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東京オリンピック・パラリンピックまであと5年。東京をどんなまちにするのか?

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7月24日。5年後のこの日に、東京オリンピック・パラリンピックの開会式が行われます。新国立競技場の問題など、見えている課題は山ほどありますが、そうした課題を改めて考えるためにも、今一度、私たちはこの東京をこれからどんな街にしていきたいのかという「ビジョン」に関する議論をするべきだと思います。

東京は、「都市の感性」世界一

3月に一般社団法人森記念財団都市戦略研究所が行った調査によると、都市空間に備わる人間の感性に訴える力、すなわち「アーバン・インタンジブル・バリュー"Urban Intangible Values (UIV)":都市の感性価値」の指標において、東京は主要21都市中1位になったということです。21都市に在住・在勤している人で自国以外の3か国以上に訪問経験がある人を対象に、「効率(都市機能・情報の蓄積、アクセシビリティ)」「正確・迅速」「安全・安心」「多様(生活、空間)」「ホスピタリティ(サービス、おもてなし)」「新陳代謝(成長、新規性)」の6項目についてアンケートを取ったそうです。
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東京は「ホスピタリティ」などの項目で上位になった一方、「居住者の多様性」や「創造的活動の形成」などで測られる「多様」や「新陳代謝」の項目では、他の都市に劣る結果となりました。

多様性が国際都市の魅力を形成する重要な要素として認識されている世界では、障害者やLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)、外国人などの方々の住みやすさを向上することを目指すのは当然であり、近年ではそれに加え、彼らが活躍しやすい社会づくりに向けて様々な法律が次々と生まれている状況です。

先日、渋谷区で「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」が制定されました。同区では、同性カップルを「結婚に相当する関係」と認める「パートナーシップ証明書」を発行するということです。また今後は、多様な人々が混ざり合い、にぎわいのあるまちづくりを目指す「ピープルデザイン」の考え方も積極的に取り入れていくようです。

私は、常々、政治は普通の人が当たり前のように「できる」ことが「できない」、また、それを言いづらい環境にある人たちの生きやすさをつくるためにあるのだと思っています。そしてそれが、これからの都市の感性価値(快適さや安らぎ、そして興奮などを生み出す源)を高めることにもつながるのです。まずは東京の中心・港区が世界の水準に追いつくこと、そしてさらに率先してマイノリティへの支援と彼らの力の活用を行うよう働きかける必要があります。

多様な人が活躍できる環境づくりを

ところで、新聞などの調査によると、東京オリンピック・パラリンピックについて4人に1人が「ボランティアに参加したい」と答えているそうです。

ボランティアについては、一般に官と民の協働が未だ発展途上の領域であり、介護サービスや障害者福祉サービス、日常生活の軽微なサポートなど、公的制度で補えない潜在的なニーズが多く存在しています。少子高齢化の時代にあって、社会が抱える課題は複雑化してきており、地域のつながりも希薄化する中で、ボランティア活動のニーズはますます増加しています。
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そこで、東京・港区としてもこれを機に広範囲な「市民ボランティア」を募集し、活動の担い手を育成するべきだと思います。地域に潜在するボランティア活動の担い手を発掘し、彼らに登録していただいた上で、制度の隙間の支援を必要とする障害者等のサポートができる人材を各地域に育成します。多様な人が、もっと外に出て活躍できる環境を、みんなでつくっていくのです。

講演会・シンポジウムの運営やシーンボイスガイドのような、障害者自身ができるボランティア活動もたくさんあります。体制を整え、充実させることで、これまで積極的に参加してこなかった方の参加も可能になります。

2020年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピックに向けて、今、生活者のボランティア活動に向けた機運は非常に高まってきていると感じます。これを機に、またその先の未来を見据えて、障害者、LGBT、外国人に配慮したまちづくりを多様な企業やNPOなどが一体となって行うこと。さらにボランティア文化を充実させることによって、彼らのニーズをすくいつつ、彼らの活躍の場をつくることが大切です。

これまで生きづらさを感じていた人たちが生きやすくなる社会は、きっとみんなにとって、もっと生きやすい社会になります。彼らの視点を活かしてまちをもう一度見直せば、東京はもっとクリエイティブで魅力的な街になると信じています。

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