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育児において、妻との関係で気を付けるべき5つのこと

2014年06月03日 14時06分 JST | 更新 2014年08月02日 18時12分 JST

男性の育児参加が叫ばれ始め、「イクメン」という言葉が普及し、育児をする男性はカッコイイというイメージづくりも成功したためか、家事や育児に協力する男性は感覚的には増えているように思います。このこと自体はとても素晴らしいことだと思います。

しかし、イクメンはイクメンでも「名ばかりイクメン」が増えているのではないかということも感じています。それを強く感じさせるデータがあります。下のグラフは、日本を含む各国の夫婦が育児にどのくらいの時間を費やしているのかを比較したものです。

【図1:6歳未満児のいる男女の1日あたりの育児、家事関連時間(週全体)】

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出典:「男性も育児参加できるワーク・ライフ・バランス企業へ(2006年10月),厚生労働省・男性が育児参加できるワーク・ライフ・バランス推進協議会

。資料内記載グラフを筆者が加工。

各国の育児と家事に費やす時間を比較すると、日本の男性だけ特殊な項目があります。それは日本の男性の家事に費やす時間が極端に少ないことです。各国の男性が家事に費やす時間は平均で2時間24分。最も多いアメリカは3時間26分、日本を除く国で最も少ないフランスで2時間30分。それに対して日本の男性は48分。明らかに少な過ぎる状況です。

最近の世の中のニュースを聞いていると、日本の男性「だけ」が先進諸国と比べ、いかに育児参加していないか、という風潮が多いですが、グラフを見るとそんなことはないことが分かります。

各国の平均値を比べると、女性の育児時間2時間24分、女性の家事時間6時間9分、男性の育児時間56分、男性の家事時間2時間46分となっており、どの国においても圧倒的に女性が育児および家事に関わっている時間が長いのです。育児は主として女性が担っているというのは日本に限った話ではありません。

 とは言え、やはり日本の男性は家事をほとんど手伝わないと言って間違いないでしょう。

一方、こんな調査もあります。下記の表は、育児中の女性がどのようなことにストレスを感じるかを調べたものになります。2005年の調査なので、ちょっと古い調査資料ではありますが、その内容は時代によって異なるものではないので、参考になると思います。

【図2:育児のストレスとその解消法】

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出典: 「子育て・育児支援の【こそだて】」アンケート結果(株式会社ブライト・ウェイ,2005年10月)

アンケート調査の結果、1位は「自分の自由時間・睡眠時間が取れない(42.3%)」、2位が「しつけ(27.7%)」、3位が「いつまでも寝ないでぐずる(25.5%)」となっています。

この結果をまとめると、育児中の女性にとってのストレスの原因は

(1)「自分の時間をコントロールできないこと」
(2)「睡眠時間が充分に取れないこと」
(3)「仕事(育児仕事)が増えること」

という3つに尽きるのではないかと思います。

私は、男性がこの3つのストレスの原因を念頭において、子育てに参画することが育児をする上で重要ではないかと思うのです。3つのストレスの原因のうち、①の「自分の時間をコントロールできないこと」については、子供が相手なので極論対処が難しいと思うので、コミュニケーションの中でストレスを軽減させるしかないと思います。しかし、その他の2つのストレスに関しては、男性が大いに貢献できるところではないかと思います。

夫が妻との関係で気を付けるべき5つのポイント

育児をする女性が抱える大きなストレスのうち、「睡眠時間が充分に取れないこと」、「作業(労働)が増えること」を軽減するために、私が気を付けていることは、次の5つです。

(1)「なんで今日は泣いてばかりなの?」。妻と夫で認識が違っていることを理解する

 二者間の問題の原因の多くは、コミュニケーションの前提となる認識が異なっていることに起因することが多いですが、それは育児においても当てはまることなのではないかと思います。

我が家で最初に起こった現象はこんなやり取りです。

ある土曜日のお昼頃泣き続ける息子を見て・・・・

私:「あれっ?今日はうちの子いつもよりよく泣くね。何か調子悪いのかな?

妻:「そう?普通じゃない」

私:「いや、絶対いつもと違うよ」

子供がぎゃんぎゃん泣いている状況で・・・

私:「なんで泣いているのに放っておくの?可愛そうじゃん」

妻:「いつものことだから大丈夫だよ」

私:「冷たいなー、いつもそうしてるわけ?」

というやり取り。このやり取りで私と妻の両方にフラストレーションが蓄積しているわけで、そのままにしておくと近い将来妻か私のどちらかが爆発します。間違いなく。

でも、妻と話をしてみると、子供の状況に対して、妻と私で認識が異なっているということに起因していることが分かりました。その認識の違いを示したのが下記の図になります。

【図3:子供に対する妻と夫の印象の違い】

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子供は1日のうち、ほとんどが泣いているか寝ています。そしてたまに笑います。1日中一緒にいる妻にとっては子供が寝ている間はほっとリラックスしているわけで、泣いている時はやはりストレスがかかります。そうすると、感覚的には妻にとって「子供は1日のほとんどを泣いている」となるわけですね。

一方、夫である私はというと、基本子供と接するのは出社前の朝と出社後の夜と休日だけなので、笑っているところと寝ているところしか見ていないのです。結果として、私の感覚としては「子供は1日のほとんどを笑っている」となってしまいます。

これは人間の感覚の問題なので、正しいとか間違っているという問題ではありません。コミュニケーションの問題なので、お互いが同一の事実をどう捉えているのか理解しあえれば、気遣いができフラストレーションが貯まることはなくなると思うのです。

(2)主役はあくまで「妻」。夫は「サポーター」としての役割に徹すること

妻と夫の役割についても注意が必要だと思います。最近のイクメンブームによって、男性の育児参加や妻と同じ役割分担が必要というような論調がありますが、私は表面だけ真に受けてしまうとちょっと困ったことになるなと思っています。妻と同じ時間を夫の私も費やせればよいのですが、図1を見ても分かる通り、仕事をしながらの場合、育児休暇を取得している妻の方が育児においてはベースとなります。その中で、夫が度を超えて子供を可愛がり続けると、子供の愛情の多くを夫が奪い、ストレスの多くを妻が受けとるという構造になってしまいます。

【図4:望ましくない妻・子供との関係性】

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【図5:望ましい妻・子供との関係性】

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あくまで、育児における主役は「妻」であり、一番ストレスを多く感じるのも「妻」です。であるならば、夫はサポーターの役割に徹して、妻のストレス軽減のための行動をすることが正しいのではないかと思います。そのスタンスだからこそ、普段自分がいない時にも妻は夫に感謝し大切にしてくれたり、ほとんどの時間子供の世話をしていないのに子供がお父さんを好きになることを認めてくれるのではないかと思います。

(3)妻には妻にしかできないことをしてもらい、男性は自分でもできることを積極的に引き受ける

24時間という限られた時間の中で、継続的により良い育児をするには、妻と夫でそれぞれ役割分担をする必要があると思います。その場合、妻しかできないことを妻に夫にしかできないことを夫が、得意な方がそれぞれの仕事を担当するのが望ましいですよね。そんな考えから、育児においてどんな仕事があるのかなと整理をしてみたところ、面白いことに気が付きました。下の表のように整理ができたのですが、夫にしかできないことは何一つありませんでした。我が家の場合は母乳育児なので、あったのは「妻にしかできないこと」と「夫にでもできること」だけでした。

【図6:育児仕事の整理】

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ならば、男性がすべきことは単純で、これらの仕事を一つでも多く引き受けるしかありません。全て引き受けることは現実的に難しいので、一つでもでも多く引き受けることが大事なのではないかと思います。

(4)たまには子供の泣き声がしない時間を提供(30分でも1時間でも嬉しい)

子供は泣いていても笑っていても、どんな時でも可愛い存在です。しかしながら子供の泣き声には条件反射で対応してしまいますし、やはりそれは大きなストレスです。妻にとって、24時間いつ泣きだすか分からないという緊張感は想像以上のストレスのようです。

我が家でも、時々子供が泣いていてもそのままにされることがあります。「頼むからちょっとだけ寝かせて」という感覚です。普段24時間妻が頑張っているのですから、そんな時くらい夫の自分が頑張らないといけないですよね。

ですので、1週間に1回1時間でも良いので、夫があやしてあげて、妻が安心して寝れる時間を整えてあげるとよいと思います。それは土曜日や日曜日の朝の1時間やお昼寝の時間で構いません。

自分にとってはたかだか30分、1時間ですが、妻にとっては何時間にも相当する価値があるようです。

(5)たまには子供のいない時間を提供する (月に1回でも嬉しい)

 もしできるならばこれを実践できると最高かなと思います。月に1回でも、2カ月に1回でも良いので、妻に一人で出掛ける時間を提供してあげることです。図2で示した通り、育児のストレスで最も大きいのが「自分の時間を自分でコントロールできないこと」です。そのストレスを少しでも解消できるのが、妻に自由にできる時間を提供することだと思います。これは、夫にとっても妻にとっても実は難しいことのようです。夫にとっては、普段多くの時間を子供と一緒に過ごしていないため、いざ一人で世話をするとなると様々な不安が募ります。一方妻にとっても、普段多くの時間を一緒に過ごしている分、子供と一緒にいない時間が不安になるのです。なので、自由な時間が欲しいと思っていても、夫に預けている不安と比べれば、自分が一緒にいた方が安心ということで、妻はさらに四六時中子供と一緒にいることを選んでしまいます。

 しかし、この子供のいない時間を提供することは、お互いの大変さや子供と一緒にいる時間の幸せを感じるために、頑張ってでも実践する価値があるように思います。

私自身、月に1日は妻に自由な時間を提供すると目標を立てましたが実現できておりません。ぜひ、ここまで達成したいなと思います。

育児はとてもストレスの多い仕事です。それは育児の主役である妻においてさらに大きなものになります。でも、そのストレスの原因が分かれば夫の協力でより良い育児環境を整えられると思います。ぜひそんな理解が広がり、正しい男性の育児参画が進むとい良いなと思います。