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「まれ」にみるリアリティ

2015年06月25日 01時13分 JST
時事通信社

先日、専修学校各種学校の会合が自民党本部であった時、福岡県で調理学校等を経営されている中村哲さんにお目にかかった。

東京のフレンチレストランの最高峰の一つであるシェ・イノの古賀シェフやパリのミシュラン一つ星レストランSOLAのオーナー吉武広樹シェフもかつてその学校の生徒だったと言う。

「どんな生徒さんでしたか」とお尋ねしたところ、ニヤリと笑って「ただ真面目なだけと言うことではなかったな」とだけおっしゃった。

そういえば、いまのNHKの朝の連続ドラマ『まれ』はパティシェが主人公。製菓学校も経営されている中村さんがどういう感想を持っておられるのかと思い尋ねてみた。

「『まれ』はご覧になっていますか?」

即、反応が返ってきた。

「あの番組はリアリティーがありますね」。

「どんな点にリアリティが感じられるのですか?」

と聞いたところ、意外な答えが返ってきた。

「オーブンなんです」。

「はあ?」

「まれが修行している洋菓子店にオーブンがあるんですがあのオーブンは日本で1番いいオーブンなんですよ。福岡県の会社が作ってるんです」。

「どれくらいいいんですか?」

「あれさえ使えば誰もがおいしくお菓子を焼けるって言うくらいです」。

「背景でチラリとしか映らないオーブンにまでこだわって作り込んでるというのは大したもんだと思います。監修の辻口さんの気合いかもしれません」。

中村さんはこのことをテーマにブログを書かれていてこれがまためっぽう面白い。リンクを貼っておきました。

かつて、『ぐるりのこと』という映画があった。リリー・フランキーが法廷画家の役をやっていたのだが美術の世界に詳しい人間の話によればその映画の中で、リリー・フランキーが駆け出しの頃使っていた絵筆は安いものだったのが、その後、名を成してから使っている絵筆はいいものだったそうだ。

ディティールにリアリティがある物語は、全体としても説得力があるのだ、と改めて思う。

僕等はそのことが実現できているだろうか、と国会延長が決まった夜に自分自身に問いかけた。

http://blog.livedoor.jp/nsg3/archives/51961421.html

(2014年6月24「週刊yasushi」より転載)