南アジア地域経済予測:2015年の7%から2016年は7.4%に加速

南アジアは、インドに牽引され、引き続き最も急速に成長する地域として、そのペースは、2015年の7%から2016年は7.4%に加速する、と世界銀行が指摘している。
世界銀行グループ

南アジアは、インドの上昇基調回復に牽引され、引き続き最も急速に成長する地域として、そのペースは、2015年の7%から2016年は7.4%に加速する、と世界銀行が半期に一度発表する「南アジア経済報告」は指摘している。

同報告によると、この好調な展開は、サービスと国内消費の大幅な伸び、緩やかな投資拡大によるだろう。金融不安の影響が限定的であり、 対外ポジションが改善したことから、域内の大半の国々で重要な政策余地が生じている。

インドは域内での影響力が大きいため、その動向は南アジア地域全体の見通しを大きく左右する。投資家心理の改善と、外的ショックへの強靭性強化により、インドの成長率は2015年度に7.5%、2016年度にはさらに7.8%になると見込まれる。

食糧価格と一次産品価格の低下に加え、管理価格上昇の減速が幸いし、南アジア地域のインフレ圧力は大きく軽減されてきた。しかし、ディスインフレーションのペースはどの物価指数を用いるかによって異なる。また、国民所得計算、そして世界各国の購買力に関する比較可能な最新のデータからは、域内の物価測定の正確性について疑問が生じる。同報告によると、南アジアは実際には、これまで考えられてきたよりも物価水準が低く、成長率が高く、経済規模が大きかった可能性がある。

急成長はいまだ大幅な歳入の伸びや財政バランス改善をもたらしていない。財政赤字は2015年も、対国内総生産(GDP)比6.5%(途上地域の中で最高)が続くと見られる。税徴収は予測をはるかに下回る水準のままであり、域内主要国全体で悪化の傾向さえ見られる。

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