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モンキーと言われ続けた半年間  人種差別発言を受けて学んだこと

2015年12月16日 23時26分 JST | 更新 2016年12月03日 19時12分 JST

こんにちは。世界2周旅を終えたTRiPORTライターのTaniです。

「旅で人種差別をなくせるのか?」

この質問に対する私の答えはYES。根拠は自分自身の人種差別経験にあります。

旅中、私はオーストラリアでワーキングホリデーをしていました。就労場所は新婚旅行先で有名なグレートバリアリーフにあるハミルトン島。ハリウッドの有名俳優がプライベートジェットで訪問するような、島中にホスピタリティ溢れる場所ですが、職場はその雰囲気とは真逆。ハミルトン島では多くの外国人労働者が働いており、ニュージーランド、カナダ、イギリスといった英語ネイティブ圏の人たちや、日本、台湾、韓国といったアジアの国の人たちなど様々です。

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筆者撮影

イエロー、モンキーと言われ続けた半年間

キッチン補助(皿洗い等)として働いていた私は、毎日レストランのスタッフと交流がありました。そして職場に慣れかけてきた入社2週間頃から、気になる出来事が起こり始めます。

特定のホールスタッフが使用済みの皿を洗浄スペースに持ってくる際、私に一言投げかけるのです。「イエロー、皿持ってきたわよ」と。また、営業時間終了後、寡黙にフロアを掃除する私に対して「モンキーはよく働くわね」と嘲笑いながら必ず声をかけてきました。このように毎日50回以上、イエロー、モンキーといった単語を浴びせられる状態。私が想像していた明るく楽しいワーキングホリデーのイメージとは全く異なっていたのです。

私は何度かこのような発言に抗議をしました。「なぜそういう発言をするのか?」と。相手は「お前はアジア人。からかいたい。バカにしたい」という理由だけで、上記発言を繰り返していたのです。 私は高ぶる感情を抑え、差別発言に抵抗しても何も意味がないと悟りましたが、寮のベッドの上で何度も思い悩みました。「自分も言葉には出していないが、今までどこかで人種差別的な発言をしていないだろうか?」「人を国籍、肌の色、体型などで判断していないだろうか?」

そして思い悩んだ末、一つの結論に至ります。

それは「自分の考え方を変えるしかない」ということです。 好きや嫌いと差別は違う。どうしても相性が合わない人は世の中にたくさんいます。それは仕方ないのです。性格や価値観が違うのだから。

しかし、肩書きや体質、体型で人を判断するのは断固やめるべきだと思います。そう答えが出たのは働き出して2ヶ月経った頃。当初はイエローと言われ続けることに極度のストレスを感じていましたが、徐々に気にならなくなりました。そういえば自分も10・20代の頃は、差別的な行動をしていたのではないかと思うと、気にならなくなってきたのです。

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Photo credit: Alex Mirschel「Roadtrip Eastern Coast Australia

旅で体験した人種差別

昨今イスラム過激派によるテロ行為が世界中で続いています。「ムスリム=危険」という考えをもってしまう人が多くなるのが非常に悲しいです。「中東」と聞くだけで、物騒・危険と発言する日本人にはたくさん会いました。それは日本社会で生活しているうちに受動的に刷り込まれてしまった偏見。旅をして初めて、現実は異なっていると気づくのです。

また、隣国を歴史的背景を理由に毛嫌う人も多いのではと思います。私の前職場でも、国籍が違うと言うだけで人種差別的な会話が社内で飛び交っていました。

私は幸か不幸か、オーストラリアでのワーキングホリデーで、自らが人種差別(そこまで酷いものではないですが)に遭い、痛みを感じることができました。それ以降、差別的な発想は、ほぼ消えかかっていると思います。まさに旅をしなかったら学べなかったことの代表例でしょう。

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筆者撮影

海外旅行先で、外国人である我々が全ての現地の方に受け入れられることなんてありません。ときには差別的言動に遭うかもしれません。ちなみに私は黄色人種というだけで、とある国でバスに乗車拒否されたことがあります。

しかしそのときは逆にチャンス。人種差別という苦しさを学べますから。言葉にできない強烈な孤独感を味わいます。その孤独感を他の人に味わせたいと思いますか? 私は断固思いません。

旅することで人種差別と言うものがいかに価値のないものかを体験した、私のエピソードです。草の根レベルではありますが、人種差別的発想が無駄である事が伝播してくれましたら幸いです。少しずつ、少しずつ。

文・写真:大谷浩則

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