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「何カ国に行ったことがありますか?」なんて、無意味だと思っていた

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TRiPORTライターのへむりです。

「今まで、何カ国に行ったことがありますか?」
旅人の間でよく交わされる質問です。34歳の僕が訪れたことのある国・地域は34になりました。

アメリカ合衆国、中国、イギリス、フランス、オランダ、タイ、イタリア、バチカン市国、チェコ、スロヴァキア、ハンガリー、トルコ、シリア、レバノン、ヨルダン、エジプト、カタール、台湾、フィリピン、香港、UAE、カンボジア、ベトナム、韓国、ウイグル自治区、キルギス、カザフスタン、ウズベキスタン、カラカルパクスタン共和国、ベルギー、スペイン、モロッコ、ガーナ、トーゴ...。

20歳のときに20カ国をまわったという友人の話を聞いてから、目標にしていた「自分の歳と、同じだけの国数・地域を訪れること」を達成しました。(国際的に承認されていない国など、ちょっとズルいカウントの仕方もしていますが...)

とは言うものの、「何カ国行ったことがありますか?」という質問ってどうなんでしょう。例えば僕の場合でいうと、数時間の滞在だったモロッコやカラカルパクスタン共和国、2年間生活したシリア、5回訪れているアメリカなど、「行ったことがある」と言っても、その中身は様々です。

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Photo credit: Nakano Takayuki「カラカルパクスタン共和国とアラル海 〜世界から消えていく世界最大級の湖〜

行った国の数は重要?


僕の友人には、世界一周経験者や青年海外協力隊も多く、100カ国以上を訪れた人も何人もいますし、20カ国以上訪れたと言っても、「案外少ないね」というリアクションだったことさえありました。

僕の海外経験は、滞在年数で言えば、合計で3年程度。数ばかり聞かれることも多いので、「国数で負けてても、長く深く滞在してるんだ!」と、鼻息荒く反論したくなることもありました。そんな気持ちもあって、「何カ国行ったことがあるか」という質問に、意味を感じられなかったのです。「何カ国に行ったことがあるかなんて、どうでもいいじゃないか!」とさえ思っていました。

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Photo credit: Nakano Takayuki「経由で味わう!モロッコのカサブランカ6時間トリップ。人との触れ合いと美しいモスク。

そう思っていた僕ですが、「どうでもいいわけではないんじゃないか」と思う出来事がありました。出来事というと大げさかもしれませんが、バスの車窓から景色を眺めていたときのことです。

僕は、ガーナから隣国トーゴにやってきました。僕が滞在しているのはガーナ南東部の町Akatsiです。そこから、トーゴ国境の町Aflaoまでは、車で1時間。そこから国境を抜ける人たちがたくさんいて、ECOWAS(西アフリカ経済共同体)加盟国の国民であればパスポート無しで行き来ができるほどカジュアルです。荷物を頭に乗せたおばさんや、大きなバッグを両手に持ったおじさん達がチェックもなく通り過ぎるので、国境とは思えないほど。

僕はアライバルビザという、大使館での事前申請なしで、国境で取得できる入国許可で国境を抜けました。それも、お金とパスポートがあればすぐに発行されて、拍子抜けするほど簡単です。「いつの間にか、トーゴに入っていた」という感覚でした。

そして歩いて国境を越えると、すぐにトーゴの首都ロメです。僕はそこから北に8時間ほど行ったところにある、トーゴ唯一の世界遺産Tamberma Villageに向かいました。そこのバスの窓から外を見ていると、家の形も、道路の整備具合も、おそらく空の雰囲気さえも、すぐ隣の国ガーナとは違うと感じたのです。

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Photo credit: Nakano Takayuki「2万円で行く!西アフリカのトーゴ、世界遺産と首都の3泊4日

違いを知るための「引き出し」


国境を越えると、そこは違う国でした。文字にすると、当たり前のことなのですが、「違う」というのを、ハッと認識させられたのです。その瞬間、「◯カ国、行ったことがある」というのは、違いを知るための「引き出し」の数なんじゃないか、という考えが頭をよぎりました。

「移動距離と情報は比例する」のだそうです。それは、それぞれの違いが大きくなり、より多くのことに気付くからではないでしょうか。その一方で、隣り合った場所でも「国境」というのは、そこにある文化を変えてしまう境になっているように思います。

僕が学生時代にトルコ〜シリア〜ヨルダン〜エジプトと陸路で国境を越える旅をしたときもまた、同じでした。トルコからシリアに抜けた途端に、まず文字がアルファベットからアラビア語に変わりました。同じアラビア語圏でも、シリアとヨルダンを比較すると、交通の便や物価、人の親密度に変化を感じました(シリアの方が、ヨルダンと比べると、物価は安く、交通が便利で、人が親切です)。

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Photo credit: Nakano Takayuki「シリア図鑑 古代都市アレッポ編 〜シリアの大阪(商業都市)。破壊される前に訪れた美しい世界遺産の町〜

ガーナとトーゴでも、「国境」が多くの物を変えていました。通貨はガーナセディから、西アフリカ・中部アフリカの旧フランス植民地を中心とする多くの国で用いられる共同通貨CFAになります。言葉も、ガーナの公用語は英語で、トーゴはフランス語です。

車のタクシーが多かったガーナと比べると、トーゴではバイクに2〜3人で乗るバイクタクシーが多く走っており、たくさんのバイクが信号待ちをしている姿には、どこかアジアの雰囲気がありました。

ガーナでは停電が日常でしたが、トーゴではほとんどありませんでした(ただ、ガーナがトーゴに電気を売っているらしいです)。穴が開いていることが多いガーナの道路に比べると、長距離移動中に舗装工事を何度も見たトーゴの道は、揺れが少なく非常に快適でした。

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Photo credit: Nakano Takayuki「2万円で行く!西アフリカのトーゴ、世界遺産と首都の3泊4日

自分の世界を広げる旅


「あれも違う。これも違う」

そんな風に「違い」を感じる引き出しを、「◯カ国行った」という経験が、増やしてくれることに気付きました。

「アフリカ」「中東」というと、どこの国も同じかのように思っていましたが、訪れてみると隣り合った国でさえ違うのです。国際ニュースでも、行ったことのある国には関心が出ますし、2年間住んだシリアに関しては「ニュースの言っていることは、つじつまが合わない」ということにも気付きます。

もちろん、訪れただけで、その国のことがわかるわけではありません。日本に住んでいる僕らも、日本のことを全てわかる訳ではないのと同じように。人生の大半を過ごしている大阪でさえ、僕はわかっていません...!

しかし、訪れてみることで、自分とその国がつながります。「世界」が広がります。訪れたことのない場所に行き、あなたの世界を広げる旅へ。国境の向こうに、僕らの知らなかった世界が待っています。

ライター:へむり。
Photo by: Nakano Takayuki「2万円で行く!西アフリカのトーゴ、世界遺産と首都の3泊4日

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▲編集元:TRiPORT