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旅とは移動し続けること − ネパールのバスで起こった出来事

2016年01月07日 00時47分 JST | 更新 2017年01月05日 19時12分 JST

こんにちは、TRiPORTライターの天野です。

旅に移動はつきもの。長時間狭い座席に拘束され、国によっては悪路の連続になることもあります。場合によっては辛い苦行のような忍耐を要求されることもしばしば...。

しかし僕は旅の中での移動が好きなのです。今回はインドのバナラシからネパールに向かったときのある変化に気付いた出来事を話します。

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Photo credit: Masashi Amano「インド、バナラシからネパールへ。ローカルバス乗り継ぎの国境越え

ローカルバスを乗り継いで国境へ


僕がインドからネパールへ移動する手段として選んだのはツーリスト用の直通ワゴン。しかし運行の当日朝になって乗客が少ないことを理由に、休便になってしまいました。返金の後、僕は居合わせた日本人の男性とローカルバスを乗り継いで、国境を目指すことにしました。

ターミナルで人に聞きつつバスに乗り、まずバナラシと国境の中継地点のゴーラクプルという街に向かいました。そしてそこで国境の街スノウリ行きのバスに乗り換えます。ちゃんと乗り継ぎができるか、今夜の宿は大丈夫なのかと不安を抱きながらの移動でした。

バナラシ〜ネパール国境のルートは、道が舗装されておらずデコボコ状態。僕が経験した中でも5本の指に入るほど激しく揺れながらの移動でした。ローカルバスなので、しょっちゅう止まって人の乗り降りがあり、車内は常に満員状態。通路に置くしかない僕達の荷物の上に座る人すら出てきました。

停車時に乗ってきて声を張り上げる物売りたちは、炒り豆、焼きとうもろこし、浅漬きゅうりなどを籠に入れて売るのですが、ろくに包装もしないため、何か液体のようなものが僕の膝にかかり、気分は最悪。さらに冷房もないインドのバスは常に窓を全開にしているので、走るバスに巻き上げられた土埃を全身に浴び続ける始末...。暑さと悪路と埃、騒々しい物売りの声にやられ、ぐったりと疲れ果ててしまいました。

出発から約10時間後の夜8時、ようやく国境付近のホテルにチェックイン。そのときの僕達は全身埃まみれの雑巾のようでした。

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Photo credit: Masashi Amano「インド、バナラシからネパールへ。ローカルバス乗り継ぎの国境越え

ネパールのバスで起こった出来事


翌朝国境を越え、ネパールに入国。第二の都市ポカラに行き、そこで数泊した後、首都カトマンドゥに向かうバスに乗りました。このとき、僕はあることに気が付いたのです。

ネパールのバスも冷房がないため、普段は窓を開けているのですが、バスによる土埃が巻き上がった瞬間、開いた窓の近くに座っている人全員が、決まりごとのように窓を閉めたのです。土埃が車内に入らないようにという配慮でしょう。そして通り過ぎたら、また窓を開けるのです。

「通りで車内がキレイなはずだ」と、僕は妙に感心してしまいました。インドでは埃が入ろうが常に窓は全開で、到着の頃にはたいてい埃まみれになっていたので、それが当たり前になっていたのです。インドを2ヶ月かけて一周し、たくさんバスに乗ってきた僕にとっては新鮮な出来事でした。

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Photo credit: Masashi Amano「インド、バナラシからネパールへ。ローカルバス乗り継ぎの国境越え

旅とは移動し続けること


インドで毎日「埃のシャワー」を浴びていた僕は、この出来事がネパール人の本質的な何かを示しているように、身に沁みて感じました。このように誰かに指示されたわけでもないのに統一した振る舞いができるのは、社会全体にこうしたマナーが行き渡っているからではないだろうか、と思ったのです。

「車外の埃が入ってくるから窓を閉める」

僕が目にしたのはたったこれだけです。それがこんなに印象に残ったのは、インドを旅した2ヶ月があったからでしょう。ネパールだけを旅していたら、こんな些細なことを気にも留めなかったに違いありません。

長い旅をすることは、一言で言うと移動し続けることだと思います。その中で僕の目に飛び込んできた景色や出来事は、地理的、文化的、人種的なつながりを持ちながらも少しずつ変化がありました。その変化を感じ、世界はこんな風に繋がり、人間も文化も互いに影響し合いながら成立しているんだと身をもって実感できたのです。

変化に気付く瞬間は、いつも僕に新鮮な驚きを与えてくれます。だから僕は辛いはずの移動が好きだったんだろうと思うのです。

ライター:Masashi Amano

Photo by: Masashi Amano「インド、バナラシからネパールへ。ローカルバス乗り継ぎの国境越え

関連旅行記はこちら

*Masashi Amano「インド、バナラシからネパールへ。ローカルバス乗り継ぎの国境越え

*Takuma Shibagaki「ネパール、ポカラからヴァラナシに抜けて

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▲編集元:TRiPORT