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Traveler's Express「まなかさん&わたるさん - 一人と一人で世界を見る旅 - 」

2014年05月23日 18時13分 JST | 更新 2014年07月22日 18時12分 JST

どこへ行くかより、誰と行くか。旅先で出会った人でもいい、家族でも友達でも、恋人でも。誰かと行く旅は、きっと一人で見る世界をもっと遠く深く広げてくれる。今回は、二人だけど一人で、一人だけど二人で世界一周したまなかさんとわたるさんの旅をご紹介します。

二人で出発した"一人旅"

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わたるさんの憧れの場所「タージマハル」。この後、重い食中毒に罹ってから二人ともガリガリに。

-二人で世界一周しようと思い至った経緯を教えてください。

わたるさん(以下わたる)「自分の人生で、根拠はないけど心のわくわくする瞬間を大事にしていたいっていう思いがありました。そこで一番ピンときたのが世界一周だった。僕は2年休学していて、1年目に既に世界一周しようと思って一人旅に行ったけど、結局一周できなくて、アジアを小回りして帰ってきました。だから、もう1年休学して今度こそ世界一周しようと思って。」

まなかさん(以下まなか)「わたるがわたしの誕生日に、一人旅中だったタイに呼んでくれて。それがわたしにとって初めての海外で、すっごく楽しかった。その時はただの観光旅行をしただけだったんだけど、自分がもし世界一周したらどうなるんだろうって想像していたの。今まで自分の人生で、海外とか旅なんて世界はこれっぽっちも存在しなかったけど、わたると話していると楽しそうだなって思えてきた。」

わたる「僕が帰って来たら、わたしも行くって言うから、じゃあ行こう!って。」

まなか「行くって決断したのは、もちろん楽しそうだなっていう好奇心もあるんだけど、他にも理由があって。わたし、女子大なんだけど雰囲気が合わなかったんだよね。友達は好きなんだけど、女子が固まった時のあの特有の雰囲気が、どうしても窮屈に感じちゃって。狭い世界の中にいるなってずっと思っていて、でっかいこと何かしたいなって思ってたときに、わたるとの旅がポンって繋がった。」

わたる「ただ、僕が一人旅を経験していた分、まなかにも一人旅の楽しさを知って欲しかったから、別々で行こうって最初に決めた。出発前に行く場所やチケットとかは二人で調べたんだけど、いざ出発すると、アレ、気づいたら一緒だぞ?って。笑」

まなか「わたしは怖いし一人旅なんて国内でもしたことなかったから、正直心の中ではずーっと二人で行く!って思ってた。だから実際別れた時、めっちゃ泣いてめっちゃ怖くなって、地球上で迷子になった気分だった。『おかあさーん!』って叫びたくなった。笑」

わたる「僕としては、僕の旅、まなかの旅っていう風に、それぞれがそれぞれの旅をするべきだし、したいと思っていた。辛いこととかたくさんあるし、全部ひとりでなんとかしなくちゃいけないけど、一人旅って自分の中で一番伸びしろを感じることができたんだよね。旅先で出会った人と旅をすることもできるし。けど、結局成り行きで二人で出発した。」

再会後に増えたことは、喧嘩

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2013年元旦、チリのイースター島にある、モアイ像の前で初日の出を拝んでいるところ

―どこかで合流しようっていうのは決めていたんですか?

まなか「ヨルダンのアンマンで分かれたんだけど、フランクフルトから、ブラジルのサルバドールに行くチケットは二人で取っていたから、それまでに会おうって決めていました。全体だと旅していた期間は半年くらいで、別々で回ったのは一ヶ月半くらいかな?」

―それがまなかさんにとっての、初のひとり旅になったと。

まなか「もうね、話し足りないよ! 分かれるまでは、どんな時も全部わたる任せだったの。けど、初めてポーンって放り出されて『やばい!わたし何もできない』って急に怖くなって、最初はめそめそしながら旅してた。でも、一人になって一番最初に飛んだのがエジプトで、ダハブのセブンヘヴンって言う宿に一ヶ月くらい居たら、スタッフとも仲良くなったし、宿の手伝いもするようになって。」

-そこでの出会いから、旅に前向きになっていけたんですね。

まなか「どんなに一人でめそめそしてても、旅は続けなきゃいけない。だったら楽しもう!って気持ちがだんだんプラスになってきて。そうしていると、英語で話すことに対する恐怖とか抵抗がなくなっていった。全然喋れないし分からないけど、分からないなりにも、とりあえず楽しいなって思えるようになった。右も左もわからないから、何をするにも人の助けが必要で、自分からアタックしないと何もできない。だから自分から積極的に旅するようになった。これってつまり、わたるの思惑通りなんだけど。笑」

-一人でいると起こることは全部自分次第ですしね。

まなか「でも、わたるが日本にいたらきっと違った感覚だったと思うな、もっと怖かったと思う。でもわたるもどこかで旅しているんだなっていう安心感があったし、旅に慣れてくると友達もできて旅の楽しみ方が分かるようになってた。自分の身は自分で守らなくちゃっていう意識も強まったかな。」

わたる「再会してから、すごい変わったなって思った。自分の意見を言うようになったから、喧嘩も増えました。笑」

まなか「今までは、違うって思っても口答えしなかった。けど、一人旅をして逞しくなったんだよね。違うなって思ったら表情にも出るようになった。」

わたる「自分の意見を主張するようになったから喧嘩が増えるっていうのは、すごくイイことだよね。」

まなか「旅の最初は、ただの金魚のフンだったから、もったいなかったなって今は思う。後半の二人旅は、お互いこうしたい、ああしたいって言うようになったし、ただ着いて行くんじゃなくて、一緒に見られるようになったなって。」

わたる「やっていること自体は変わらないけど、気持ちは随分変わったよね。」

選択肢は自分次第でいくらでも広げられる

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カンボジアでホームステイさせてもらった家の子供たち。折り紙の手裏剣でおおはしゃぎ

まなか「二人旅だと、病気とか辛い時に支え合えるから、気持ちは楽。コルカタで二人でお腹を壊して寝込んだこともあったけど、二人だから心細くない。憧れのウユニ塩湖に行ったときも、わたしが高山病に罹って大変だったけど、わたるがいたからすごく助けられた。それに二人だと、良いことや悪いこともすぐ共有できる。ただ、やっぱり成長はできないのかなって思う。男女だと周りも気を使ってあんまり話しかけてこないんだ。だから出会いも少ない。」

―それはちょっともったいないですね。旅での出会いは視野をぐっと広げてくれますから。

わたる「いろんな国の人と会って思うのは、日本って、すごく特殊な国だなあってこと。治安の良さや、清潔感とかも含めて、宗教に関してもここまで無頓着な国の方が珍しい。それから、海外の若者の勢いを肌で感じて、これはヤバイぞって危機感が生まれた。大学に行っていない人でも、生活のために言語を学んでトリリンガルになった人とかザラにいるし、そういう人たちを見ていると、日本の若い人を見ると生ぬるいなって感じた。」

まなか「帰国してから、日本には本当に日本人しかいないんだなって思ったな。だからこそ、みんな同じことをしないと不安になる。暗黙のルールとかモラルにすごくこだわっている一方で、海外の自由奔放さに憧れているのは、きっと自分たちが規則や柵に縛られているからだろうな。」

わたる「休学も、世界一周も、特別すごいことじゃない。バイトしてお金貯めてチケット取れば誰でも行ける。ただなんとなく、世界一周はすごい事っていうハードルだけがあるような気がするなあ。だから思いついたら何でもやってみる価値がある。自分で勝手に壁を作って選択肢を狭めるのはもったいない。」

まなか「わたしもいろんな事に対して寛容になった。ぶっ飛んだことをやっている人がいても、それでもいいじゃんって思うし、むしろすごく興味が沸くようになった。わたるは直感タイプだけど、わたしはなるべく無難に生きていきたいって思っていたの。だけど、旅に行ったら直感でもなんでも、こっちの方が何百倍も楽しいって気づいた。そんな生き方があるんだ!わたしもそれやってみたい!って思うようになった。破天荒ばあちゃんになりたいなって今は思うな。常にいろんな事にアンテナを張っていたい。」

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インドで揃えた正装、総額約2000円。セレブ達に囲まれ、破天荒で素敵な時間を過ごした

―もし次に旅に行くとしたらどこがいいですか?

わたる「日本だな!もっと日本のことを知りたい。あとは世界一周中にビザの関係で入国できなかった、イエメン。ソコトラ島っていう島があって、ガラパゴス諸島みたいに変わった植物とか動物がいる島なんだけど、世界一周っていう言葉を意識する前から知っていたからいつか行きたいなって思ってた。」

まなか「わたしは、旅の前半部分に行った国にもう一度行きたいな。もう一回行ったとしても、全然見方が違うと思うんだよね。南米も行きたいな、バスはもう乗りたくないけど。笑」

わたる「ボリビア、ペルー、エクアドル、コロンビアって4カ国を一本のバスで4泊5日間、96時間バスに乗りっぱなし。しかも南半球の1月だから夏でお風呂も入れないし、今何時なのかもわからない。」

まなか「ひもじすぎて、旅の途中で出会った人にもらったお茶漬け舐めてたよね。笑」

わたる「唯一の日本食だったから取っておいたんだけど、旅の最後だったからそろそろ開けようと思って。」

まなか「海苔の風味うま!って言い合ってたよね。小指の爪くらいの小さい海苔でものすごく感動したなー。」

内と外に囚われず、好奇心の赴くままに

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まなかさんが一番行きたかった場所。朝焼けを見て、感動のあまり涙

わたる「南米あたりに居た時はドタバタだった。ウユニ塩湖でまなかが高山病になったり、僕のコロンビア発アメリカ行のチケットが「WATARI NIHONMATSHU」になってた。RUじゃなくてRIになっていたから飛行機乗れない!って焦って電話したけど繋がらなかった。たぶん他の人と比べると、絶対トラブル多かったよね、本が一冊書けるくらい。笑 ベトナムで、第三国行きのチケットがないから入国ゲートで1時間粘ったり、インドで恐喝されたり。」

まなか「ガイドしてくれた人とタクシーの運転手が誕生日パーティに誘ってくれたんだけど、彼らはもちろん宿もグルで。わたしは全然危ないなんて考えてなくて『いぇーいカンパーイ!』って言いながらお酒ガンガン飲まされちゃって。途中で、誕生日だからみんなでお金をあげようっていう流れになった時、急にみんなの目つきが変わった。わたしたちはお客さんだからお金は払いませんよって言った瞬間一気に豹変して。」

わたる「ガイドをお願いしていたんだけど、相場が500ルピーくらいだったのが、500ドル要求されて。それ以上払わないって決めていたから、断固拒否したら胸ぐら掴まれて。警察に行っても誰も耳を貸さないぞって脅されて。『ここは日本じゃないんだ、インドなんだ。インド人はNoシャワー、Noトイレで24時間いけんだぞ』って。笑」

まなか「なんか時々変なことを自慢してきたよね。」

わたる「さすがに大きいインド人3人に囲まれてビビったけど、先に500ルピー渡していたから引いてくれたのかな。でも1時間以上ずっと脅されてた。ブラジルではまなかのネックレスが盗られたし。」

まなか「小さいんだけど、お母さんからもらってお守りにしてたネックレスだったの。サルバドールっていう街で音楽とかダンスが盛んだったから、ライブ見に行ったんだけど、その時にあっという間に引きちぎられて持って行かれちゃった。」

わたる「僕はたぶん、飛行機10本弱は逃してるな。チケットが取れなかったり、パスポートコントロールで引っかかって逃したり、ゲイにレイプされかけたり。今となっては笑えるけどね。」

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ドバイのブルジュ・ハリファにて。124階の展望台「At the Top」からの眺めは忘れられない

まなか「トラブルではないけど、ドバイに行った時、奮発して「ブルジュ・アル・アラブ」っていう七つ星のホテルでご飯を食べたんだけど、ドバイに行くって決めた時はインドにいたのね。でもドレスコードがあるから、とりあえずインドですごく安いスーツ一式と、30円のショールと700円のドレスと、350円くらいのミュールを買って乗り込んで行ったの。そのホテルにいるのは、本物のセレブたちなんだろうけど、トイレに行った時に居合わせた人がわたしの姿を見て「ワオ!」って感動してた。その人は総額何百ドルみたいなドレスを着ていたんだろうけど、こっちは総額150