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「子育てはマネジメント力向上の機会になる」私が育休復帰から1年でマネージャーになった理由

「働くことも子どもを育てることも、選んだ以上は勇気や行動力を持っておくべきだと思います」

「ママ社員は、優遇されて当然」じゃない。フォトクリエイト 淺井千香子さん

こんにちは。WOMenらぼ 編集部の田中(@yositotanaka)です。

みなさんは、子どもを産んだ後のキャリアについてどのように考えていますか?部署異動する、雇用形態を変える、転職する、一度家庭に入る...さまざまな選択肢があります。

子育てに不安はつきもの。万が一を想定して、"守り"のキャリアを選ぶ人も少なくありません。しかし、とある企業の人事担当者は2児の母親。子育てをしながらも、自ら"攻め"のキャリアを選び、営業マネージャー、営業部長などを歴任し、現職に就いている女性です。

彼女の名前は、淺井千香子さん。そこで今回、WOMenらぼではエン・ジャパンを飛び出して、淺井さんに会いに行きました。

※エン・ジャパンの最年少女性マネージャー武内(左中央)、子育て中のマネージャー田中(左手前)も一緒に。

彼女が働くのは、国内トップシェアの園・学校向けインターネット写真販売サービス「スナップスナップ」を手がけるフォトクリエイト。女性が"攻め"のキャリアを歩んでいくための考え方を聞いてきました。

<プロフィール>

中途入社。26歳のとき入社後半年で大阪支社長就任。その後、結婚・出産をきっかけに本社(東京)へ。その後、2人の出産・育児休業を経て、1年後に部門のマネージャーに。その後、営業部長を経て、現職。

子育てはマネジメント力向上の機会になる

-まずプロフィールをうかがって「育休復帰から1年でマネージャーに就任している」ということに驚きました。

育休前は子どもとの生活もイメージできていなかったので、自分がどのくらいできるのか全くわからなかったんです。でも、復帰して1年間働いて、子育ての考え方とマネジメントの考え方が限りなく近いことに気づいたんです。

誤解を恐れずにいうと、乳幼児期の子どもって本当"宇宙人"なんですよね。何を言っても伝わらない。そう考えると、社会に出たばかりの新入社員のほうがまだ会話が成立するんですよね(笑)。でも、私の発する情報が彼らの人生を決めていくという点は同じです。

一見すると子育てってブランクとして受け取られがちですが、私にとってはマネジメントスキル向上のきっかけになりました。マネージャーへのチャレンジにも不安はなかったです。

-その後、営業マネージャー、さらには営業部長も歴任されています。とはいえ、時短勤務ですよね...?

そうなんです。夕方に営業が帰社して、報告したいのに上司が席にいないってことになるんですよね。だから、商談が終わったら、その場ですぐ連絡するように伝えました。報告や相談、意思決定もそのタイミングで。

いろんなことを仕組み化しましたね。メールやチャットのやり取りも私信ではなくグループ全体に共有するようにしたり、決裁の締め切りも「●月●日まで」を「●月●日●時まで ※それ以降は受け付けない!」と明確にしたり...結果としてメンバー間で締め切りへの意識が高まったので、組織としてレベルアップした感覚はあります。

-仕組み化ってカンタンなことではないと思います。

本当に。口癖のように、何度も何度も同じこと言い続けました。最初はもちろんイラッとしていましたよ。「何回、同じことを言わせるねん」と(笑)。でも、ある時「あれ?同じセリフ、家でも子どもに言ってるな」と気付いたんですよね。

子どもって何回言ってもわからないことが前提です。それで「もしかしたら、仕事でも同じ...?」と考えるようになって、メンバーとの向き合い方が変わりました。

先ほどの締め切りの話でたとえると、メンバーが時間をオーバーしたときに怒るのをグッと我慢して、理由を聞く。「●時までだから」と突き放すことはカンタンですが、本人なりの理由があるんですよね。単純に締め切りを忘れていたのか、終わらないようなタスク量だったのか、難易度の高い要望だったのか。きちんと理由を聞いて、同じミスをしないための対話をしていました。

淺井さん流 スキマ時間活用術

-淺井さんご自身のお話も聞かせてください。ポジションやミッションが変わっていくと、当然インプットも必要になると思います。でも、子育てをしていると時間の確保が難しいのではないでしょうか?

それが、じつは子どもを産んでからのほうが読書量は増えたんです。時間が制限されて、「1日24時間」ということを強く意識するようになったというか。

1つ目は通勤時間の活用です。往復30分ですが、私にとっては唯一の自分だけの時間なんです。それまではぼーっとSNSをみていたんですが、今は読書するようになりました。

読書の方法もこれまでとは変えて。やみくもに全ページを読破するというスタイルから、最初に目次をチェックして、本からどんな情報をインプットするのかを決めてから読み始める。そして、関係なさそうなページは端折っていくことで効率的にインプットできるようになったと思います。

2つ目は昼休みですね。ランチの時間にママ社員たちとオフィスの会議室にお弁当と本を持って、ひたすらに。会議室は事前予約が必要なんですけど、「毎週何曜日」みたいなカタチで確保して、やらざるを得ない状況をつくる。だから、一人でもやっていますよ。

-インプットのゴールはどのように設定していますか?

結構シンプルに設定しています。もともとインプットできていないことに危機感を覚えたのも、会話のなかで言葉が出てこなかったからなんですよ。それがショックで。

だから、私にとってのインプットのゴールは「気になった言葉を理解すること」。そして、「その言葉を自分で説明できるようにすること」。主にこの2つです。わかることとできることは違いますからね。そこはちゃんと線引きをしています。

子育てが仕事にもたらす相乗効果

-お話を聞いていると、心の強さみたいなものをものすごく感じます。

そうですか...(笑)?でも「自分に甘えない」ということは非常に意識しています。ものすごく周りには甘えているし、助けてもらっている。でも、絶対に自分には甘えない。だから自分ができることは必ずやり切ります。やり切ったうえでできないことは助けてもらう。

子どもが熱を出したとき。「帰る」ということを当然のように思っていてはいけないと思うんです。少なくとも普段から周囲との関係性が構築できていないと、ありえない。「優遇されて当然」と思っている以上、誰も支えてはくれないわけです。

仮に自分が帰らなければいけない時間にミーティングが設定されたとします。もしかしたら周りは時間変更を提案してくれるかもしれない。でも、周りからのひと言を待っているのは大間違いです。参加できないのであれば、どうやって情報を取りに行くのかを考えられないといけない。

働くことも子どもを育てることも、選んだ以上は勇気や行動力を持っておくべきだと思います。

-周囲との関係性づくりにおいて淺井さんはどんなことを意識していますか?

大きく分けて2つあります。

1つ目は、必ず事前に察知すること。

たとえば、子どものことであれば「あれ?いつもと違うな」みたいに感じることってあるんですよね。それを無視せずに感覚を研ぎ澄ませておくことが大切です。

2つ目は、周囲にとにかく正確に伝えること。過大にも過小にもせずに正直に。

たとえば子どもが病気のときに「●歳の子供が●度の熱があります。こういうときに子どもに寄り添わないと社会人人生を後悔するので、子どもを優先させていただきます」と伝える。周りにも当然迷惑はかけてしまうけど、仮に仕事に残ったとしても私のパフォーマンスが落ちていくことは自明なわけです。周囲に理解してもらうためにも、理由と気持ちを伝えることが重要だと思います。

-最後にキャリアに悩む女性たちへのメッセージをお願いします。

もし出産・育休期間をブランクだと感じて子どもを産むことに後ろ向きになっているなら、そうは思わないでほしいですね。自分が命がけで産んで、育てていく日々は間違いなくキャリアにとってプラスにしかなりません。

確かに言い訳をしようと思ったらいくらでもできるんです。「子ども2人いるんで」「時短なんで」って。でも、私はそれを言ってしまった瞬間に自分のこれまでを否定するような気がしていて。だから、子育てを諦める理由を仕事に求めないし、仕事を諦める理由を子育てに求めないようにしています。

子どもを産んでから自分の母親に「笑顔が増えた」と言われ、復職したときに自分の姉から「子どもに優しくなった」と言われたんです。母親の顔とマネージャーの顔があるのは自分の強みだと思うから、これからも前を向いて私の道を歩んでいきたいと思います。

-子育てがキャリアにプラスになる。言葉ではわかっていても、実際に体現されている方のお話だと説得力が違うし、淺井さんのような働き方は本当にかっこいいと思います。今日はありがとうございました。

▽淺井さんが勤務する株式会社フォトクリエイト

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