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イタリアのストリートフード、ピアディーナとクレーシャって?

2015年10月18日 17時19分 JST | 更新 2016年10月12日 18時12分 JST

イタリア在住15年のTRiPORTライターEdicolanteです。

イタリア料理といえば、パスタとピッツァを思い浮かべる方が多いと思います。しかしイタリアには、他にもおいしいものがたくさん。そして、それを味わうためにはレストランのテーブルに座る必要はありません。道を歩いているだけでも、おいしいストリートフードに出会えるのです。

今回は、イタリアでしか楽しめないストリートフードである「ピアディーナ」と「クレーシャ」を紹介します。

ピアディーナとクレーシャの違い


エミリア=ロマーニャ州、特にアドリア海に面しているロマーニャ地方には、「ピアディーナ(Piadina)」という平たいパンに、ハムやチーズなどを挟んで食べる軽食があります。 現在ではイタリア全土で食べられるメジャーなパニーノですが、もともとは貧乏料理として知られていました。

生地は小麦粉、水、塩、ラードやオリーブオイルを混ぜた物で、それを棒で伸ばしていきます。ペッチャンコの丸いレコード盤のような形にしたら、膨らまし粉は入れず、鉄板などの上で焼けば完成。パリパリした食感が楽しめます。

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Photo credit: Edicolante「ローマのイータリー2件を巡って美味しいもの探し

一方、マルケ州には「クレーシャ・スフォリアータ(Crescia sfogliata)」というものがあり、ピアディーナとそっくりなのですが、クレーシャには卵が入っているため、全体的に黄色く、もう少し膨らみます。 「クレーシャ・アルタ(Crescia alta) 」というもっと膨らんだものもあります。

こちらもサルシッチャ(ソーセージ)とチコリなどの草と、生ハム、チーズなどを挟みます。 チコリなどの草と書きましたが、マルケに住む私の知人たちは、家の近所に生えてる雑草を採ってきて調理しています。

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Photo credit: Edicolante「マルケ州の美食 サッソフェッラートと、夜のライトアップされた中世の街 ファブリアーノ

どっちのほうが元祖なの?


この様な丸い平たいパンは、古代ローマ時代から食べられていますが、ピアディーナと呼ばれ、文献として残っているのは1371年から。 モンテフェルトロ地方と呼ばれる、イタリアルネッサンス期のウルビーノ公国、モンテフェルトロ家が統治していた地域の郷土料理で、彼らも食していました。

クレーシャは古代ローマのフラミニア街道に沿ってよく食べられるので、時代背景も影響しているのだと思われます。 マーケティングが上手だったピアディーナのほうが有名ですが、どちらがおいしくて、元祖なのかという疑問については、それぞれの故郷同士でバトルが続くでしょう。

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Photo credit: Edicolante「ウルビーノ 世界遺産の街と、ラッファエッロと、マルケ州料理、凧揚げ

ウルビーノでのクレーシャの伝説


また、クレーシャの誕生について古くから伝わっている伝説もあります。例えば、マルケ州にあるウルビーノでは次のような話が今日でも語られています。

太陽はウルビーノの街に魅了され降りてきた。近づきすぎてドゥカーレ宮殿の2つの塔の間に挟まってしまい、太陽が逃げる途中に、それを見かけたフォルナリーナという名前の若いパン屋さんの娘が、その時の太陽の形が気に入ったので、このパンを作った。

かわいい伝説ですね!

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Photo credit: Edicolante「ウルビーノ 世界遺産の街と、ラッファエッロと、マルケ州料理、凧揚げ

各地での違い


ピアディーナとクレーシャが有名な場所は、なんと車で1時間程しか離れていません! 興味を持った筆者は、地方によってどのようにレシピの違いがあるのかを調べてみました。

まず、ピアディーナはリミニ周辺で、ルーコラとスクアックエローネ(Squacquerone)という地元の特産クリームチーズを挟んだものが一番伝統的なんだそう。

クレーシャはアンコーナの小さな各村で夏から秋にかけて収穫祭が開催されます。 ペーザロやファーノでは、キャベツが入っていたり、薄い生地をたくさん重ねたミルフィーユ風。イエジではトウモロコシの粉で作られたりします。

アンコーナからアドリア海岸沿いを南に行けば行くほど、生地が分厚くなり、 マチェラータまで行くと、オリーブオイルを使い、玉ねぎやローズマリーをのせて焼きます。デンプン質の粉を混ぜたりするのも特徴です。

アスコリ・ピチェーノまで南下すると、もうパンと変わらず大きく膨らみ、イワシやケッパー、唐辛子、オリーブなどが混ぜられ、全く違うものになっています! ウンブリア州でもクレーシャが食べられていますが、生地にチーズが混ぜられており、ケーキに分類されているので、お菓子感覚になっています。

イタリア中部のアドリア海沿岸・古代フラミニア街道の旅をされる人は、ぜひ地方ごとのピアディーナとクレーシャを食べ比べてみてください。

ライター:Edicolante

Photo by: Edicolante「ウルビーノ 世界遺産の街と、ラッファエッロと、マルケ州料理、凧揚げ

イタリアの旅行記はこちら

*Edicolante「ローマのイータリー2件を巡って美味しいもの探し

*Edicolante「ウルビーノ 世界遺産の街と、ラッファエッロと、マルケ州料理、凧揚げ

*Edicolante「マルケ州の美食 サッソフェッラートと、夜のライトアップされた中世の街 ファブリアーノ

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▲編集元:TRiPORT