自分の根本の感情を押し殺して違う感情にすり替えてしまうと、自分の感情を表現することができなくなり、脳が正常な理性を働かせることができなくなってしまうんです。

マイナスの感情は転換されていく

感情の代表的なものとして、喜怒哀楽があります。

これに恐れが入って5つの感情が代表といえるでしょう。

この5つの中で喜びと楽しさはプラスの感情となり、

怒り、恐れ、悲しさがマイナスの感情になりますね。

感情のままに生きていくことは、

周囲の人たちとの関りの妨げになってしまうため、

感情を抑えられるように理性を学んで人間は成長していきます。

プラスの感情である喜びと楽しさですが、

これは理性を学んでも変わることはありません。

周囲の状況を理性で判断して抑えていても、

嬉しかったり楽しかったりとう感情は転換されることはなく、

抑えようとしてもニヤニヤしてしまったり、

ウキウキしてしまったり、

なかなか抑えられないですよね。

転換されるとして、表現するのが恥ずかしいという

羞恥心がありますが、プラスの感情を抑える羞恥心は、

周囲に対する気配りでもありますので、

精神疲労を起こすことは無いでしょう。

ストレスの原因になる3つの感情

マイナスの感情の代表は、悲しみ、恐れ、怒りの3つです。

親や学校の先生の指導により、この感情を抑えようとして、

違う感情が生まれてくるんですが、

根本のマイナス感情が消える訳ではないので

心に重たさが残ってしまい精神疲労の原因になっていきます。

例えば、悲しくて泣いていると、

「いつまでも泣いているんじゃない。」と怒られてしまう。

泣くことを辞めなきゃと我慢してグッとこらえると、

胸の奥が重たくなって苦しくなるような嫌な感じが起こってきますよね。

この嫌な感じを自分なりに理屈を作って収めていくのが感情の転換なんです。

悲しんでいる自分が弱いとか悪いとか考えることで罪悪感が生まれます。

悲しんでいた自分を恥じることで羞恥心が生まれます。

マイナス感情を羞恥心で抑えてしまうと、

嬉しくても喜べなかったり、

楽しくても笑えなくなってしまったり、

表情を表すこと自体が困難になってしまったり、

転換される感情の中で一番厄介なものになっていきます。

悲しい結果になってしまったことを考えると後悔が生まれます。

悲しんでいるのに誰も助けてくれないと、寂しさが生まれます。

悲し過ぎて気力が無くなってしまうと憂鬱が生まれます。

恐れに対して転換されていく感情もあります。

また怖い思いをするんじゃないかと不安が生まれます。

怖いことが起きたときの対応が思い浮かばないと混乱が生まれます。

怖い思いをしないように威張ったりする虚勢が生まれます。

怒りに対して転換されていく感情もあります。

我慢することでイライラが生まれます。

怒っている状況を直していこうと焦りが生まれます。

怒っている状況が変えられないと諦めが生まれます。

感情の転換により根本の感情を見失ってしまう

悲しみ、恐れ、怒りの3つの感情を抑えていく中で

違う感情に転換されていくうちに、

自分の根本の感情を押し殺して違う感情にすり替えてしまい、

悲しいのに泣けなくなってしまったり、

何もかも怖いと思ってしまったり、

怒りたいのに怒れなくなってしまったり、

自分の感情を表現することができなくなってしまい、

脳が正常な理性を働かせることができなくなってしまうんです。

転換される前の感情と向かい合っていけば、

根本の問題を解決しやすくなります。

罪悪感、羞恥心、後悔、寂しさ、憂鬱を感じているときには、

原因となる悲しみがあるはずですね。

不安、心配、混乱、虚勢を感じているなら、

原因となる怖いと思うことがあるはずです。

イライラ、焦り、諦めを感じているなら、

原因となる怒りがあるはずです。

ストレスの原因となるもとは、

悲しみ、恐怖、怒りということになります。

転換した感情に対して、対処を考えて実行しても、

解決しないような感覚になってしまう場合は、

根本の感情と向き合えていないのかもしれません。

転換される前の根本の感情を探して、

その感情を認めてあげるようにすると、

穏やかに対処できる方法を見つけやすくなるはずです。

(2016年03月28日「ボトルボイス」より転載)