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Traveler's Express 「藤本太一さん - 世界を巻き込み、わくわくするムーブメントを起こす旅 - 」

2014年04月08日 16時20分 JST | 更新 2014年06月06日 18時12分 JST

TRiPORT編集部の立花(@misakichie19)です。

世界中、様々な国があれど、人の生きるところに、生活はあり、コミュニティはそこから生まれます。ポジティブな感覚が沸き上がれば、幸せの連鎖は国を超えてゆく。藤本太一さん(以下Taichiさん)は、街づくりを学びにイギリスへ留学し、その後ロンドンを拠点にHappiness Architectを立ち上げました。そして昨年11月に帰国するまでの150日間、ネットワークを広げるため"ホームレスCEO"と銘打って、500人のチェンジメーカーたちと友達になるべくロンドン中を巡りました。

「どうしたらこの人はわくわくするだろう」という事を常に考え、2015年には世界を巻き込んだムーブメントを起こすべく、世界一周へ出発予定。今回はその準備を着々と進めるTaichiさんにお話を伺いました。

Traveler's Express 「藤本太一さん - 世界を巻き込み、わくわくするムーブメントを起こす旅 - 」


住むだけで、世界一周できる街

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(イギリスの大学院時代の友人たちと)

一番最初に旅をしたのはいつですか?

昔から放浪癖はあったんよ。確か高校1年のとき、部活のレギュラーから外れて、ぽっかり休みになったから、友達集めて自転車で行けるところまで行って、温泉浸かって帰ろうっていうのをやった。旅と言えるものは、それが最初かな。地元が山口県の徳山で(瀬戸内海沿の山口県東部)、そこから山口市まで自転車で行くっていう無謀なことをしてた。初めはね、海外にはベクトル全く向いていなかった。

―海外に興味を持つきっかけは何だったんですか?

都市デザインとか街づくりの分野で有名な人がイギリス人で、ずっと憧れていた人がその人なんよ。イギリスの大学でその人が教授をしていて、しかも日本では俺の理想とする街づくりは実現できそうもなかった。だから、海外に行きたいというよりは、どうしても日本にいたくなかったっていう気持ちの方が強いかな。それでイギリスに行こうって決めた。

―最初からイギリスに焦点が絞られていたんですね。

ずっとサッカーが好きだったから、海外ならヨーロッパかなとは、なんとなくだけどずっと思ってた。それが偶然憧れた人がイギリス人だったから、もう行くしかない。その時初めてパスポート作ったし、飛行機もその時初めて乗った。そこからは、イギリスでやっていくって決めたらもう走り抜けなくちゃって。そこで自分のやりたいことの軸を固めていった感じかな。

―活動拠点だったロンドンはどんな街ですか?

ロンドンは、そこに居るだけで、バックパッカーがどんどん来るから、おもしろい情報が常に入ってきた。俺自身がバックパッカーじゃなくても、待っていれば世界の人が集まってくるからね。今のロンドンには、46、7%くらいしかイギリス人はおらんのよ。半分以上は外国人。同じ場所で生活しながらでも、アメリカやヨーロッパや、アジアと絡める。ロンドンの中をバックパッカーとして歩き回るだけで、プチ世界一周旅行した気分になれる。

NOと言わないイギリス人

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(ホームレスCEOをしている最中に出会った人たちと、ワークショップを開催。)

―ロンドンはいろんなタイプの人を惹きつける街なんですね。

本当はね、ちっちゃな世界なんよ。道路一つ跨げば、バングラディシュのコミュニティがあって、その対岸にはインド人のコミュニティで、ひとつの道路挟んでこっち側は白人コミュニティがあったりする。しっかり分かれてるけど、差別はない。うまいこと融合しとる。しかも、イギリスだからって全員が英語で喋るかと言えばそうじゃない。

―そうなんですね!・・・でも確かに、わたしがロンドンに行った時、生まれも育ちもイギリス人という人には一人も会っていないなあ。

自分たちの母国語を喋っても、なんとかやっていける街っておもしろい。最初は頑なに英語を話さないといけないって思っていたけど、2年くらい経つと、自分が表現しやすい言葉をその都度選んで話せばいいんだって分かった。自分の意見を言いたい時は英語の方がいいな。良くも悪くもストレートだから。

―日本語だと回りくどくなっちゃうんですか。

そうやね。でも性格は似とるよ。イギリス人ってむっちゃシャイで、なるべくNoではなくYesって言うんだけど、Yesの本意はこっちが判断しなくちゃいけない。ネガティブな事も、人を傷つけるような言葉も言わない。だから、単に「Good」とか、「Interesting」って言ったら、それは彼らにとっては何も興味がないっていう意味なんよ。「今日天気いいっすね」くらいの。笑 興味がある時は、話に乗ってくる。

―全然そんなイメージ無かったです。やっぱり旅をするのと、生活するのだと見える層が変わりますね。

バックパッカーやってる人の中には、3日しかおらんのに、ロンドンとかイギリスを語ったりする人もいる。けど、本質はコミュニティの深くまで入って初めて分かると思う。短時間で付け焼刃かもしれんけど、ホームレスCEO(※1)として、とことん、いろんな人と会ってコミュニティを作っていけば、誰もが知らないロンドンを見ることができそうな気がしたんよね。(ロンドンは)めちゃくちゃカオスやし、こんなに整然としてない所はないと思う。でも、理由は分からないけど、それぞれが自分の好きな魅力を見い出せる。パッチワークみたいな街やね。(※1)TaichiさんのホームレスCEOとしての活動はこちら

ロンドンで見つけた"日本人"という価値

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(大学で講義をした際に出会った、イギリスのゴールドスミス大学の学生たち。)

―街づくり以外の観点で、日本から出たい!と思っていた根源的な理由っていうのはあるんですか?

日本だと、俺がどんなことを考えて、何をして、どういうバリューがあるかに関係なく、歳を取らないと発言力がない。大学を卒業して、フリーターで配達員の仕事をしていた時、売上を上げるために、俺ともう一人の仲間で作戦を立てて実行したら、売上がちょっと上がったんよ。でも俺らは、勝手なことするなって怒られた。売り上げが上がったならまず褒めるべきじゃない? 会社の人が何のために怒っいてるのか分からなくて、こういう理不尽なことがこれからも起こるなら、会社には就職しないって、そこで決めた。あとはもうイメージで、海外に行ったらここ(日本)より少しは個人として見てくれるんじゃないかなって思ったかな。

―帰国後は、日本に対しての見方に変化はありましたか?

自分が生まれ育った国だし、文化だから、やっぱり日本にいるのは、ラク。悪いことしたって日本から追い出されることはない。ただ、無理やり刺激を作らないと怖い。ダラっと生きられるからね。でも、自分より大きいこと考えてる人に対しては、むちゃくちゃわくわくするし、実際にそれを行動に移して、常にチャレンジしてる人って言葉の重みが違う。それは国は関係ない。日本でもヨーロッパでも、どっちで出会った人たちもおもしろいなって。日本にも、話を聞いてくれる大人はいるしね。俺、日本のこと何も知らないでイギリス行ったんだなあって気づけた。

―実際にロンドンで起業した事は、日本でどう活きましたか?

起業したときは、あんまり日本人っていうことは押し出さなかった。でも、それだと全くうまくいかなくて、さすがの俺も打ちのめされた。笑 それがきっかけで、俺だから持ってるものって何だって考えたら、日本のネットワークだった。日本のおもしろいものを海外へ持って行って、展開する。もちろん逆も。そうすると両方喜んでくれる。人を集めて、どうしたらその人がわくわくするんだろうって考えるのが昔から好きなんよね。全く知らない文化の人と、一緒に仕事したら問題点はむちゃくちゃあるけど、形になった時の喜びってすごい大きい。日本のためにっていうよりは、純粋に自分のわくわくを突き詰めていきたいんよね。

日本の遊び道具を使って世界中の友達と遊ぶ旅

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(作っているのは餃子。料理から新たな発想が生まれることもしばしば。)

―来年2015年に世界一周へ旅立たれるTaichiさんですが、コンセプトや明確な目的はあるんですか?

世界中の友達と何かを仕掛けていく旅にしたい。プロジェクトベースでどんどん人をポジティブにしていこうっていうのがコンセプトにあって、そのムーブメントのきっかけづくりを12カ国でやっていこうかなと。

―その12カ国を選んだ基準はあるんですか?

200万都市。日本だと福岡とか広島規模の街やね。都市計画とか都市研究で未開拓なのが、コンパクトシティって言われている、200万都市なんよ。自分たちで街を作ってるっていう感覚が得られる、ぎりぎりのサイズ。ベルリンやリスボン、ポーランドの首都のワルシャワもそう。ブラジリアやハノイ、チュニジアのチュニスも。東京にいて、東京の街づくりに携わってるっていう感覚ってあんまり持てないけど、ベルリンの人って、ベルリンを愛してる。その感覚。

―今はその旅に向けての準備中なんですね。

遊び相手(世界中の友達)と遊ぶ場所(200万都市)はあるけど、遊び道具がないんよ。だから今年一年で、いろんな日本の企業に営業して、PRしたい企業12社に、旅のスポンサーになってもらおうと思って。遊び道具を12個集めて12箇所の遊び場所を見つけて、12箇所に遊び友達を持てば、一年間ずーっと遊べるんよ。笑

―世界中で日本の遊び道具が広まったら、おもしろいですね。

日本の土壌だから生まれたものとか、時代を先走りすぎてるものがいいと思ってる。最終的に日本のイメージアップにつながるものがいいな。俺の思う「Cool Japan」を、旅で見せていきたい。世界でいろんなムーブメントのしかけをつくる中心が、日本人っていうのがおもしろいよね。

―Taichiさんの旅の足跡をたどっていくと、街の変化がわかっておもしろそうですね

ウユニ塩湖とか、観光スポットに行くことにはあんまり興味なくて。行ってみたら感動はするんだろうけど、面白い人に会いたいっていうのが自分の軸だから。いろんな新しい人に会う事が、俺にとっての旅なのかもしれない。イギリスでも日本でも、場所は重要ではなくて、違うタイプの人と会って、新しい話をするのが、俺の中のひとつの旅やね。

1 [藤本太一: 1986年3月20日生まれ。Happiness Architect代表取締役。様々な企業や人とコラボレーションをすることでイノベーショを起こし、世界をHappinessで埋め尽くしたいという思いの元、Happiness Architectをロンドンにて立ち上げ。数多くのプロジェクトの企画・計画・実行を行う。2015年に出発する世界一周に向けて、準備中。]

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