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世界銀行ビジネス環境ランキング:途上国で起業や経営を容易にする改革が加速

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doing business 2016世界銀行グループが毎年発表している報告書「ビジネス環境の現状」の最新版は、途上国で起業や経営を容易にするビジネス改革のペースが過去1年間で速まっていると指摘している。

「ビジネス環境の現状2016:質と効率の評価(Doing Business 2016: Measuring Quality and Efficiency)」と題した同報告書は、過去1年間に85の途上国が合計169件のビジネス改革を実施した(前年度は154件)としている。高所得国でも62件の改革が実施されており、合計すると世界122国で231件となる。

2015年に新たに実施された改革の大半は、規制のコストや複雑さの軽減によって効率を高めることを目的としたものである。改善が最も多く見られた分野は「事業立ち上げ」で、新規事業設立のための許認可取得にかかる日数と手続き一切に伴う費用で評価される。

起業家による事業設立を容易にするための改革を実施した国は45カ国(内33カ国が途上国)であった。例えば、大幅な改善を実現したインドは、最低資本金の要件および営業開始のための証明書取得の要件を廃止することで起業家を不要な手続きから解放して所要期間を5日間短縮した。ケニアも、事前登記の手続きを簡素化することで事業設立の所要期間を4日間短縮し、事業設立を容易にした。

「ビジネス環境の現状」が収集した過去12年間のデータに基づくと、2003年には世界平均で51日間であった新規事業の立ち上げ所要日数は、現在ではその半分以下の20日間にまで短縮されている。さらにこれらのデータからは、長期的には低所得国の方が高所得国を上回る改善を示すなど、世界全体でベスト・プラクティスへと収斂していく兆しが見て取れる。例えばモザンビークでは、起業家による事業設立の所要日数が2003年の168日間から現在は実に19日間へと短縮されている。

一方、法制度や法的枠組みを強化するための改革はさほど進められておらず、過去1年間の実施件数は53カ国で66件であった。こうした改革が最も多く行われたのは「資金調達」の分野であり、32件の改善が実施され、その半数近くをサブサハラ・アフリカが占めた。

本年度版の「ビジネス環境の現状」では、現地の実情をより正確に把握するため、2年越しの取組みの結果、ビジネス環境を支える制度の質に関する指標が多数追加されている。たとえば不動産登記では、土地管理の質に関する新たな指標によって、土地管理システムの信頼性、透明性、地理的対象範囲に加え、土地問題の紛争解決の側面までが評価の対象となっている。

また、オンラインサービスが「ビジネス環境の現状」が評価対象とする分野全てにもたらす潜在的な経済的恩恵を踏まえ、起業家と政府とのやり取りにおけるインターネットの利用拡大についても言及されている。過去1年間に実施されたオンライン関連の改革は、納税システム、輸出入文書処理、企業や不動産の登記など50件に上った。

同報告書は、規制は本来、経済成長と国民の繁栄を促進する環境づくりが目的であり、これを達成するためには、規制の質がその効率と同じくらい重要であると指摘している。

新たに設けられた質に関する指標で見ると、ヨーロッパ・中央アジア地域の国々の評価が高い一方、中東・北アフリカ地域の国々の評価は低い。

総合ランキングでは、シンガポールがトップを維持している。シンガポールに次いでビジネス環境の規制緩和総合ランキング上位10カ国にランクインしたのは、ニュージーランド(2位)、デンマーク(3位)、韓国(4位)、香港特別行政区(5位)、英国(6位)、米国(7位)、スウェーデン(8位)、ノルウェー(9位)、フィンランド(10位)であった。

地域別の概要については、プレスリリース「ビジネス環境ランキング:途上国で起業や経営を容易にする改革が加速」をご覧ください。

「ビジネス環境の現状2016:質と効率の評価(Doing Business 2016: Measuring Quality and Efficiency)」報告書全文(英語)

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