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アジア大学ランキング:東大7位転落の理由と1位のシンガポール国立大学

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THE アジア大学ランキング1位 シンガポール国立大学

イギリスのタイムズ・ハイアー・エデュケーション (THE) が、アジア大学ランキングを発表しました。近年1位を維持してきた東京大学が7位に転落し、代わってシンガポール国立大学 (National University of Singapore、地元ではNUS(えぬゆぅえす)と呼ばれる) が1位になりました。THE: Asia University Rankings 2016


3年連続1位の東大が7位に落ちたのは、他校の伸びより、ルール変更と自校の低迷


今年のランキング


今回のランキング100位の中から、1位から3位とアジア各国のトップ校を抜き出しました。


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※THEアジア大学ランキングより筆者にて作成


日本より一人あたりGDPで上回るシンガポールと香港のトップ校が強いこと、国全体のGDPで日本より上回る中国が強い結果になっています。シンガポールと香港に加えて、アジア四小龍とも呼ばれていた韓国・台湾が、日本に迫ってきています。

東大の去年と今年の比較: 東大の失点 東大とシンガポール国立大学の比較

東大の去年と今年のスコア比較、また東大とシンガポール国立大学のスコア比較です。

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※THEアジア大学ランキングより筆者にて作成


日本の大学の弱点として一般的に指摘される"国際観"ですが、確かにシンガポール国立大学より東大が圧倒的にスコアが低く、素点で65.9点も差をつけられています。しかし、今回の順位変動での、最も深刻な問題では実はありません。理由は傾斜配分後は、100%中で7.5%しか配分がなく、傾斜配分後ではシンガポール国立大学と4.9点の差はついています。しかしながら、東大は、1位だった去年と今年の傾斜配分後の比較では、"国際観"は0.2点しかスコアを落としていません。


東大が一位から転落した致命傷となったのは、学術論文などの"引用"で大幅にスコアを落としたことです。昨年から今年で13.8点も素点で低下しており、傾斜配分後は100%中で30%も配分があるため、シンガポール国立大学に5.6点もの差を付けられました。


同一の項目であるにもかかわらず、点数の大きな変動があったのは、素点の算出方法に変化があったためです。引用のソースが、去年のトムソンロイターから、エルゼビアのスコーパスに変わりました。また、スコーパスに変わったことで、英語刊行での引用の過大評価を減らす目的での修正が、ゆるやかになっています。


英語での引用の測定方法をゆるめたところ、東大のスコアが大幅に減少したということは、英語での引用が東大は弱かったと推定できます。

最後の指摘としては、東大は全スコア項目で、前年から素点で減点していることがあげられます。これらが、1位から7位への凋落の原因です。


THE: Asia University Rankings 2016 methodology

THE: Asia University Rankings 2015 methodology


まとめ: 東大首位転落は"引用"スコアでの計測ルール変更が理由。
まとめ: 東大が国際観が弱いのは例年同様。配点が少ないため、これまでは他分野でカバーできていた。

本記事は、下記の章を含む記事からの抜粋です。
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