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私とあなたは何が違うのか?汚くて美しい国 インドに探す「旅」の答え

2014年11月19日 17時31分 JST | 更新 2015年01月17日 19時12分 JST

こんにちは。TRiPORTライター赤崎です。

旅する人と話すと必ずと言っていいほどに出てくるインド話。ラグジュアリーなインド旅行もありますが「バックパッカーと言えばインド、インドと言えばバックパッカー」というイメージが定着している部分すらあります。インドの逸話もネットを探せば、騙された、盗まれた、電車がいつまでも来ない、汚い、体調を崩した、痴漢に遭った......そんな話しが腐るほど出て来ます。

大嫌いになる人もいるけど、それ以上に人を惹きつけて止まないインド。私はインドが好きです。インドという国は私に多くの事を感じさせてくれます。

飛行機を出た瞬間からインド臭

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Photo: Horie Kentaro 「初めての海外一人旅。導かれたのは、インドでした。ヴァラナシ(ベナレス)編」より

国によって匂いが違うというのはよく聞く話ですが、もちろんインドも例外ではありません。例外どころかむしろ強烈なインド臭は自ら主張して来ます。空港に降り立った瞬間、スパイスと体臭の入り交じった独特の匂いが押し寄せ、体中にまとわりついてきます。この独特の香りを嗅ぐと、他の国とは違う「おぉぉ、インド来たなー。騙されないからな!」というアドレナリンとパワーが湧いてきます。

見つめ合う私たち

日本人は、他の人の事を凝視したりジロジロ見ることは失礼、という感覚があるように思います。反対に他の人からジロジロ見られ続けたら多くの人が不快感や不信感を抱くかもしれません。

しかし、私の行ったインドでそんなマナーは存在しませんでした。地図を取り出せば「あれ? 私たち友達でしたっけ?」ぐらいの距離に寄って来て一緒に地図を見ます。カメラを取り出せば「撮ってよ」「一緒に撮ろうよ」と集まって来ます。道ばたに座ってiPhoneを触れば隣りに座り覗き込んで話しかけてきます。でもそれは監視してるのではなく、興味や関心の対象として――もしくはカモとしての吟味をしているのかも知れませんが――彼らは私をずっとずっと見て来ます。

最初は落ち着きませんでしたが、発想の転換をすれば自分も相手を見ていても失礼に当たらないと言う事に気付きました。海外に行けばいろいろ見て回りたいし、島国である日本で育った私からしたら、彼らの大きな瞳や、スラッと細い手足、器用に手でカレーを食べる手の動き、働き者の人、昼間から道ばたでチャイを飲みながら寝ている人、全てが興味深くうつります。私も彼らをガン見してもいいのだ、と思います。

決死の値段交渉

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Photo: Toyo Serizawa 「神秘の国インド旅 Dive in ガンガー ~すべての始まりはピンクブラからの巻」より

タクシーひとつ、リキシャひとつ、小さなお土産ひとつ買う値段交渉に驚異的な熱量を必要とします。場所によりけりですが、10倍近くの金額を当たり前のように提示してくることも珍しくないです。その中で粘り強く相場を探り出して交渉を成功させる必要があるのです。日本人はお金持ち、と見られています。

実際、私は日本に日本人として生まれたというだけで、彼らからすれば途方も無い金額や立場、自由を所持しています。向こうは1ルピーでも高く売りたい、こちらはいくらなんでも相場より何倍も高いと分かっているものに、ほいほいと言われるがままにお金を出したいとは思えない。少しでも適正価格、相場に近づけたいと1ルピー単位での交渉が始まります。

おだててみたり、悲しんでみたり、怒ってみたり、離れるふりをしてみたり、他のインド人を捕まえてみたり。向こうだって同じような作戦を使います。1ルピーは日本円の2円にも満たないのに、本気で相手とぶつかり探り合うのはとても疲れます。それでも、日本でこんなに誰か相手に労力を使う事なんて無いな、と考えると、100%の自分でぶつかって行かないといけない状況がとても心地よいのです。

日本ではあり得ない聖なるガンジス川

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Photo: Hideki Tanaka 「インド:美しい人々が住む国」より

遺体を焼き、流し、人々は沐浴をし祈りを捧げ、体や頭を洗い、子どもたちが水遊びをし、牛が洗われ、衣服を洗濯している。それらの全てがある区画内で同時に行なわれているのがガンジス川。世界一汚染されているという声もありますが、それでも聖なる川としてインド人には無くてはならない存在です。

ガイドブックやネットがあれば、全てを見尽くしたように感じてしまうかもしれないですが、自分で行って、実際に祈りの姿を目にし、悪臭を鼻にし、人々の温度を肌で感じる時、そこには本や映像だけでは決して感じられないものに出逢うことができます。目の前で遺体が焼かれ、その煙が夜空に高く高く登っていくのを見ていた時に感じたものは、実際に行かないと感じる事の出来ないものでした。

生きていく

インドには「不可触民」と呼ばれる階層の人々がおり、カースト制度が根強く残っています。男尊女卑、貧富の差、衛生、医療、犯罪、問題が山積みなのは専門家でなくても一目瞭然です。インドは無秩序のような秩序がはたらき、その力で動いています。望むと望まないに関わらず、多くの人はそこで生活をせざるを得ない状況で生きている、という方が正しいかもしれません。しかし当然ながら、美味しい物を食べれば顔をほころばせ、家族を大切に想い、大切な人が亡くなれば悲しみます。誰かに恋をしてドキドキしたり、子どもの誕生や成長に胸を振るわせます。

ここにいる私とインドに住む彼ら、何が違うんだろうか?と考えざるを得ません。そんな風に思ってしまうのは、私が恵まれた日本人という状況ゆえのエゴなのかもしれない。しかし......、と、まだ見つらない答えを抱え旅をしている私は、次いつインドに行こうかといつも考えています。

Have a nice trip!

(ライター:赤崎えいか/http://www.akasakieika.com/


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ライター:Eika Akasaki

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