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韓国・朴槿恵大統領のスキャンダルが象徴する「1972年体制」の崩壊

投稿日: 更新:
PARK GEUN HYE PARK CHUNG HEE
ASSOCIATED PRESS
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1つの時代が崩壊に向かっている。大統領を操る陰の権力者にまつわる疑惑や、青瓦台(大統領府)の側近たちの常軌を逸した行為は、壊れゆく時代の重要な象徴だ。しかし、実際に激しく崩壊に向かっているのは、韓国の経済システム全体だ。

造船業と海運業の傷口は国民の税金で止血の手当て中だ。鉄鋼業と石油化学も揺らぎ始めた。サムスン電子と現代自動車の3四半期実績は、災害と呼ぶレベルだ。製造業全体がマイナス成長に突入している。

不動産ブームに便乗した建設投資を除けば、年間経済成長率は1%台まで落ち込んだ。世界レベルで貿易量が減少する中、「輸出で食べていく国家」の呼び声は、いまやお荷物だ。輸出が減っていることは言うまでもない。

壊れゆくもののほとんどが「1972年体制」の産物だ。朴正煕大統領が独裁的な権限を確立した1972年の「維新体制」、重化学工業と輸出主導の成長戦略、低負担・低福祉体制が導入された時期に、反対する者には暴力を、側近には特権を、財閥には独占を、労働者には低賃金の職場を与える戦略で持ちこたえてきた国家が蒔いた種だった。それと引き換えに国家は、経済成長という、かなりもっともらしい対価を得たのだった。その体制が崩壊しつつある今、事態を収拾し、新たな時代の幕開けにつなげる責任を果たすべき政府の姿は、失われてしまった。

韓国政府は大宇造船の延命措置を決定した。昨年、粉飾決算疑惑の渦中にあって5兆ウォン(約4600億円)の赤字を記録し、青瓦台の決定により、4兆2000億ウォンの公的資金を投入した企業だ。10億ウォン以上かけたコンサルティングの結果も省みないまま、造船業界は3社体制を維持することとなった。危機は数年後に先延ばしされた。その数年間に、政府が新造船を発注するために投入する11兆ウォンの税金が、彼らの日々の糧となるはずだ。

不動産政策も危機を先延ばしにしているだけだ。2年前までは、借金してでも家を買えと強く勧めていた政府が、最近では、不動産相場の安定政策を発動するとは言ったものの、煮え切らない状態だ。その間に、ソウル・江南地域では1坪当たり4000万ウォンを超える場所が続出し、不動産賃貸価格の価格上昇のスピードは、それこそ波紋を呼ぶレベルとなった。マンション分譲ブームが沈静化すれば経済成長率の大半が吹っ飛ぶという真実には、背筋が寒くなるばかりだ。

世間一般は、大統領と側近たちの素行に釘付けになっているようだ。だが今は、1つの時代をどう締めくくるべきか考える時だ。前の世代の時代がちゃんと整理できてこそ、新しい世代が新たなビジョンで出発できる。こんな大切な時期に、政府は、整理する力も、能力も、意志も失っている。新しい時代など永遠に来ないのかもしれない。

旧世代を整理する力を失った朴槿恵大統領は、今すぐ国政から手を引くべきだ。国会が推薦する首相を任命し、当分の間、国政、特に、厳しさを増す経済状況をコントロールできるようにするべきだ。ただし、首相の権限は、全て過去の時代を締めくくることに用いられるべきだ。その上で、2017年に新政権が誕生すれば、新しい時代を拓く者たちが新たなビジョンで仕事を始められる。

「72年体制」は、その構成内容と支えてきた人間や慣行の全てにわたって、もはや完全に退くべき時を迎えた。公私の区別がつかない思考体系に始まり、財閥のシステムも、輸出・製造業中心の産業構造も、不動産に依存する経済構造も、民間の上に君臨する政府のシステムも、整理されるべきだ。これらを整理することが、「72年体制」を生き抜いてきた産業化と民主化の世代にとって、最後に残された仕事であるべきだ。

その後、どんな時代が来るのか、まだ分からない。だが、古いものが立ちはだかり続ける限り、新しいものは芽を出すこともできないまま、枯れて死ぬかも知れない。すべて枯れて死んでしまえば、過去を形作り、営んできた者は、次の世代に何を語り継げるのだろう。その時まで、他人のせいにし続けるつもりなのか。

ハフポスト韓国版に掲載されたものを翻訳しました。