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地球の「使い過ぎ」注意報!8月19日は「アース・オーバーシュート・デー」

2014年08月19日 19時12分 JST | 更新 2014年10月18日 18時12分 JST

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国際シンクタンクの「グローバル・フットプリント・ネットワーク」は、8月19日が、2014年の「アース・オーバーシュート・デー」であると発表しました。これは、人間による自然資源の消費量が、地球環境が持つ一年分の再生産量を超えた日、を意味します。つまりこの日から、2014年の残された日々を、人類は地球の生態系サービスの原資に手を付けながら、「赤字状態」で使っていくことになります。

尽きることのない世界の消費、でも地球の生態系は...?

今、経済や人口、資源の需要・消費が、世界規模で増加を続けています。

しかし、地球の大きさは同じまま。地球が持つ生産力、たとえば、木材や水産物(シーフード)といった森や海の恵みを生み出す力や、大気中の二酸化炭素を取り込む力は、基本的には大きく変わることがありません。

それにもかかわらず、消費が一方的に増大した結果、現在は、人類による「自然資源の消費が、地球の生物生産力を超過」する「生態的オーバーシュート」という事態が、起きるようになりました。

これはつまり、本来使ってよい規模を越えた「地球の使い過ぎ」を意味します。

この使い過ぎた分は、どこから持ってきて使っているのか? それは、さまざまな資源を生み出す母体そのものを、削る形で使っています。

さまざまな生きもののつながりで組み立てられている地球の生態系は、損なわれることがあっても、新たに命を生み出す形で「再生」する力を持っています。

生態系そのものが大きく損なわれ、その再生力が失われない限り、地球は無限に近い生産力を持っている、ということです。

しかし、現在の消費は、再生産によって生み出される「利子」どころか、「元金」にあたる「生態系そのもの」を食いつぶす速さで進んでいます。

この事態が続けばどうなるか。

「元金」が失われることで、使える「利子」が減り、さらに元金が失われる悪循環が待っています。

2014年はこれから「借金生活」

1961年の時点では、人間は、地球の生態系が供給する資源の3分の2しか消費していませんでした。

ところが、1970年代に入ると消費と供給のバランスが逆転。生態的オーバーシュートが始まりました。

その年、1年間分の地球の生物生産力を、年末を待たずに人類が使い尽くしてしまう日、すなわち「アース・オーバーシュート・デー」の到来も、年々早まっています。

2014年は8月19日が、この「アース・オーバーシュート・デー」でしたが、この日は2013年に比べ1日早い到来となっています。

現在の消費は、1961年と比較するとほぼ倍に増加。また、その規模は、1年間で地球1.5個分を少し上回るほどになっており、現在も減少の兆しを見せていません。

このまま消費が増大するとどうなるのか。

国連が予測する人口と消費の増加に基づいて試算すると、2050年までには、地球2個分の生産能力が必要だ、という結果が出ました。

ここまで過剰になった地球の「使い過ぎ」が、実際に可能なのか。それだけの力を生み出す生態系が、その時点で存在しているのか。それはわかりません。

しかし、一つ明らかなことは、どこかで地球の生態系が限界に達した時、今のこの消費に支えられた世界は、間違いなく維持できなくなる、ということです。

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このツケは誰に?

「地球の使い過ぎ」は、国や地域によっても、差があります。

日本を含めた先進国は特に使い過ぎの度合いが高く、国民一人あたりで見ると、1年間に地球2.3個分の自然資源を使っています。

そして、その使い過ぎた分は、すべて未来から前借しているものです。

2014年に入ってから排出した、二酸化炭素(CO2。石油や石炭を燃やして得るエネルギーを使うことで出る)も、8月19日以降の排出量は、海にも森にも吸収されません。

毎年のこうした負債が、全て積み重なり、未来の世代に引き継がれてしまうのです。

すでに始まっている世界各地の生態系の悪化は、すでに明らかになり始めています。

水不足や砂漠化、土壌侵食、耕作地の生産性の低下、森林破壊、漁場の崩壊、世界的な気候変動(地球温暖化)、そして野生生物の減少・絶滅。

WWFは1998年より、こうした地球環境の劣化を「生きている地球指数(Living Planet Index:LPI)」として数値化し、同時に、その原因となっている消費による環境への圧力の大きさを「エコロジカル・フットプリント」にまとめ、「生きている地球レポート(Living Planet Report)」として発表してきました。

今の消費生活の先には、どのような未来があるのか。

自然環境と、人の暮らしは、どのような影響を受けるのか。そして、危機を避けるためには、自然の恵みをどのように利用し、持続可能な未来を築いてゆくべきなのか。

今を生きる人類に対する大きな問いが示されています。

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