ハフィントンポスト南アフリカ版へようこそ

私たちは、南アフリカの多様さを表現するため、できる限りのことをやっていきたい。
MADELENE CRONJE

南アフリカ共和国で編集者をやるのは大変だ。この国では、ニュースから"スイッチオフ"できない。

ディナーパーティー。エレベーター。ショッピングの行列。飛行機の座席。私も通っている地元のジムのサウナルームの話題。南アフリカの人たちは、今起こっていること全てに深い関心を寄せる。そして、コメンテーター気取りでテレビに出てくるコメンテーターに毒づいたり、最近起こったセレブの破局を騒ぎ立てたりする。私たちはいつも、ニュースについて熱く激しく語っている。

そんなわけで、編集の仕事から離れるのは難しいが、ニュースを作り上げるにはこんなにエキサイティングな場所はない。そして、話題には事欠かない。固いものから柔らかいものまで、エンタメ、政治、ライフスタイル、調査報道。すでに盛り上がっているこの市場で、ハフィントンポスト南アフリカ版は何ができるだろうか?

誰もが参加できる体験――私がハフィントンポストに惹きつけられたのは、読者に向け、読者の目線で語りかけられることだった。長年ニュースに関わってきた経験から、他の新聞やウェブサイトのやり方では人間の体験を切り出すのは不可能だと学んだ。南アフリカ人にとっては、自分の人生と同じくらい政治のニュースが大事で、そのニュースに激怒したりアクションを起こしたりすることがよくある。

ハフィントンポストは世界で素晴らしい政治ニュースを伝える「声」として、多くの読者を得てきた。その取材力でピューリッツァー賞を受賞した。また、健康とライフスタイルの話題も同じように大事にしている。南アフリカのような国にはぴったり合っている。この国では、ヘアスタイルのネタやシングルマザーが直面する困難も、最近起こった国の汚職や、間違いなくデモへと発展すると思われる賃金の話題と同じように深く語られる。

それこそが、ハフィントンポスト南アフリカ版がやることだ。すべての話題を大事にする、それが本来あるべき姿だ。それだけではない。長い間、読者が強く求めてきたことも提供する。私たちはすべてを読者に伝え、なぜ読者が気にかけるべきなのか、その理由も伝える。ハフィントンポストは、ニュースの見方に定評がある。見たままに物事を伝え、その観点を変えない。メディアリテラシーが高い南アフリカ人は、きっとハフィントンポストの誠実さ、透明性を評価してくれるだろう。

読者への調査で、この国の悪いところは暗いニュースやその他もろもろのニュースをさらりと伝えるところだと感じているのが分かった。南アフリカ人はそれ以上を求めている。ここでまた、ハフィントンポストのグローバルの特性が生かされる。問題解決を根底に置いたジャーナリズムだ。これは特別取材とかストーリーを設定するとか、そういう話ではない。ハフィントンポストの普段のニュースに沿ったものだ。年老いた親の世話の話から、南アフリカの干ばつ、そして現在財務省とタカ派の間で起こっているバトルにいたるまで。

私たちのチームは、頭の回転が早く、情熱を持った若者たちをそろえた。これまでのニュースルームで長年一緒に楽しく仕事をしてきた仲間たちだ。私たちは、南アフリカ版の始動に向けて共に3週間奔走してきた。私たちのキャッチフレーズ「激しく、そして楽しく」にどういう意味を持たせるのか実際に学んだ。ウォーター・クーラー周りでの会話が実際の動画になり、本音をぶつけた話し合いから多くの記事が生まれ、ニュース解説や政治ネタのスクープ、そして調査報道を加速させる。

私たちはモラルを大事にしていて、間違いを犯したときにはきちんとそれを自覚し、間違いを認め、将来間違いを起こさないよう誠実に対応する。

最後に、私たちがこの国で初となることを、そしてこれからやることを公表できて本当に嬉しい。南アフリカのどの言語のブログでも迎え入れる。長い間、南アフリカのアフリカ言語は主流メディアから軽視され続けていた。

ハフィントンポスト南アメリカ版は小さなチームだ、現在は8人で予定では11人に増える。私たちは、南アフリカの多様さを表現するため、できる限りのことをやっていきたい。

私たちは、不安やパニックを引き起こすような政治の現状も取り上げるし、その次の日には、美しいバイラル動画も取り上げる。

私たちは、活気があって、話好きで、熱狂しやすく、己の意識を高く持っている。時には大変なこともある国だが、編集者であることは完全な特権であることが多い。ハフィントンポスト南アフリカ版へようこそ。あなたの話をさせてもらうのが待ち遠しい。

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