな議論を生む場所にしていかなければ。

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