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原油価格の小幅上昇にもかかわらず 2015年の一次産品価格は依然として脆弱

2015年08月02日 17時02分 JST | 更新 2016年08月01日 18時12分 JST

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中国とインドが世界の一次産品市場で大きな役割を果たす-世界銀行報告書

国際一次産品市場の動向について四半期に一度発表される世界銀行の報告書「一次産品市場の見通し」最新版によると、世界銀行は、今年4月から6月の第2四半期に原油価格が17%上昇したことを受け、2015年の原油価格見通しを4月時点の1バレルあたり53ドルから57ドルに上方修正した。

同報告書は、第2四半期に原油価格が大幅上昇するも天然ガスと石炭の価格下落(それぞれ13%と4%)によって相殺された結果、同四半期のエネルギー価格は12%上昇したとしている。ただし、エネルギー価格は2014年の水準を平均39%下回ると予測している。天然ガス価格は、米国、ヨーロッパ、アジアの主要3市場でいずれも下落し、石炭価格は17%落ち込む見通しだ。また、エネルギーを除く一次産品価格は第2四半期に2%下落し、今年は2014年の水準を平均12%下回る見込みだ。

「原油需要は第2四半期に予想以上に伸びた。2015年の原油価格は小幅な上昇が見込まれていたが、大量の在庫とOPEC産油国による石油増産により、原油価格は中期的に脆弱なまま推移すると見られる」と、本報告書の主席執筆者であるジョン・バフェス・シニア・エコノミストは述べている。

米国などの主要国政府とイラン・イスラム共和国の核合意が批准されれば、イランからの石油輸出に対する規制などの経済制裁が緩和される。

今回の見通しの下振れリスクとしては、OPEC非加盟国による(生産コスト低下を受けた)予想以上の石油増産と、OPEC産油国による増産継続が挙げられる。一方、今回の見通しに対する押し上げ圧力は、コストの高い操業施設の閉鎖(例えば、米国の石油掘削リグ稼働数は直近のピークだった昨年11月に比べ60%減少)や地政学的な緊張に起因して生じるかもしれない。

一次産品の世界的消費において中国とインドが果たす役割に関し、同報告書は特集ページを設け、中国の需要と、それよりは小さいがインドの需要にも牽引され、金属とエネルギー(特に石炭)に対する世界的需要が過去20年間に大幅に拡大したが、食糧の需要はさほどは伸びなかったと指摘している。

中国における金属と石炭の消費量は、世界全体の約50%へと大きく伸びた。一方、インドの消費量が占める割合はより小さく、金属で3%、石炭で9%にとどまっている。こうした傾向は、両国の成長モデルと一次産品の消費パターンの違いを反映したものだ。

同報告書はまた、エネルギー、金属、農産物、貴金属、肥料などの主要一次産品について、詳細な市場分析を行っている。

第2四半期の金属価格は、大半がなおも余剰であるため、わずかに下落した(鉄鉱石は、2011年の過去最高値の3分の1の価格まで下落)。同報告書は、今年の金属価格は、4月の12%から下方修正して、2014年の水準を平均16%下回ると予測している。

農産品価格は第2四半期に2.6%落ち込んだ。これは、北米の悪天候やエルニーニョ現象への懸念にもかかわらず供給量がさらに改善されたことで、食用油と穀物を中心に食糧価格が大幅に下落したためだ。同報告書は、今年の農産品価格を4月の9%から下方修正し、2014年の水準を11%下回ると予測している。

ほとんどの農産品にとって主要コストとなる肥料の価格は、需要低迷と供給過剰により5%低下すると見られる。

詳しくは、プレスリリース「原油価格の小幅上昇にもかかわらず 2015年の一次産品価格は依然として脆弱」をご覧ください。