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ハフィントンポスト日本版に期待することを、マーケティング的な視点から

2013年05月08日 22時29分 JST | 更新 2013年07月08日 18時12分 JST

ハフィントンポスト日本版創刊にあたり、マーケティングに携わってきた経験を踏まえ、新しいメディアとして期待することは以下の4つである。

1.リーチ:数は力。何が何でもヤフトピ編集者の回覧サイトになる

2.キュレーション:文章量は短く(PC/タブレットでワンスクロール)してまとめに徹する

3.トレンド:トップを話題の変遷がわかるインタフェースにする

4.マインド:編集姿勢を公言する

私はコンサルティング、コンテンツベンチャー、金融マーケティング、アパレルと職を変える中で、仕事のスタイルを都度変化させる必要があったが、情報収集に関しては一貫した自分のスタイルがある。それは「新聞で世の中の流れをつかみ、ネットでその予兆を捉え、書籍で知識を体系化し、人に会って未来を構想する」というものだ。

岩猿敏生『日本図書館史概説』によれば、9世紀末時点では漢籍で約1580部、1万6734巻(日本国見在書目録)。13世紀では和書で約493部(本朝書籍目録)。この時代は、書籍が文化そのものであり、その数が権力の象徴でもあった。この頃から比べれば、現在はほぼ無料でどのような情報にも触れられる時代になっている。

膨大な情報量の中からトレンドをつかみ、作り出していくマーケティングの仕事はもちろん、広く切望されるのは新しい情報収集の手法だろう。しかしながらビジネスにおけるネット化と同じように、これまで非ネットメディアが果たしてきた役割を省略することはできない。

そうなると、ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパンがいかに「世の中の流れをつかみ、その予兆を捉え、知識を体系化し、未来を構想する」メディアになりえるか、という観点になる。その中でも、既に「死んだメディア」とも呼ばれることがある新聞の役割「世の中の流れをつかむ」という部分こそ、ハフィントンポスト日本版が改めてチャレンジすべき領域だ。

自分がマーケティングに携わる中で新聞の価値を感じているのは、その規模(リーチ)もさることながら、編集(キュレーション)を意識することで、トレンドやマインドを推し量ることができる、ということだ。

 具体的には、

1.リーチ:新聞(特に全国紙)の部数はバカにできない

媒体として改めて考えると、新聞は読者属性の偏りはあるにしても、一度にリーチできる数は最大級。しかもテレビやラジオ、ネットのように「ながら視聴」はほぼなく、眼球と意識をロックできるので影響力は大きい。

2.キュレーション:新聞を編集の視点から考える

よほどの速読家(もしくは余程ヒマな人)でもない限り、毎日の新聞に書かれた内容を余さず網羅することは難しいし、その必要もない。それよりも、事件や事故、政治の話題など、おのおのの話題が"どのくらいの文字数で""事実か意見か""何面に出てくるか"と編集の観点から捉えることで、その新聞が現時点で世の中の"話題"をどう捉えているかが見えてくる。

3.トレンド:編集の変化を時系列で考える

どんな話題でも時が流れれば人々の関心は薄れる。最初は1面に合った話題が徐々に中面に、そして文章量も小さく、事実の報告のみになっていく。各々の話題の"話題度"の変遷を追うだけでも、一過性の出来事なのか、それとも長く続く課題なのかという見極めができるようになる。

4.マインド:編集者の意思を推し量る

編集には人が関わる。景気や外交的な緊張状態など、紙面全体から感じられる編集者の意思を推し量ることで、疑似的に社会全体と向き合うことができる(また、意図的に煽ろうとしているかどうかもわかる)。

 

改めてハフィントン・ポスト・ジャパンに期待することを考えると、

1.リーチ:数は力。何が何でもヤフトピ編集者の回覧サイトになる

ヤフトピに載らないことには、マスを相手にした爆発的な成長は望めない。まとめサイトもヤフトピに載るようになってきているので、まずはその位置を狙う。

2.キュレーション:文章量は短く(PC/タブレットでワンスクロール)してまとめに徹する

企業や組織の中の人は独自の一次情報を、それ以外の人はスピード重視で見出しをつけていくまとめの役割を。

3.トレンド:トップを話題の変遷がわかるインタフェースにする

PVの絶対量だけでなく変化の差分でランキングするなどライブ感のある見た目にする。

4.マインド:編集姿勢を公言する

本当に中立的な人なんていない。ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパンとしてどう考えるのか、ポジションをとったうえでオープンにする。

ネット選挙が今まさに開始されようとしている中、ネットメディアは進化を迫られ続けるだろう。もっと大きな期待としては、ネットのみならずすべてのメディアをリードし、社会を動かしていく存在になってほしいと思う。そしてポジティブな未来に向けてリーダーシップを発揮していくために、微力ながら参加できればと思う。